米沢から裏磐梯、猪苗代へ(1)

毎年、秋になるとインターネットで紅葉情報を調べては「今はどこが見ごろだろうか」とドライブの計画を練っている。10月中旬、福島の裏磐梯高原周辺の山岳道路がちょうど見ごろを迎えているということで、米沢から「西吾妻スカイバレー」経由で裏磐梯へと入り、さらに「磐梯山ゴールドライン」を南下して猪苗代湖北岸に抜けるコースを走ってみることにした。
ドライブのスタートはJR福島駅前の「ニッポンレンタカー福島駅東口営業所」。まずは市街地近くの絶好の展望スポット「信夫山(しのぶやま)」に登り、その後国道13号線をひた走って米沢へ。「上杉神社(米沢城跡)」に立ち寄ったあと、西吾妻スカイバレー(県道2号線)へと入り、裏磐梯を目指した。”湖沼の国„とも呼ばれる裏磐梯高原では「五色沼」や「桧原湖」など美しい湖沼の景色を楽しんだ。

ドライブルート

福島市中心部−信夫山−(国道13号線など)−米沢市−(県道2号線、西吾妻スカイバレー)−裏磐梯高原−(国道459号線、磐梯山ゴールドライン、県道64・7号線など)−猪苗代町−猪苗代湖畔−(国道49・115号線)−土湯温泉−(国道115号線など)−福島市中心部

全行程約210km、今回行程約105km

<赤いドライブルート付近のマーカーをクリックするとその項目にジャンプします>

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信夫山

第一展望台の駐車場。展望台はすぐ北側にある

ニッポンレンタカー福島駅東口営業所」を出発し、まず向かったのは市街地の北側、福島盆地の真ん中に島のようにぽっかりと浮かんでいる「信夫山」だ。標高は275メートルで、車で登っていくことができる。
見どころのひとつは、山の上に5ヶ所ある展望台。それぞれ眺められる方角が異なり、展望台ごとに違った景色が楽しめるのが特徴だ。おすすめは信夫山の西峰(羽山)の「烏ヶ崎展望デッキ」で、南に福島の中心市街、東に阿武隈川の遠望、西に広大な福島盆地と吾妻連峰という大パノラマが広がっていた。

  • 烏ヶ崎展望デッキ。福島市の中心市街と西部一帯の大パノラマが広がる。
    右手奥に見えるのは吾妻連峰

信夫山は古くから山岳信仰の山としても知られ、山内には今も「羽黒神社」「月山神社」「湯殿神社」などの神社やお堂、史跡などが点在している。そうした古来の信仰の痕跡を巡ってみるのもいいだろう。
ちなみに、『ぐりとぐら』などの作品で知られる童話作家の中川季枝子さんは、福島で過ごした少女時代、信夫山や阿武隈川で遊びまわっていたそうで、その記憶をもとに書かれたといわれているのが、名作アニメ『となりのトトロ』のオープニングテーマ『さんぽ』の歌詞である。「歩こう〜、歩こう〜♪」と歌のなかで描かれた情景をイメージしながら、散策路を歩いてみるのも面白いかもしれない。

  • 羽黒神社の社殿。
    以前の社殿が昭和51年(1976)に焼失後、 再建されたもの

  • 羽黒神社の境内の大わらじ。
    長さは12メートル、重さは2トン。
    300年の歴史がある暁参りに毎年奉納される

  • ちょっとした山歩きができる散策路も整備されている。
    右に見えるのは湯殿山神社。信夫山の最高地点(275メートル)でもある

  • 山内には、修験道の山として栄えた
    出羽三山(羽黒山、月山、湯殿山)の神を祀る神社が建つ

上杉神社(米沢城跡)

国道13号線から八谷街道へと移り、米沢の市街地に入っていく。最上川を渡り、さらに1キロほど走ると、目的地である「上杉神社(米沢城跡)」に到着した。
境内は四方を広い堀に囲まれ、かつてこの地が米沢城の城郭であったことを教えてくれる。米沢は、戦国時代には伊達晴宗・輝宗・政宗の3代が治め、慶長3年(1598)に上杉景勝が会津120万石に入封すると重臣の直江兼続が米沢に配されて城郭や城下町の整備を行った。関ヶ原合戦後には、西軍方についた上杉景勝が30万石に減封されて米沢城に入城。以後、約270年間にわたって上杉家13代の居城とされ、明治維新を迎えることとなる。
神社としての起源は、景勝が米沢に移封された際、城内に上杉謙信の遺骸を祀った祠堂を建てたことにはじまる。明治に入って祠堂は神祭に改められ、謙信を祭神とする上杉神社と称するようになった。現在の社殿は、大正12年(1923)に米沢出身の建築家・伊東忠太博士によって設計され、竣成したものである。

