春を探しに。三重北部ドライブ(1)

三重といえば、伊勢・志摩など県中東部の人気が高いが、その北側――四日市、亀山、津あたりにも歴史ある温泉地や神社仏閣、旧宿場町など見どころが多い。寒さも和らいできた3月下旬、春を探しに三重県北部をドライブした。
スタートは、ニッポンレンタカー近鉄四日市駅南口営業所。そこから国道477号線を走り、御在所岳の山麓、今年2018年に開湯1,300年を迎える「湯の山温泉」へ。天気もよかったので「御在所ロープウェイ」で標高1,200メートルを超える山上公園へと上がっていったが、山の上はいまだ冬の様相で木々には樹氷も残っていた。梅の名所「鈴鹿の森庭園」では、美しいしだれ梅と鈴鹿山脈の春らしい景観を堪能。亀山市の旧東海道「関宿」で古い街並みを散策したあとはグリーンロードを南下して、この日の宿泊地である「榊原温泉」へと向かった。

ドライブルート

四日市市中心部−(国道477号線、県道577号線など)−湯の山温泉−(国道306号線など)−鈴鹿市−(国道306号線、県道11号線など)−亀山市関町−(県道10号線、グリーンロードなど)−榊原温泉−(県道512号線)−青山高原−(県道512号線、国道165・23号線など)−津市中心部−(国道23号線、県道10号線など)−津市一身田町−(国道23号線など)−四日市市中心部

全行程約180km、今回行程90km

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垂坂公園・羽津山緑地

「ニッポンレンタカー近鉄四日市駅南口営業所」を発ち、まず向かったのは、市中心部から北へ6キロほどのところにある「垂坂公園・羽津山緑地」だ。
里山の景観を残す緑豊かなこの公園のいちばんの見どころは、高台の展望台からの眺め。四日市市の工場地帯やその先の伊勢湾を一望にでき、市内屈指の夜景観賞スポットとしても人気が高いという。
園内のあちこちには、花桃、モクレン、レンギョウ、コブシなどの花々が彩り華やかに咲き誇り、春の訪れを感じさせてくれた。

  • 展望台からの眺め。四日市市の工場地帯が見渡せる

  • 自然豊かな園内には、舗装されていない散策路もある

  • 春の色彩の共演。手前から黄色のサンシュユ、白色のコブシ、桃色の花桃

  • 青空に映えるアンズの花

アクアイグニス

国道477号線を湯の山温泉方面へ。正面には鈴鹿山脈の山並み

正面に御在所岳や釈迦ヶ岳など鈴鹿山脈のたおやかな山並みを眺めながら、湯の山温泉を目指して国道477号線を西へ。ちょうど昼どきだったため、国道沿いにある温泉リゾート施設「アクアイグニス」でランチを食べることにした。
49,000平方メートルという広大な敷地には、日帰り入浴ができる源泉100%のかけ流し温泉「片岡温泉」や、杉・松・栗・檜など棟ごとに異なる木材を使った宿泊施設「オーガニック離れ宿」、イタリアンや和食のレストラン、スイーツや石窯パンの店など、多彩な施設・店舗が揃う。それぞれの飲食店を手がけた人物も豪華で、スイーツと石窯パンは人気パティシエの辻口博啓氏、イタリアンは山形「イル・ケッチャーノ」の奥田政行氏、和食は東京・恵比寿の「賛否両論」の笠原将弘氏と、各ジャンルの一線級の人たちが並ぶ。
ショップも充実し、辻口氏、奥田氏、笠原氏プロデュースの食品、アーティストの雑貨、アクアイグニスでしか買えないお菓子など、ここでお土産ものを物色するのもいいだろう。敷地内にあるビニールハウスでは、12月から5月にかけていちご狩りを楽しむこともできる(予約制)。
人気の施設ということもあり、平日でも観光客が多く、レストランでは少し時間待ちをすることに。イタリアンの店「イル・ケッチャーノ ミエーレ」でパスタランチを食べたあとは、ドライブ中のおやつにと「マリアージュ ドゥ ファリーヌ」でパンを買い、アクアイグニスをあとにした。

