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南紀と世界遺産の紀伊山地熊野を巡る(2)

ドライブライン

橋杭岩。見事に並んでいる 熊野三山に続く古道や、熊野速玉大社、熊野那智大社と二つの社を訪れた後、再び国道42号線を南下した。風光明媚な入り江に温泉の湧く那智勝浦、鯨の町太地を経て「弘法大師の未完成品」といわれる伝説が残る奇岩巨岩が並ぶ“橋杭岩”のある串本へ。そして、「向かいは大島」と唄われた島を巡る。
かつては串本と巡航船が結ばれた大島は、いまは立派な橋の上を車が走る。その島内にはトルコ海軍遭難の慰霊碑や日米修交記念館など国際交流の足跡を残しているが、賑わいを見せていた大島港は寂れ、老人たちの静かな憩いの場となっていた。
串本の太平洋に突き出た半島の先端には、約30mの断崖から熊野灘を見下ろす本州最南端の潮岬灯台が建つ。山にはミカンがたわわに実をつけ、黒潮踊る冬の海には、高級魚クエの漁が始まっていた。


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ドライブライン

<コース>
新宮−(国道42号線)−那智勝浦温泉−太地町−串本町−(県道40号線)−大島樫野崎−(県道41号線)−潮岬−(国道42号線)−白浜町
行程 約160km

ルート付近のリンクポイントをクリックしてみてください

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●南紀勝浦温泉

最近までは「勝浦温泉」と呼ばれていたが、千葉県外房総の勝浦などと区別するため、観光業界で南紀を加えた。リアス海岸であり、南紀の景勝地として一帯を「那智勝浦」という。

勝浦漁港
勝浦漁港
ホテル前の海で釣り
ホテル前の海で釣り

磯に湧く温泉の開湯は江戸時代の末期で、大正時代からボーリングが盛んに行われた。源泉の数は100を超え、各旅館は自前の源泉を持つといわれている。
太平洋に面した変化に富んだ海岸、点在する島や小さな半島に多くの温泉宿泊施設があり、これらへは観光桟橋から船で結ばれている。なかでも狼煙半島全体を敷地とする、忘帰洞と玄武洞という自然の洞窟浴場や緑豊かな半島にそびえる白亜の大型ホテルなどが有名だ。

●太地町立くじらの博物館

那智勝浦の入り江を形どる半島に、かつては鯨漁で名高かった太地町がある。
ここは日本の古式捕鯨発祥の地であり、400年も続く漁は現在も小型クジラやイルカ漁として行われている。平成22年(2010)3月、イルカ漁反対の米映画『ザ・コーワ』の舞台になったところ。

古式捕鯨の槍。ギリシャ戦士を連想させる
古式捕鯨の槍。ギリシャ
戦士を連想させる

太地町はクジラが出迎え
太地町はクジラが出迎え

半島の先端にある「くじらの博物館」には、体長15mもあるセミクジラの模型が天井から吊され、捕鯨の発祥の地としてクジラの生態や捕鯨に関する400年の歴史に及ぶ資料が展示されている。
敷地内の広い園内には、海水をそのまま取り入れた大きなプールがあり、クジラやイルカが飼育されている。その他、捕鯨船資料館やアシカ・イルカショーも楽しめる。
/入館料 1,050円、TEL 0735-59-2400

くじらの博物館
くじらの博物館
目の前までやってくるイルカ
目の前までやってくるイルカ

ピョンとプールサイドに上がったイルカ。誰でもさわれる
ピョンとプールサイドに上がったイルカ。
誰でもさわれる

プールからヌーッと現れた。何だおまえは!
プールからヌーッと現れた。
何だおまえは!


