冬の瀬戸内。香川を西から東へ(2)

香川を巡る旅の後半は、進路を東へ。高松自動車道を坂出ICで下りて、まず目指したのは、瀬戸内海のビュースポット「五色台」だ。高松市の中心部で「高松平家物語歴史館」を訪ねたあとは、屋島ドライブウェイを走って「屋島山上」へと登っていく。牟礼では「源平合戦古戦場」、さぬき市志度では「平賀源内旧邸」や「平賀源内記念館」など、地域の歴史にまつわるスポットも巡った。
志度ICからふたたび高松自動車道に乗って、さらに東へと走り、香川県に隣接する徳島県鳴門市へと入った。鳴門と淡路島を結ぶ「大鳴門橋」の周辺は鳴門公園として整備されており、世界中の名画を陶板画として再現した「大塚国際美術館」や、鳴門海峡の渦潮を間近に眺められる「うずしお汽船」、大鳴門橋の橋桁内にある遊歩道「渦の道」などを楽しんだ。

ドライブルート

倉敷市中心部−(瀬戸中央自動車道)−与島−(瀬戸中央自動車道、国道11号など)−丸亀市−(県道33・212号線など)−善通寺市−(県道47・208号線など)−琴平町−(国道377号線、県道23・220号線)−父母ヶ浜−(県道234・232号線)−紫雲出山−(県道232号線)−詫間町箱地区−(県道232・220号線、高松自動車道、国道11号線、県道180・281号線など)−五色台−(県道281・16号線)−高松市中心部−(県道150号線など)−長崎ノ鼻−(県道150号線、屋島ドライブウェイ)−屋島−(国道11号線)−さぬき市志度−(高松自動車道、神戸淡路鳴門自動車道)−鳴門市−倉敷市中心部

全行程約425km、今回行程約315km

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五色台と五色台スカイライン

坂出市と高松市にまたがる「五色台」は、総面積50㎢にわたる広大な溶岩台地で、標高200mを超える一帯には数多くの峰々が連なっている。最高地点は438m。五色台という名は、台地にある青峰、白峰、赤峰、黒峰、黄峰という5つの色の名のついた峰に由来している。
ドライブコースは、台地を南北に走る「五色台スカイライン(県道281号線)」を行く。スカイライン上にはいくつもの展望ポイントや観光施設が点在しており、今回立ち寄ったのは「五色台ビジターセンター」と「休暇村讃岐五色台そばの展望台」。展望台からは、瀬戸内海に架かる「瀬戸大橋」のほぼ全景が望めたほか、五色台屈指の夕陽ポイントとしても人気が高いそうだ。
台地のさらに北側には、「黒峰展望台」「瀬戸内海歴史民俗資料館」「大崎山園地」などもあるので、時間に余裕があれば立ち寄ってみるのもいいだろう。

  • 五色台スカイラインを行く

  • 五色台ビジターセンターの内部

  • 休暇村讃岐五色台の横の駐車場。瀬戸内海の絶景を望める

  • 五色台は、瀬戸内海国立公園内に位置する

高松平家物語歴史館

高松平家物語歴史館の外観

高松市の屋島や牟礼は、平安末期の源平屋島合戦(元暦2年・寿永4年/1185年)の古戦場として知られている。古戦場跡を訪ねる前に、源平合戦の歴史を学ぶべく「高松平家物語歴史館」を訪ねた。
同館の見どころは、軍記物の最高傑作と評される『平家物語』の17の場面をろう人形でリアルに再現しているところだ。「平忠盛、鬼を捕らえる(第1景)」からはじまり、「平家軍、富士川で大敗(第7景)」「一ノ谷の合戦(第10景)」「那須与一、扇の的を射る(第12景)」「安徳天皇、入水(第13景)」「祇園精舎の鐘の声(第16景)」と見てまわることで、平家の栄枯盛衰や源平合戦の趨勢を知ることができる。
1階には、四国出身の偉人たち(空海、坂本龍馬、板垣退助、岩崎弥太郎、正岡子規、吉田茂など)のろう人形も数多く並んでいた。"日本最大のろう人形館"の名に相応しい充実の展示だった。 /入館料1,200円