  • 神社の入口にはためく「毘」の旗

  • 上杉謙信の像

  • 天地人の像。左が上杉景勝、右が直江兼続

  • 鳥居をくぐり、境内の奥へと進んでいく

  • 上杉神社の社殿

  • かつて上杉謙信の祠堂があった米沢城南東隅には、石碑が立っていた

神社を参拝したあとは、宝物殿である「稽照殿」を見学した。館内には、謙信・景勝の甲冑や、”愛„の前立で有名な直江兼続の甲冑、上杉家10代鷹山の「伝国の辞」の書蹟など、上杉家が誇る数々の宝物・文化財が展示されていた。
周辺には、上杉鷹山や景勝、直江兼続などを祀った「松岬神社」、米沢牛料理などが味わえる「上杉伯爵邸」、「米沢市上杉博物館」などもあるので、あわせて巡ってみるのもおすすめだ。

  • 上杉家ゆかりの貴重な宝物や文化財を展示する「稽照殿」

  • 「松岬神社」は、上杉鷹山や上杉景勝、直江兼続など六柱を祭神としている

  • 「松岬神社」前に立つ、上杉鷹山の像

  • 「米沢市上杉博物館」が入っている文化施設「伝国の杜」

  • せっかく米沢に来たのだからと、
    近くのレストランで米沢牛のステーキをいただく

西吾妻スカイバレー

米沢市街から県道2号線をひたすら南下していくと、山あいに温泉宿が建つ白布温泉の温泉地へと入っていく。道路はそこからさらに山を登り、白布峠を越えて、裏磐梯高原へと下りていくことになる。白布温泉から裏磐梯の早稲沢間の17.8キロは「西吾妻スカイバレー」と呼ばれ、雄大な展望を望みながらドライブを楽しめる山岳道路となっている。
途中には、赤滝・黒滝という2つの滝を峡谷の対岸に眺めることができる「双竜峡」や、赤や黄色に彩られた山の斜面と西吾妻山を一望できる「錦平」、急峻な斜面に山岳道路特有のヘアピンカーブが続く「東鉢山七曲り」などの展望スポットが点在し、駐車スペースに車を停めては景色を楽しんだ。紅葉は、標高1,000メートル付近から上が見ごろとなっており、錦繍で彩られた山々の絶景を思う存分満喫することができた。

  • 標高1,000メートルから上がちょうど紅葉の見ごろとなっていた

  • 淀沢の不動滝。何人かの人が、近くの駐車スペースに車を停め、
    写真を撮っていた。標高は1,110メートルほど

  • 「双竜峡」手前の西吾妻トンネル。
    標高は1,180メートルほど

  • 「双竜峡」。道路脇には紅葉と滝の写真を狙う
    カメラマンが大勢いた

  • 「双竜峡」の駐車スペースに立っていた、
    最上川源流の標柱

  • 「錦平」の入口付近。このあたりで標高は約1,340メートル

  • 「錦平」からの展望

  • ヘアピンカーブが連続する「東鉢山七曲り」。
    遠くに桧原湖も望める

  • 西吾妻スカイバレーを抜け、裏磐梯高原へ入っていく。
    県道2号線は桧原湖沿いをしばらく走る

五色沼

自然探勝路の東側の裏磐梯ビジターセンター。
季節の動植物やトレッキングに関する情報はここで

裏磐梯高原には大小300余りの湖沼が点在し、訪れる人に四季折々の美しい景色を見せてくれる。なかでも裏磐梯を代表する景勝地といえるのが「五色沼」である。
そもそもこの地が”湖沼の国„と呼ばれるほど多彩な湖沼群を有するようになったのは、高原の南に大きくそびえる磐梯山の噴火による。明治21年(1888)7月15日、水蒸気爆発によって大規模な山体崩壊・岩なだれが発生。山の北側を流れていた川がせき止められたり、堆積物の窪地に水が溜まったりして、大小さまざまな湖沼群が形成されていったのだ。
五色沼は、高原の南に点在する30余りの湖沼の総称で、東西に延びる3.6キロの自然探勝路を歩けば10数個の沼を観察することができる。
観光客に特に人気なのは、探勝路の東側、五色沼最大の大きさを誇る「毘沙門沼」だ。エメラルドグリーンの美しい湖面が広がり、その向こうには噴火跡が荒々しい磐梯山を遠望できる。