もうちょっと出たら目が見えた。クジラでした
もうちょっと出たら目が見えた。
クジラでした

背泳ぎで遠ざかりました
背泳ぎで遠ざかりました

古式捕鯨の様子がよくわかる
古式捕鯨の様子がよくわかる
クジラに突進するのがこういう舟だった
クジラに突進するのがこういう舟だった

●串本・橋杭岩

橋杭岩
橋杭岩

串本から大島を眺める海岸に、橋の杭を思わせるような大小40余りの奇岩が並ぶ。
その昔、天の邪鬼が弘法大師に向かって、一晩で大島まで橋を架ける競争を挑んだ。できるはずがないと思っていた天の邪鬼の目の前を、大師は山から巨岩を担いでは、次々と海中に立てた。焦った天の邪鬼は、大声で朝を告げる鶏の鳴き声を真似た。
朝と思いこんだ大師は、橋桁だけを造ったまま仕事を止めてしまったという。「弘法大師の未完成品」という伝説が残る橋杭岩である。
橋杭岩。見事に並んでいる
橋杭岩。見事に並んでいる
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黒潮に洗われ長い時間を経て浸食された、850mにも及ぶ奇岩柱の列は国の名勝天然記念物でもある。潮の満ち引きや朝な夕なはもちろんのこと、観る側の位置によっても大きく変わる岩の連なりは南紀屈指の景勝地である。

●大島港

「ここは串本 向かいは大島 仲を取りもつ 巡航船」と唄われた串本節、その大島へは、島の中央へとループを描きながら新しく立派な道路と橋が結んでいた。
道路や橋の建設の裏には、取り残されてしまう村や町がある。かつての巡航船発着地であった大島港も衰退の道を辿り、町には若者の姿はもちろんのこと、一軒の商店もなくなったと、老人たちが口を揃えていう夕暮れの空には無数の鳶が舞っていた。
大島の公園の猫。いい魚をもらっても食いなれてしまって
大島の公園の猫。いい魚を
もらっても食いなれてしまって


串本大橋。道路は港の遙か上を通過する
串本大橋。道路は港の遙か上を通過する
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ループで高度を稼ぎ、道路は大島へと続く
ループで高度を稼ぎ、道路は大島へと続く

かつては巡航船で賑わった大島港。今は人影もない
かつては巡航船で賑わった大島港。
今は人影もない

大島港の近くも景勝地だ
大島港の近くも景勝地だ
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養殖筏と漁船。夕暮れの大島港
養殖筏と漁船。夕暮れの大島港
大島港民宿の夕食。さらに旨い焼き魚が加わった
大島港民宿の夕食。さらに旨い
焼き魚が加わった


しかし、この港沿いには、世界ではじめてマグロを卵からふ化させることに成功したという近畿大学水産研究所大島試験所のマグロ養殖場があった。工場のような建物の中には本マグロの稚魚が泳ぐ大きな水槽があり、その隣のビニールハウスの中にも大きな水槽がいくつもある。近くの海には40〜50kgにも成長したクロマグロやタイなどの養殖生け簀がある。
近畿大学水産研究所白浜試験場では、トラフグやクエといった高級魚の養殖もしている。

●樫野崎灯台

大島の東端に、明治3年(1870)イギリス人技師により造られた、日本最古の石造りの灯台が建つ。断崖絶壁の上に建つ灯台は現在も活躍中。無人だが点灯は自動的に行われている。内部には入れないが、螺旋階段を登ると太平洋の大海原が一望できる。
敷地内には当時イギリス人技師が植えたという水仙の群生が、現在もよく手入れされ冬には可憐な花を咲かせる。
樫野崎灯台
樫野崎灯台

●トルコ記念館

オスマン帝国(現在のトルコ)皇帝特派使節として来日したオスマン・パシャ海軍少尉以下650余名を乗せた軍艦エルトゥールル号が使命を果たし、帰国の途についた明治23年(1890)9月、熊野灘で暴風雨に遭遇。9月16日夜、樫野崎灯台下の岩礁で難破580余名が帰らぬ人となったが、地元住民の献身的な救助活動によって69名が救助された。
遭難慰霊碑とともに、エルトゥールル号の模型や遺品、写真などを展示したトルコ記念館があり、当時の様子が解説されている。現在も5年ごとに追悼祭が行われている。灯台の近くに、真新しいトルコ近代化の父といわれるムスタファ・ケマル・アタテュルク初代大統領の像も建つ。
/入館料 250円、TEL 0735-65-0628

トルコの軍船はこのあたりで遭難した
トルコの軍船はこのあたりで遭難した
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トルコ記念館
トルコ記念館

アタチュルクの騎馬像
アタチュルクの騎馬像
トルコ人観光客が遭難碑に花を捧げていた
トルコ人観光客が遭難碑に花を捧げていた

●日米修交記念館

寛政3年(1791)ペリー提督率いる黒船の来航より62年前、アメリカの2隻の商船レイディ・ワシントン号とグレイス号が大島に上陸した。このとき初めて公文書に記録が残されたことから、これを記念して建てられたもの。館内には船の模型や写真などの資料が展示されている。
/入館料 250円、0735-65-0099