  • 「一ノ谷の合戦」。急斜面を馬で駆け下る場面を再現

  • 「安徳天皇、入水」。
    壇ノ浦で最後の戦いを繰り広げ、平家は滅亡する

長崎ノ鼻

国道11号線を行く。左手前方に見える台地が、屋島

屋島山上に登る前に、屋島のまわりをぐるりとドライブした。
屋島西町交差点から県道150号線を3.5kmほど走ると、さらに北へ未舗装の市道が延びていた。その道を進んだところにあったのが、屋島最北端の「長崎ノ鼻」である。
江戸末期、外国船から高松の港を守るため、この場所には砲台が築かれたそうで、ところどころに石垣跡が残っていた。先端部に立つと、女木島や男木島、大島、豊島、小豆島など瀬戸内海に浮かぶ島々や行き交う船を眺めることができた。

  • 長崎ノ鼻は、屋島の最北端に位置する

  • 鼻の先端部から振り返る。石垣は砲台跡。右手前方に屋島も見える

屋島山上

屋島のまわりを巡ったあとは、屋島ドライブウェイに入って「屋島山上」を目指した。
南嶺山上の駐車場に車を停めて、まずは「屋島寺」を参拝。奈良時代に唐僧・鑑真和上が開基し、その弟子の恵雲律師が初代住職を務めたといわれる古刹で、はじめは律宗であったが、のちに弘法大師が真言宗に改めた。堂々たる本堂は鎌倉時代末の造営で、何度かの大修理を経て、現在に至っている。四国八十八ヶ所の第84番札所でもある。

  • 国道11号線から屋島ドライブウェイに入る。
    正面に屋島山上の岩壁がそそり立つ

  • ドライブウェイの途中には、
    源平屋島古戦場を見下ろす駐車スペースもある

  • 屋島ドライブウェイを登る

  • 屋島寺。四国八十八ヶ所の第84番札所でもある

屋島寺を参拝後、南嶺の周囲をぐるりと散策した。南嶺には、屋島三大展望台のうちの2つ、「獅子の霊巌」と「談古嶺」がある。西側に位置する「獅子の霊巌」からは、高松市街地をはじめ、男木島や女木島など瀬戸内海に浮かぶ島々を一望に。また、北東側の「談古嶺」からは、源平の古戦場「屋島壇ノ浦」や平家軍船の泊地「船隠し」など屋島合戦の舞台を眼下に見渡すことができた。

  • 「獅子の霊巌」からは
    高松市街や高松港を眼下に見下ろせる

  • 南嶺には「新屋島水族館」がある

  • 「談古嶺」からの眺め。対岸の山は、五剣山

牟礼の源平合戦古戦場

屋島山上から眺めた、牟礼地区の「源平合戦古戦場」にも立ち寄ってみた。
古戦場といっても大きな史跡があるわけではなく、住宅街のところどころに源平合戦ゆかりの寺社や石碑などが点在していた。無料駐車場のすぐそばには、那須与一が扇の的を射るときに馬を止めたと伝わる「駒立岩」と、矢を射る前に一心に祈った場所といわれる「祈り岩」があった。

  • 那須与一が馬を止めたと伝わる「駒立岩」

  • 「祈り岩」は、那須与一が扇の的を射る前に祈った場所とされる

南へ400mほどのところに建つ「洲崎寺」は、源平合戦のときに源義経の身代わりとなって討死した佐藤継信の菩提寺で、本堂前の庭園は屋島合戦を表現して作庭されている。境内の壁面には、"石の町"牟礼にふさわしく、合戦のあらましを刻んだ石板が飾られていた。
また、洲崎寺のすぐ南には、屋島合戦の有名なエピソード「義経の弓流し」があったとされる場所も残っており、建物の間にひっそりと石碑が立っていた。

