ニッポンレンタカーHOME > 旅のお役立ちガイド > ドライブガイド > 北海道・奥尻島一周

北海道・奥尻島一周

ドライブライン

奥尻名物の鍋釣岩 いまから19年前の平成5年(1993)7月12日、北海道南西沖の深さ34kmを震源とするマグニチュード7.8の地震が日本海地域を襲い、奥尻島では地震と津波で行方不明者を含め200名あまりの尊い命が奪われた。その後、阪神淡路、新潟、三陸沖大地震と日本列島は度重なる大地震や津波に襲われ、それらの被害の大きさに、奥尻島の惨事も風化気味となっていた。

当時は、毎日、奥尻島のニュースが新聞やテレビで流されていたが、奥尻島とはどんな島なのか、なかなか全容がつかめなかった。地図上でその位置や概要は理解していても、実際の島の大きさや、自然の風景などを知りたいと思っていた。また大震災後の復興と、離島の人々の生活はどういうものなのかなど、いつか一度は行ってみたい島の一つであった。
周囲約70kmの島へのフェリー乗り場の江差港までは函館から約70km、瀬棚港までは新千歳空港から約250kmもある。どちらもアプローチは長い。奥尻行きのフェリーは江差港から2時間30分、瀬棚港からは1時間30分だ。
目的は島だが、北海道の広さを感じさせられる旅でもある。


サムネイル1 サムネイル2 サムネイル3 サムネイル4 サムネイル5 サムネイル6

ドライブライン

<コース>
札幌(千歳空港)−(札樽自動車道)−小樽IC−(国道5号線)−余市−(国道229号線)−積丹半島−岩内町−寿都町−島牧村−瀬棚港−(フェリー)−奥尻島一周−(フェリー)−瀬棚−島牧−寿都町−(道道9号線)−黒松内町−(国道5号線)−ニセコ町−倶知安町−(国道276号線)−喜茂別町−支笏湖−千歳空港
全行程 約550km


<赤いドライブルート付近のマーカーをクリックするとその項目にジャンプします>



ニッポンレンタカー千歳空港営業所の近くから、札樽自動車道を終点小樽ICまで一気に走り抜き、国道5号線を余市へ(2011年11月「歴史の町小樽と余市」を参照)。
これより積丹半島を海沿いに岩内、寿都へ向かう国道229号線は、もう幾度となくドライブを楽しんだ道だ(2007年9月「北海道最古の町江差と最北の城下町松前」を参照)。
寿都への海岸は美しい
寿都への海岸は美しい
(画像をクリックすると拡大写真を表示します)


寿都港のナマコ
寿都港のナマコ
寿都漁港でのウニ割り
寿都漁港でのウニ割り

余市から瀬棚まで約200kmの長い海岸線はトンネルで結ばれているところも多いが、ローソク岩、傘岩、獅子岩、亀岩など昔の人々が岩のさまざまな形をみて名付けた、奇岩・怪岩の連なりが波間に望まれ、晴れた日には透き通る蒼い海に自然の岩のオブジェが楽しめるドライブロードだ。
交通量も少なく、こうした絶景ポイントには車を駐めるスペースがあるところもあり、数ヵ所の「道の駅」や山側に少し入ると、秘湯の一軒宿の温泉旅館などもある。
積丹半島から瀬棚へは、トンネルが多い
積丹半島から瀬棚へは、トンネルが多い

●せたな町

北海道南西部の日本海に面した町。檜山支庁の北部にある。平成17年(2005)、瀬棚、北檜山町・大成町の3町が合併してせたな町となった。
せたな町のシンボルといえば、海に浮かぶ巨大な3つの岩だ。季節や時間、気候によりさまざまな表情を見せる。とくに秋の済んだ空気の中で、青い水の中に立つ岩の景観が素晴らしいとは、地元の人の話だった。この岩の周辺は海水浴場にもなっている。観光シーズンの間は夜になるとライトアップされる。

三本杉海水浴場
三本杉海水浴場
(画像をクリックすると拡大写真を表示します)

瀬棚の食堂のカレー。イカ丸ごと、ホタテ2個が入っていた
瀬棚の食堂のカレー。イカ丸ごと、
ホタテ2個が入っていた


そのライトが設置されているところには大きなタコの像があり、そのタコの意味を知ろうと町の郵便局、観光協会、海上保安署と尋ねた。結局、たどり着いた役場では「とくに意味はありません。タコでもイカでもいいんじゃあないですか」。平成のはじめ、まだバブルのころに造られたものだという。

展望台から瀬棚の町
展望台から瀬棚の町
瀬棚の堤防近くにあった巨大タコ。なぜタコなのか、誰も知らなかった
瀬棚の堤防近くにあった巨大タコ。
なぜタコなのか、誰も知らなかった


