鹿島灘沿岸を行く(2)大洗からひたちなかへ

国道51号線を北上して鉾田市へと入ると、道路沿いにメロンの幟が目立つようになってきた。鉾田市はメロンの生産量(出荷量)が日本一とのことで、せっかくなので直売をしている農園へと立ち寄り、おみやげ用に購入した。その後、いったん海岸線を離れて、関東唯一の汽水湖で、水戸八景の景勝地のひとつである涸沼(ひぬま)のほとりの「広浦公園」へ。涸沼からは県道106号を走り、大洗町の中心部へと向かった。
鹿島灘北端に位置する大洗町は県内有数の観光エリアであり、ホテルや旅館、見どころ、遊びどころが多い。今回は、「大洗磯前(いそさき)神社」を参拝したほか、高さ60メートルもある「大洗マリンタワー」や日本一のサメの展示で有名な「アクアワールド・大洗」などを巡って楽しんだ。
大洗町からは那珂川に架かる海門橋を渡って、ひたちなか市へ。観光客で賑わう「那珂湊漁港(那珂湊おさかな市場)」で新鮮な魚介類を堪能したあとは、太平洋沿いをさらに北上して磯崎港そばの「酒列(さかつら)磯前神社」を訪ねた。

ドライブルート

東関東自動車道・佐原香取IC−(県道55号線)−香取市香取−佐原−(国道51号線など)−鹿嶋市−(国道51号線)−鉾田市−(国道51号線、県道106号線)−涸沼−(県道106・2号線)−大洗町―(県道108号線)−ひたちなか市―(県道6・247号線)−常陸那珂有料道路・ひたち海浜公園IC

全行程約105km、今回行程65km

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深作農園

国道51号線沿いの大きな看板が目印

鉾田市内にはメロン狩りやメロンの直売をしている農園や販売所が点在しているが、なかでも人気なのが国道51号線沿いにある「深作農園」だ。
同農園は鉾田市で100年以上、6代続く農家で、メロン栽培は約50年の実績がある。土づくりからこだわったメロンは、濃厚な甘さが自慢。メロディーグリーン、オーロラグリーン、ドリームレッドなどいくつかの品種を栽培・販売している。
同農園が高い人気を集め、テレビや雑誌などでもたびたび取り上げられる理由は、敷地内にバウムクーヘン専門店「ファームクーヘン フカサク」や、農家直営だからこその極上スイーツが味わえる「ファームパティスリー ル・フカサク」を併設しているため。農園で収穫されたメロンやイチゴを使ったスイーツやバウムクーヘンを目当てに、県内外から多くの人々が訪れるそうだ。

  • 直売所では、メロンなどの果物のほか、採れたての野菜を販売する

  • 園内のバウムクーヘン専門店「ファームクーヘン フカサク」

  • メロンを贅沢に使ったメロンバーム

  • おみやげ用にメロン1玉を購入

鹿島灘海浜公園

「鹿島灘海浜公園」は、海沿いに広がる広大な公園。園内は、広々とした芝生広場や地域の特産品の販売を行う休憩棟などがある「台地部」と、鹿島灘や松林の雄大な景色を眺めながらボードウォークの散策ができる「海浜部」とに分かれている。
入園は無料で、24時間開園しているので、ドライブの途中に鹿島灘の景色を楽しんだり、休憩をとるのに最適なスポットだ。
/入園無料

  • 見晴らしの丘からの展望。鹿島灘が一望に!

  • 広々とした園内を散策する

涸沼(広浦公園)

鉾田市、茨城町、大洗町にまたがる「涸沼」は、周囲約22キロメートルの大きな湖で、満潮時には川が逆流して海水が流れ込むため、海水と淡水が混じり合う汽水湖となっている。周辺には、自然公園やキャンプ場、温泉施設、ヨットハーバーなどが点在。希少な動植物が生息する豊かな自然環境が残り、平成27年(2015)には国際的に重要な湿地であることを認めるラムサール条約に登録された。
立ち寄ったのは、湖の北東に位置する「広浦公園」。江戸後期の天保4年(1833)、水戸徳川家9代藩主・斉昭が領内を巡視して定めた「水戸八景」のうち、湖面に映る中秋の名月が美しい「広浦秋月」の地として知られ、園内には斉昭直筆の書を刻んだ名勝碑が残っていた。湖畔に建つ大杉神社の鳥居からは、晴れた日には筑波山を遠望できるそうだが、訪れたときはあいにくの曇り空のために山の姿を望むことはできなかった。