●潮岬

和歌山県東牟婁郡串本町に属す、東経135度46分、北緯33度26分本州最南端の地。気象通報などでは四国の足摺岬と並んで台風の位置を表す指標となっている。
昭和11年(1936)吉野熊野国立公園に指定された。串本市街に位置する砂州で結ばれている標高60〜80mの台地にあり、その先端には潮岬灯台が建つ。灯台の下は断崖で、太平洋の荒波が岩礁に打ち寄せる。
潮岬灯台は、かつては潮御崎神社があったところに、明治6年(1873)にイギリス人技師の手により開設、現在も海上交通の要所として沖行く船を照らし続けている。
本州最南端にある潮岬灯台
本州最南端にある潮岬灯台

白亜の灯台の68段の螺旋階段を登ると、太平洋の広がりを観ることができる。階下には資料館もある。
/入館料 200円、TEL 0735-62-0514

●望楼の芝

岬一帯に約3万坪にも及ぶ広大な「望楼の芝」と呼ばれる芝生を敷き詰めた公園がある。公園内にはキャンプ場などもあるが、7階建ての「展望タワー」が観光名所だ。

最上階の展望台へはエレベーターがある。好天に恵まれれば、円弧に広がる水平線が眺められ、幸運者は潮を吹くクジラを見ることができるとか。
2階には地元産の魚介類を食べさせてくれるレストランがある。名物は近畿大学水産研究所大島試験所で養殖された本マグロ“近大マグロ”だ。30年を超える地道な研究の末、平成16年(2004)に初出荷されてから人気の目玉商品である。近大マグロ丼が1,500円。その他マグロ料理がいっぱい。
/展望台へは300円
  TEL 0735-62-0810
潮岬タワー。展望が素晴らしい
潮岬タワー。展望が素晴らしい

●「日本童謡の園公園」と「暖地性植物群落」

串本町から南紀白浜へと続く国道42号線沿いは、ダイビングやシュノーケリング、海水浴場といった遊びや海中公園、釣り人には魅力的な磯と青くきれいな海を楽しむ施設や場所が沢山ある。
ドライブ中に目にした童謡の園公園へ寄り道。駐車場もあり、そこには、世界のエビとカニだけを集めて展示した「エビとカニの水族館」もある。樹木に囲まれた自然公園の中に童謡の歌碑や、歌にちなんだ子供達のブロンズ像が建ち、前を通るとメロディーが流れるメルヘンチックな散歩道だ。
双島は枯木海岸の中心部にある
双島は枯木海岸の中心部にある

童謡の園公園はメルヘンの世界
童謡の園公園はメルヘンの世界
童謡の園の遊歩道から見下ろす岩礁の海
童謡の園の遊歩道から
見下ろす岩礁の海


また黒潮の温暖な気候に適した植物も多く見られ、なかでも太平洋に突き出るように浮かぶ江須崎島は、珍しい植物に覆われ島そのものが天然記念物となっている。島といっても、引き潮の時には陸続きとなり、潮が満ちても、小さな橋で結ばれている面積7ヘクタールの小さな島だ。
島全体が春日神社の神域として保護されている。ハカマカズラ・ナギランなどやスダジイを中心とした樹林など、暖地地帯の南限・亜熱帯の北限の両地帯の植生が見られる島である。灯台があると聞いて樹木の中を20分ほど歩いたが、標識もない踏み跡だけの道のため迷い、行き着くことができなかった。

暖地性植物に覆われた江須崎島
暖地性植物に覆われた江須崎島
島内はジャングル状態
島内はジャングル状態

きれいな水と岩礁
きれいな水と岩礁
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島全体が春日神社の神域
島全体が春日神社の神域

海岸は快適なドライブウェイでもあった
海岸は快適なドライブウェイでもあった
白浜への道が続く
白浜への道が続く



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太地町観光情報
太地町公式サイト内。くじらの博物館など町内のみどころと案内図が見られる。
南紀串本の旅・観光案内
串本町観光協会による。「潜る・遊ぶ・体験」情報、渡船・遊漁船案内、グルメ情報などを掲載。

取材:2010年11月

※ドライブコースの情報はそれぞれの記事の取材時点のものです。