●奥尻島

瀬棚港から奥尻島に向かうフェリーは5月〜9月いっぱいのみ一日一往復運行される(江差港からは1年中発着する)。
14時05分発奥尻島行きに乗船。定刻15時35分着。
島は面積約143平方キロ、一周道路は約70km。その約80%が深い森に覆われ、島に近づいた船上から眺めると、島全体が海に浮かぶ緑の山のように見える。
奥尻へのフェリー
奥尻へのフェリー

観光客の出迎え、見送りはウニ丸君
観光客の出迎え、見送りはウニ丸君
深い森。ダートロードもあった
深い森。ダートロードもあった

この深い森の大部分は北海道ではあまり見られないブナ・トチ・ミズナラの南方系の樹木が多く、山の奥へ入るとダケカンバのような北方系の樹木も見つかる。森は豊富な水を蓄える役目をしているため、川や地下水が涸れることはないばかりか、「旨い水」もこの島の自慢でもある。

開けた展望台でもあるが、あいにくの曇り
開けた展望台でもあるが、あいにくの曇り
山間の開けた草地に牧場
山間の開けた草地に牧場

中央部には標高約585mの島の最高峰神威山をはじめ300〜400mの山が連なり、北部の森林部を走る道に入ると、ここが奥尻島という小さな島であることが信じられないほどだ。深い森に包まれた島、これが、奥尻島の第一印象だった。
小さな港に特産のウニをモチーフにしたゆるキャラに迎えられ、島の南の青苗地区に向かう。

奥尻名物の鍋釣岩
奥尻名物の鍋釣岩
(画像をクリックすると拡大写真を表示します)

うにまる・モニュメント
うにまる・モニュメント

港の近くに立つ岩で奥尻島のシンボルともいわれる鍋釣岩(なべつるいわ)は鍋の弦のような形をしているためこの名がついた。
この形は日本列島がまだ形成されていなかった太古の昔、海底での地殻変動や火山活動によってできたものだという。岩の上に生えているものはヒロハノヘビノボラズという草で、その名の由来は、文字通り幹に大きな棘があるため蛇がつたい登ることができないからとか。昭和の初期の写真にはこの草が既に写っていたそうだ。
ところが平成5年(1993)の南西沖地震と津波で頭の左部分が崩落、奥尻の名勝がなくなっては大変と修復工事が行われ、もとの形に戻したという。
また、以前は陸続きだったが、1mもの地盤沈下でいまは海の中に立つ。近くには、島特産のムラサキウニをモチーフにした120本のトゲを持つ“うにまる・モニュメント”が「うにまる公園」にあり、園内には奥尻出身の元プロ野球選手佐藤義則野球展示室もある。

●青苗地区

島の集落は港のまわりにある奥尻地区とその少し北に位置する宮津地区、最北端の稲穂地区、南端のこの青苗地区で約3,500人がこの島に住む。
青苗地区は人口がもっとも多い集落だったが、津波の被害も一番大きく、現在は島全体で人口流出がとまらないそうだ。高台に移住した住人のかつての居住地であった海岸線一帯は、きれいに整備され、震災の被害から復興までを「記憶、鎮魂、蘇生」という記録に残す「奥尻島津波館」が建つ。その周辺には慰霊碑「時空翔」や灯台の他、青苗漁港岸壁には「望海橋」という巨大な津波避難路があった。
高台に並ぶ新しい家々の中に旅館や民宿があり、スナックバーや寿司などの看板を掲げた店が3軒あるが、道内の夏休みも終わりということもあってか、どこも店を閉じていた。

奥尻島津波館
奥尻島津波館
青苗の時空翔
青苗の時空翔

西海岸の名所・ホヤ岩
西海岸の名所・ホヤ岩
奥尻空港
奥尻空港

●奥尻地区

江差と瀬棚を結ぶフェリーが発着する港のある一帯で、町役場、警察、消防署、病院、銀行などの公共施設やコンビニなどがある島の中心集落でもある。メインストリートとその一画にはスーパー、雑貨店、飲食店などもあるが、観光客の姿は少ない。理由はほとんどの観光客が食事付きの旅館や民宿に泊まるためと、港の食堂の主人が話してくれた。

奥尻名物ウニ(左)とアワビの刺身
奥尻名物ウニ(左)とアワビの刺身
アワビの煮付け
アワビの煮付け

●宮津弁天宮

青い海に突き出した岩山に社が建てられたのは、江戸時代の後半にあたる文政年間。海上安全と豊漁を祈願し、弁天様が祀られた。

その後、安芸(広島県)の厳島神社から、三女神(宗像三女・豊漁と海洋貿易の神)が分霊された。
もともと宮津は400〜500年前にはアイヌ民族の砦があり、さらに1200年前のオホーツク文化の遺物が出土している。古代から弁天宮の鎮座する岩山は人々の重要な場所だった。
宮津漁港の小さな港から社へは鳥居の先に急な階段が設置されている。
宮津弁天宮
宮津弁天宮