  • 案内の石柱を頼りに、町なかに点在する史跡を巡る

  • 「洲崎寺」の庭園。正面のこんもりしたところが「屋島」で、
    手前が「相引川」。屋島の奥の石は「扇の的」や「駒立岩」を表現

  • 源平合戦のあらましを刻んだ石板

  • 「義経の弓流し」の地に立つ石碑

平賀源内旧邸と平賀源内記念館

江戸時代中期、エレキテルの復元をはじめ、本草学者、地質学者、蘭学者、俳人、戯作者、陶芸家、鉱山開発者、蘭画家として、多彩なジャンルで才能を発揮した平賀源内。さぬき市志度は、源内の生まれ故郷であり、旧志度街道(現・源内通り)沿いにはゆかりの施設が点在している。
まず訪れたのは、彼の生家である「平賀源内旧邸」。源内は江戸に出る2年前の宝暦4年(1754)、家督を妹・里与の婿養子・権太夫に譲っている。生家は、権太夫の孫・松三郎によって文久2年(1862)に建て替えられて、現在に至る。主屋の奥には本草学者であった源内にちなんで薬草園が設けられ、主屋横の広場には源内の銅像が立っていた。

  • 「平賀源内旧邸」。正面の通りは、旧志度街道(現・源内通り)

  • 旧邸の内部

  • 旧邸の奥にある薬草園。100種類以上の薬草が育てられている

源内通りを東へ550mほど行くと、「平賀源内記念館」が建つ。館内では、源内の足跡や業績を「志度・高松」「長崎」「伊豆・秩父・秋田」「江戸」と4つの地域に分けて紹介。博物学研究あるいは鉱山開発・指導のため、全国各地を歩いたその生涯を知ることができる。
/500円(旧邸・記念館共通)

  • 「平賀源内記念館」では、源内の足跡や業績を貴重な史料とともに紹介

大塚国際美術館

さぬき市からさらに東へ向かうと、東かがわ市を経て、県境を越えて徳島県鳴門市へと至る。ナビで時間を調べてみると、鳴門海峡までだいたい1時間ぐらい。「行けない距離ではないな」と思い立ち、高松自動車道をひた走り、鳴門へと向かった。

  • 鳴門北ICで高速道路を下りて、
    海岸沿いの県道11号線を行く。右手に見えるのは「大鳴門橋」

神戸淡路鳴門自動車道を鳴門北ICで下りて、まずは「大塚国際美術館」を見学することに。同館は日本最大級の常設展示スペース(延床面積29,412㎡)を誇る"陶板名画美術館"で、館内では特殊な技法で陶板画として複製された世界25ヶ国、190余の美術館が所蔵する西洋名画1,000余点を展示している。
当初は「陶板画の複製ってどうなんだろう?」と半信半疑の気持ちもあったが、実際に見てみると、そのクオリティの高さに驚いた。オリジナル作品の繊細な色彩や風合いが忠実に再現されているし、すべてが原寸大なので、「システィーナ礼拝堂天井画および壁画(ミケランジェロ)」をはじめとした大型の作品はその迫力やスケール感に圧倒される。古代壁画から中世、ルネサンス、バロック、近代、現代絵画と、すべての時代の代表作を網羅しているので、西洋美術史の歴史を時系列で俯瞰することもできる。
資料によれば、陶板画は約2,000年以上にわたってそのままの色と姿で残るため、これからの文化財の記録保存の手法としても注目されているそうだ。
複製とはいえ、ボッティチェリ、ダ・ヴィンチ、レンブラント、モネ、ルノワール、ゴッホ、ピカソ、ダリ、ウォーホル、ポロックなど、これまで映像や書籍でしか見たことがなかった西洋名画をひとつの場所でまとめて見られるという点では、かなり贅沢な美術館であった。
/入館料3,240円