  • アクアイグニスとは、ラテン語で「水と火」を意味する。敷地内の一画には、清浄な水をたたえた空間が広がる

  • 「片岡温泉」のエントランス

  • イタリアンや和食のレストランが並ぶ

  • 丘ひじきを使った、ジェノベーゼソースのパスタ

  • 美味しそうなパンが並ぶ「マリアージュ ドゥ ファリーヌ」の店内

  • ドライブのおやつに買った、いちごメロンパン、
    御在所クリームパン、クロワッサン

  • パティスリー「コンフィチュール アッシュ」では、
    ケーキや焼き菓子のほか、さまざまな果物を使ったコンフィチュールを販売

  • 敷地内には、自由に遊べる芝生の広場もある。
    奥に見えるのが、いちごを栽培するビニールハウス

湯の山温泉

湯の山温泉は、今年2018年に開湯1,300年を迎える

国道477号線から県道577号線に入り、御在所岳山麓の山あいの道を走っていくと、やがて「湯の山温泉」の温泉街へと到着する。
湯の山温泉の歴史は古く、養老2年(718)に浄薫和尚が薬師如来のお告げによって発見したと伝わる。今年2018年は開湯1,300年の節目の年となり、4月から1年を通じてさまざまな記念イベントを実施する予定だ。
温泉街には10軒ほどの温泉宿やホテルがあり、宿泊はもちろん、日帰り入浴でも温泉を楽しむことができる。忠臣蔵で有名な大石内蔵助ゆかりのスポットも点在し、討ち入りのために江戸に向かう途上、愛人・小柴太夫(阿軽)と涙ながらに別れた「涙橋」や、内蔵助が好んだと言われる「大石」(大石公園内)などがあった。

  • 三滝川沿いから、明治創業の老舗旅館「寿亭」を眺める。
    左の建物は昭和4年(1929)に建てられた別館「水雲閣」

  • 重さは推定800トン。
    日本一大きいと言われている御影石「湯の山の大石」

  • 大石内蔵助ゆかりの「涙橋」

  • 温泉街をぬうように流れる三滝川の渓流

御在所ロープウェイ

ロープウェイ湯の山温泉駅

御在所岳は鈴鹿山脈の中央部に位置し、標高は1,212メートル。自分の脚で登るのは大変だけれども、「御在所ロープウェイ」に乗れば標高差780メートルをたった12分で登ってしまう。天気もよかったので、山上公園を目指すことにした。
ロープウェイのゴンドラからは、はじめは湯の山温泉の温泉街が眼下に見下ろせ、徐々に高度を上げていくと展望も開け、やがて伊勢湾北部の沿岸地域一帯が見渡せるようになる。目を凝らすと、遥か遠く名古屋駅前のツインタワー(JRセントラルタワーズ)も眺めることができた。

  • ゴンドラからの眺め。伊勢湾まで一望に

山上公園駅に着いたら、朝陽台広場へ。標高は1,200メートルを超えているため、吹きつけてくる風は冷たく、頬や手先がかじかんでくる。御在所岳といえば冬の樹氷が有名だが、さすがに3月下旬には見られないだろうと思っていた。ところが、山上公園の木々の枝には氷がびっしりと張り付き、まるで純白の森が広がっているような幻想的な景観を望むことができた。山の斜面にはところどころに雪が残っている。山麓はすでにあたたかな春の陽気を迎えているが、山の上はまだまだ冬の名残が色濃かった。
御在所岳の頂上へは、ロープウェイ山上公園駅から観光リフトに乗っていくか、30分ほど歩く必要がある。せっかくここまで登ってきたので頂上にも立ちたかったが、あまりの寒さ(看板にはマイナス2度とあった)と先を急ぐため、後ろ髪を引かれながらも山を下りることにした。
なお、御在所ロープウェイは今年(2018年)7月にリニューアルオープンする予定で、新ゴンドラの導入、山頂に展望レストランの開店、山麓にアウトドアショップ「モンベル」の出店などを計画している。
/ロープウェイ往復2,160円

  • 朝陽台広場。山上公園駅から一番近い展望台

  • 記念撮影用の看板。御在所岳の頂上はここから歩いて30分ほどのところにある

  • 山上公園の木々の枝には美しい樹氷が!