●稲穂岬

岬に建つ「稲穂灯台」は明治24年(1891)に点灯。石油やガスランプの光源を経て今は電化され、現在も奥尻の海を照らしている。最初は丸かった灯台も、三代目は全国的にも珍しいとされる四角い建物となった。
暗礁が多い岬周辺はGPSのなかった時代に座礁、転覆という海難事故が多発した難所だった。岬の最南端には「賽の河原」があり、観音像や供養塔などが建つ。こうして供養場ができたことも、海難事故の多さを物語る。現在も海洋受難者や水子供養のため、毎年、夏には供養祭があり、奉納相撲が行われている。

稲穂岬付近
稲穂岬付近
(画像をクリックすると拡大写真を表示します)

稲穂岬灯台
稲穂岬灯台

稲穂岬、賽の河原
稲穂岬、賽の河原
海難者などを慰霊する賽の河原
海難者などを慰霊する賽の河原

岬を廻った集落には、かつての小学校跡に「稲穂ふれあい研修センター」がある。島の遺跡から発掘された古代土器や石器などの他、動植物や鉱物の標本、近・現代の古民具が展示されている。縄文時代からオホーツク文化までの発掘品が並ぶ。
それまでオホーツク沿岸が活動範囲と思われていた北方海洋民族の痕跡が、はるか南の奥尻島で発見されたことで、考古学の常識が書き換えられたこと。さらに墳墓から埋葬者の副葬品として糸魚川(新潟県)原産のヒスイ勾玉なども見つかり、島は古代ヤマト文化との交差点だったと学芸員が熱心に話してくれた。ヒスイの勾玉は青苗地区の「津波館」に展示されている。
/TEL 0139-72-3890、5月〜10月の木曜日と土曜日のみ開館

青苗遺跡・5000年前の土器
青苗遺跡・5000年前の土器
こちらは6000年前
こちらは6000年前

●神威脇温泉保養所

島には海水浴に適した砂浜や磯遊びができる岩礁など、透明度の高い海がある。とくに西海岸は、奇岩や岩礁が広がり磯遊びやシュノーケルを楽しめるところが多い。とくにサンセットの美しさは日本一、と島の人が自慢する。
切り立った崖に囲まれるように、小さな漁港の上にナトリウム・カルシウム・塩化物を豊富に含んだ源泉かけ流しの温泉がある。茶褐色の湯は、地下30mから汲み上げているというが熱めで湯量豊富だ。
2階の展望浴室は海に向かって全面ガラス張りで、日没の海の光景を眺めることができる。保養所の上、高台には、民営のホテルがあり無料の足湯もある。港近くの「北追岬公園」内にはモニュメントが沢山ある。
/温泉日帰りのみ 入浴料 420円、TEL 0139-72-3456

神威脇温泉。島巡りの途中一浴び
神威脇温泉。島巡りの途中一浴び
神威脇にある民営ホテルの足湯
神威脇にある民営ホテルの足湯

神威脇漁港
神威脇漁港
北追岬公園のモニュメント
北追岬公園のモニュメント

●島牧・宮内温泉

奥尻島から瀬棚へ12時05分発(一日一便)のフェリーで戻る。千歳空港までニセコ−支笏湖経由の距離は、最短を走っても約250kmのロングドライブである。
途中で一泊を決めたのは、道の駅「よってけ!島牧」で、一軒宿の秘湯温泉があると聞いたからだ。約40年前旭山動物園で飼育されていたゾウの“花子”が足の治療に、ここで4年間温泉治療したことで、その名が知られた旅館だ。

国道から約4km、泊川沿いにある昔ながらの素朴な宿。樹木に囲まれ、ヒグマが生息するという裏山続きの樹木の中に露天風呂がある。
月明かりの中、ちょっぴりスリルも味わいながらの入浴も「また楽し」であった。
/TEL 0136-75-6320
島牧・泊。鄙びた宮内温泉
島牧・泊。鄙びた宮内温泉

野趣たっぷり。宮内温泉露天風呂
野趣たっぷり。宮内温泉露天風呂
ウニ、ナマコ、アワビ、カニ…。思いもよらないごちそうだった
ウニ、ナマコ、アワビ、カニ・・・。
思いもよらないごちそうだった


ニセコへの道
ニセコへの道
ニセコ温泉の甘露泉
ニセコ温泉の甘露泉

ニセコ駅にはなぜかカボチャが一杯
ニセコ駅にはなぜかカボチャが一杯
静かな支笏湖キャンプ場
静かな支笏湖キャンプ場

ひまわり畑と羊蹄山
ひまわり畑と羊蹄山



○ニッポンレンタカーの車種・料金

詳しくは車種・料金一覧表をご覧ください。

○北海道内のニッポンレンタカー営業所

ニッポンレンタカー ホームページの営業所検索で、北海道内の営業所リストをご覧いただけます。


奥尻島観光協会
奥尻島の新しい試み、ウニ・アワビをはじめとする島の幸、島歩きや温泉などのレジャー、みどころなどを紹介。

取材:2012年9月

※ドライブコースの情報はそれぞれの記事の取材時点のものです。