  • 来館者をまず迎えてくれるのが、システィーナ・ホールの
    『システィーナ礼拝堂天井画および壁画』

  • ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』は、修復前と修復後を比較して見られる

  • 右の作品は、ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』

  • 印象派を代表するルノワールの作品群

  • 現代絵画が並ぶ通り

  • ピカソの『ゲルニカ』

うずしお汽船

「うずしお汽船」の乗り場

鳴門海峡といえば、やはり「渦潮」。ということで、渦潮を間近に眺められる観潮船に乗ってみることにした。鳴門側から発着している船は「うずしお観潮船(鳴門観光汽船)」と「うずしお汽船」の2つがあり、今回乗船したのは後者の「うずしお汽船」だ。
そもそも渦潮は、潮の干満によって、鳴門海峡をはさんだ瀬戸内海側と紀伊水道側の水位に差が生じて速い潮流となり、複雑な海底の地形ともあいまって発生している。つまり、常時見られるわけではなく、満潮もしくは干潮時が見ごろとなる。そのため、事前に潮見表を調べて、ベストな時間を狙わなければならない。
小型船に乗って海峡の渦潮スポットに着くと、すでに白波を立てながら、いくつもの渦が現れては消えてを繰り返していた。船の乗務員の方によれば、「大潮のときはもっと大きな渦になる」とのこと。直径20mもの渦ができることもあるそうで、その大きさは世界最大級だという。まさに自然が作りだす壮大な景観である。
/乗船料1,550円

  • 船のデッキのすぐそばで、大きな渦が巻く

大鳴門橋架橋記念館エディ

渦潮や大鳴門橋、国内外の橋や船舶に関する資料を展示

大鳴門橋のたもとの一帯は「鳴門公園」として整備され、観光施設や展望台、飲食店や宿泊施設、みやげもの屋などが並んでいる。
公園駐車場に近い「大鳴門橋架橋記念館エディ」は、鳴門の渦潮と大鳴門橋をテーマとしたミュージアムで、渦潮のメカニズムや大鳴門橋の仕組みを学ぶことができる。平成30年(2018)3月にリニューアルしたばかりで、阿波踊りや徳島の自然・文化を迫力ある映像で紹介する「360度4Kシアター」や、まるで渦潮の中にいるような感覚が味わえる「LEDデジタルアート」、県内の観光地をバーチャル体験できる「VR」など、体験型デジタルアトラクションが新たに設置された。屋上はパノラマ展望台となっており、鳴門海峡や大鳴門橋を一望にすることができた。
/入館料610円

  • 床や壁に手を触れると渦潮が発生する「LEDデジタルアート」

  • 屋上からの眺め。
    正面の山の斜面と一体化したような建物は「大塚国際美術館」

大鳴門橋遊歩道 渦の道

同じく鳴門公園内の「大鳴門橋遊歩道 渦の道」は、大鳴門橋の橋桁につくられた海上遊歩道。入口から450m先にある展望室までは、潮風を浴び、風光明媚な鳴門海峡の景色を眺めながらの散歩が楽しめる。また、展望室は回遊式となっており、太平洋側と瀬戸内海側の両方の雄大な景色を望むことができる。床の一部はガラス床となっており、45mの高さから渦潮や轟音とどろく激しい潮流を眺めることもできる。
/入館料510円

  • 「渦の道」の入口

  • 渦潮を見るときは、満潮時もしくは干潮時に

  • 橋桁につくられた遊歩道。入口から展望室までは450m

  • ガラス床をのぞき込むと、足もとに渦潮や激しい潮流を望める

  • 展望室から渦潮を眺める

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記事・写真:谷山宏典 取材:2018年12月

  • ※ドライブコースの情報はそれぞれの記事の取材時点のものです。