  • 毘沙門沼。エメラルドグリーンの水面が美しい。正面奥に見える山が磐梯山

なお、毘沙門沼を見物しただけで満足してしまう人も多いが、時間が許せば、探勝路を歩いて「弁天沼」「るり沼」「青沼」などほかの沼もぜひ見てほしい。沼ごとに水質や生育植物が異なっているため、それぞれに微妙に色合いの違う神秘的な湖沼の情景を目にすることができるはずだ。

  • 柳沼。五色沼自然探勝路の西側の端にある

  • 柳沼の湖畔のカエデは色づきはじめだった

  • 青沼。透明な水質で、ウカミカマゴケに覆われた
    青黒い水底がよく見える

  • 自然探勝路。木々の葉は黄色く色づいていた

  • るり沼。沼水は多量のカルシウムと硫酸イオンを含み、青く澄んで美しい

三湖パラダイス

裏磐梯高原から東へと延びる山岳道路「磐梯吾妻レークライン」。その途上にある「三湖パラダイス」は、桧原湖、小野川湖、秋元湖という裏磐梯の3つの湖の美しい展望を望めるスポットだということで立ち寄ってみることにした。
国道459号線から県道70号線(磐梯吾妻レークライン)に入り、4キロほど走ると三湖パラダイスの駐車スペースに到着する。西側を眺めると、手前に小野川湖、奥に桧原湖を望めた。南西には磐梯山も見えるはずだったが、あいにくの曇り空で山の姿は望めなかった。もうひとつの湖、秋元湖は道路対岸の遊歩道から南側に展望できた。手前にはススキが風に揺られ、山々の斜面は秋色に染まり、この季節ならではの風情ある景観を楽しむことができた。

  • 手前が小野川湖で、奥に桧原湖を望む

  • 奥に見えるのが秋元湖。
    周辺の山々は秋色に染まっていた

磐梯山噴火記念館

磐梯吾妻レークラインから国道459号線に戻り、東へ。500メートルほど走ると、道路の右側に「磐梯山噴火記念館」の建物が見えてきた。
この記念館は、磐梯山噴火100年を記念して昭和63年(1988)に開館。磐梯山の地形や地質、周辺の自然、歴史などをジオラマや映像、パネルなどで紹介している。ここまで巡ってきた湖沼や湿原、森林などの美しい自然景観がどのように形成されたのか、またそれらの恵みをもたらした磐梯山の噴火が一方でどれほど甚大な被害をもたらしたのかを詳しく学ぶことができる。
/入館料600円

  • 磐梯山噴火記念館。国道459号線沿いに建つ

桧原湖

「桧原湖」は裏磐梯に300余りある湖沼のうち、もっとも大きな湖で、湖岸周は約31キロ、最大水深は31メートルにもなる。湖岸に沿って県道2号線や県道64号線が走っているため、雄大な湖を眺めながらドライブが楽しめるほか、南岸から発着する遊覧船に乗れば、湖上から磐梯山をはじめ周囲の山々や自然を眺めることができる。 東岸には全長約3.4キロの探勝路が整備されており、春にはベニバナイチヤクソウやキクザキイチゲ、夏にはオオウバユリやヤマユリ、秋にはヒトツバカエデやハウチワカエデの紅葉と、四季折々の自然を愛でながら散策できる。複雑に入り組んだ湖岸線には多くの小島が点在し、一番深く入り組んだ「いかり潟」には裏磐梯唯一の吊橋がかかっている。

  • 南岸から眺める桧原湖。右は遊覧船の発着所

ニッポンレンタカーの車種・料金

詳しくは車種・料金一覧表をご覧ください。

福島県内のニッポンレンタカー営業所

ニッポンレンタカー ホームページの営業所検索で、福島県の営業所リストをご覧いただけます。

裏磐梯観光協会
裏磐梯に関する情報や観光情報などが見られます。
福島県ホームページ
福島県に関する情報や観光情報などが見られます。

記事・写真:谷山宏典 取材:2018年10月

  • ※ドライブコースの情報はそれぞれの記事の取材時点のものです。