  • 樹氷とは、大気中の水蒸気(湿気)が樹木に吹きつけられて凍ったもの。
    12月下旬〜3月中旬ごろに見られる

  • 朝陽台広場から御在所岳頂上方面を望む。目の前の開けた斜面は、冬はスキー場として営業している

  • 石仏も祀られていた。御在所岳の山名は、もともと「神仏のおわすところ」という謂れから

  • 見晴台からの眺め。正面の尖った山は鎌ヶ岳

  • 山上公園駅のリフト乗り場。リフトに乗れば、山頂へは約10分

鈴鹿の森庭園

園内には約200本のしだれ梅の名木が並び立つ。
手前が"天の龍"、右奥が"地の龍"

2014年に開園した「鈴鹿の森庭園」は、日本の伝統園芸文化の存続と普及を目的にしだれ梅の栽培を行っている研究栽培農園で、毎年梅の花が咲く2月中旬から3月末にかけて期間限定で一般公開している。3月下旬ともなれば、すでに見ごろの時期は過ぎてしまっているが、まだたくさんの花が残っているようなので立ち寄ってみることにした。
園内に入り、まず迎えてくれたのが"天の龍""地の龍"と名付けられた「呉羽(くれは)しだれ」。呉羽とはしだれ梅の品種のひとつで、"天の龍""地の龍"は日本最古の呉羽しだれだという。園内にはほかにも「白滝しだれ」「玉垣しだれ」「藤牡丹しだれ」など日本全国から集められた約200本の名木が並び立ち、淡紅色や白色の美しくも艶やかな花をつけていた。見晴らし台に登ると、梅の花咲く庭園を一望にでき、彼方には鈴鹿山脈の山並みを見渡せた。花は散りはじめていたものの、それでも十分に見ごたえのある景色を堪能することができた。
/入園料500〜1,500円(※開花状況により変動する)

  • 見晴らし台からの景色。花咲く梅園と鈴鹿山脈の絶景

関宿

地蔵院の本堂。創建は天平13年(741)

鈴鹿市から亀山市に入り、関町へと向かった。
関は古くから交通の要衝であり、古代三関のひとつ「鈴鹿関」が置かれたところでもある。江戸時代には東海道の宿場町「関宿」がおかれ、参勤交代や伊勢参りの人々で大いに賑わったという。旧東海道の宿場町のほとんどが時代とともに姿を変えて昔の風景を失ってしまった中、関宿は広範囲にわたって歴史的な町並みを今も残している貴重なエリアとして、昭和59年(1984)に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
関宿の範囲は、東西追分の間の約1.8キロメートルに及び、江戸時代から明治時代にかけて建てられた古い町屋が200軒あまり残っている。通り沿いにある「地蔵院」は、天平13年(741)に聖武天皇の勅願によって創建されたと伝わり、本堂の地蔵菩薩は日本最古のものだと言われている。「福蔵寺」は織田信長の三男・信孝の菩提寺として天正11年(1583)に建立された古刹で、父親の仇討ち話で今も関に語り継がれる「関の小万」の墓碑が境内に残っている。関宿の歴史や当時の様子について詳しく知りたければ、「旅籠玉屋歴史資料館」や「関まちなみ資料館」を見学してみるといいだろう。

  • 地蔵院境内の桜

  • 織田信長の三男・信孝の菩提寺でもある福蔵寺

  • 地蔵院前の会津屋は、玉屋、鶴屋とともに関宿を代表する旅籠だった。現在は食事処として営業している

  • 通り沿いに約200軒の古い町屋が残る、風情ある町並み

  • 元は芸妓置屋だった建物。
    凝った意匠の手すりや格子窓に往時の面影を残す

  • 関まちなみ資料館。
    関宿旅籠玉屋歴史資料館と共通で入館300円

  • 創業380余年の老舗「深川屋」の銘菓「関の戸」。
    古くは京都の御所や諸大名の御手茶菓子として利用された

ニッポンレンタカーの車種・料金

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三重県内のニッポンレンタカー営業所

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観光三重
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記事・写真:谷山宏典 取材:2018年3月

  • ※ドライブコースの情報はそれぞれの記事の取材時点のものです。