  • 大杉神社の鳥居の先には筑波山も見えるというが、
    あいにくの曇り空で何も見えず……

  • 湖畔に立つ、徳川斉昭直筆の書を刻んだ名勝碑。

大洗マリンタワー

県道106号線を走り、大洗町の中心部へ。マリンタワー南交差点を左折して県道2号線に入ると、「大洗マリンタワー」はすぐそこだ。
大洗町のシンボルともいえるタワーは地上60メートルの高さを誇り、見どころは何といっても最上階からの展望だろう。ガラス張りの展望室からは360度すべての景色を見渡すことができ、水戸の市街地や筑波山はもちろん、遠く日光・那須連山や富士山を望むこともできる。海側に目をやれば、太平洋の大海原と水平線が視界いっぱいに広がっていた。春から夏(3月1日〜8月末日)にかけては夜9時まで開館しているので、港や海岸線のまばゆく輝く夜景を楽しむこともできる。
/入館料330円

  • 高さ60メートルのマリンタワーを見上げる

  • タワー最上階の展望室。眼下に見えるのはフェリー乗り場。
    北海道行の便が発着する

  • どこまでも広がる大地と大海原の絶景!

大洗磯前神社

随神門

県道2号線を大洗鳥居下交差点で右折。大きな石鳥居をくぐり、県道左手の坂道を登っていくと「大洗磯前神社」の敷地へと入っていく。
同神社の歴史は古く、創建は斉衡3年(856)といわれている。祭神は、大己貴命(大国主命)と少彦名命。現在の社殿は、元禄3年(1690)に水戸徳川家2代藩主の光圀が起工し、3代綱條(つなえだ)の時代の享保15年(1730)に現在地に本殿、拝殿、神門などが完成した。建物や彫刻群は江戸初期の建築様式を今に伝えるものとして、県の文化財に指定されている。 随神門をくぐり、社殿前の広場に入ると、その真ん中には茅でつくった大きな輪が設えられていた。神社の方に話を聞くと、毎年6月と12月に行われる大祓式の際の茅の輪くぐりの神事に用いるもので、今残っているのは6月の夏越大祓式のときのものだとか。社殿の参拝をしたあとは、海に向かって落ち込む急な石段を下り、大洗海岸通りを横切って、神磯の鳥居へ。鳥居が立つ磯は、平安時代に大己貴命と少彦名命が降臨した場所と伝わる。どこまでも広がる大海原と白波打ち寄せる磯の景観は、たしかに神々しさを感じさせるものがあった。

  • 6月の夏越大祓式の際に設えられた茅の輪

  • 享保15年(1730)に完成した社殿

  • 急な石段を海岸に向かって下りていく

  • 神磯の鳥居の前では、多くの人がカメラを構えていた

  • 境内に立っていた写真パネル。
    日の出と朝焼けの空を背にした神々しい神磯の鳥居

アクアワールド・大洗

「アクアワールド・大洗」の外観

大洗町の中心部を離れ、右手に太平洋を望みながら大洗海岸通りを北へと進んでいくと、やがて正面に「アクアワールド・大洗」の巨大な建物が見えてくる。
同館は、展示生物数約580種・68,000点、展示水槽数60水槽という日本でも屈指の大型水族館で、来館者数が毎年100万人を超える茨城県を代表する観光スポットである。
見どころのひとつは、日本一の飼育数を誇るサメ。現在は50種以上ものサメを展示しており、恐ろしい顔をしたメジロザメやシロワニ、ハンマーヘッドと呼ばれるシュモクザメなど、その迫力ある姿を間近で眺めることができる。また、日本最大のマンボウ専用水槽を備え、4尾のマンボウが悠然と泳ぐさまを観察できるのもこの水族館の特徴。マンボウは極めてデリケートな魚で、複数の個体を飼育・展示している様子が見られる水族館は全国的にも珍しい。
大人気の「イルカ・アシカオーシャンライブ」や、水槽に潜ったダイバーが魚の紹介をしてくれる「アクアウォッチング」など、ショーやプログラムも充実。水族館のバックヤードを見学できる「水族館探検ツアー」は、普段は入れない水族館の裏側を見ることができるのでおすすめだ。
/入館料1,850円

  • 太平洋を間近に望む屋外テラス

  • アシカの見事な演技に、会場からは大きな拍手が送られる

  • イルカのジャンプ! このあと観客席にも大量の水しぶきが

  • さまざまな魚たちが泳ぐ、出会いの海の大水槽

  • 悠然と泳ぐマンボウたち

  • サメの海。水族館では現在50種以上のサメを展示している

  • 屋外のペンギンの展示スペース

那珂湊漁港(那珂湊おさかな市場)

那珂川に架かる海門橋を渡って、那珂湊へ向かう

那珂川に架かる海門橋を渡ってひたちなか市へと入り、「那珂湊漁港(那珂湊おさかな市場)」へと向かった。
那珂湊漁港は、日本有数の沿岸・沖合遠洋漁業の基地で、港の西側の通り沿いには新鮮な魚介類を販売する水産業者直営店や、絶品海鮮料理を食べることができる飲食店が軒を連ねている。鮮魚店の店内には、さまざまな魚や貝、カニなどが所狭しと並び、店員の威勢のよい掛け声が飛び交っていた。平日にもかかわらず、魚介類を物色するお客さんの数も多く、まさに市場らしい活気に満ち満ちていた。
飲食店では新鮮な魚介類を贅沢に使った寿司や刺身、丼などを市場ならではのリーズナブルな価格で提供。店先に並んだ写真や看板を眺めながら、どこに入ろうか散々迷った挙句、溢れんばかりに地魚がのった海鮮丼を食べることに。魚は美味で、値段も手ごろ。身も心も満たされて、那珂湊をあとにした。

  • 平日にもかかわらず、多くのお客さんで賑わう

  • 鮮魚店には、さまざまな魚介類が所狭しと並ぶ

  • 新鮮な岩ガキをその場で食べる。
    魚市場ならではの醍醐味

  • 飲食店や海産物店が集まった
    「那珂湊おさかな市場」

  • 店先に並んだメニューの看板。
    どれも美味しそうで、迷ってしまう……

  • 新鮮なネタが丼からあふれ出す海鮮丼。
    味も絶品だった

酒列磯前神社

海岸沿いの県道6号線を北へ!

旅の最後に立ち寄ったのは、磯崎港のそばにある「酒列磯前神社」。大洗町で訪れた「大洗磯前神社」の兄弟社といわれ、斉衡3年(856)という創建の年代も、祭神として少彦名命と大名持命(大国主命の別名)を祀っていることも、創建の由緒も、共通している。一時荒廃していたが、江戸時代の元禄年間に水戸藩2代藩主徳川光圀が再建の起工をし、3代綱條の時代に現在地に遷座再興された点も同じだ。ただ、こちらの社殿は江戸期のものではなく、昭和に入ってから改築竣工されている。
拝殿正面のリスとブドウの彫刻は、江戸期の名工・左甚五郎作と伝わる。また、境内には水戸藩9代藩主斉昭が腰かけたと伝わる「徳川斉昭お腰掛け石」もあった。社殿に至るおよそ300メートルの参道の両側には、樹齢300年を超えるヤブツバキの古木などが鬱蒼と生い茂り、まるで木々のトンネルのような様相になっている。正面の鳥居からこの参道を歩けば、まさに聖と俗の境界を越えて神域へと入り込んでいく感覚を体感できるのではないだろうか。

  • 参道は、鬱蒼と生い茂った木々に頭上まで覆われて、
    まるでトンネルのようだった

  • 社殿。昭和初期に国費によって改築された

  • 社殿の正面を飾るリスとブドウの彫刻。左甚五郎作と伝わる

  • 徳川斉昭公お腰掛石

  • 幸運の亀。宝くじで高額当選した人が奉納した像で、
    この亀石像に触れるとご利益があるらしい

  • 境内から磯崎港を眺める

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記事・写真:谷山宏典 取材:2018年8月

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