名古屋〜岐阜。名城と伝統の鵜飼を楽しむ(2)

日本各地を旅するとき、その土地々々の伝統的な文化や風習を"見聞き"するだけではなく、関連する資料館や博物館を訪ねて"学ぶ"ことで、その楽しみはより深くなる。今回の旅でも、せっかく1,300年以上もの伝統がある鵜飼漁を見物したのだから、その歴史や技法についてより詳しく学ぼうと、長良川北岸の「長良川うかいミュージアム」に立ち寄ることにした。
その後、戦国時代に織田信長が天下統一の拠点とした「岐阜城跡/岐阜公園」へ。金華山の山頂に建つ復興天守からは、晴れていれば長良川や伊吹山、北アルプスの山並みが一望にできるそうだが、あいにくの雨模様で展望はいまいちであった。金華山の山麓では、国内有数の昆虫標本数を誇る「名和昆虫博物館」や、日本三大仏のひとつ・岐阜大仏を安置する「正法寺」を探訪。名古屋へ戻る道すがら、2018年3月にリニューアルオープンしたばかりの「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」にも足を延ばした。

ドライブルート

名古屋市中心部−(名古屋高速都心環状線、名古屋高速2号東山線、東名高速道路など)−長久手市−(東名高速道路、中央自動車道など)−犬山市−(県道205・93・287号線など)−岐阜市・長良川−(国道256・156・21号線など)−各務原市−(東海北陸自動車道、名神高速道路、名古屋高速16号一宮線、名古屋高速6号清須線など)−名古屋市中心部

全行程約140km、今回行程55km

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長良川うかいミュージアム

長良川うかいミュージアムの外観

長良川温泉に宿泊した翌日、最初に向かったのは長良川北岸の「長良川うかいミュージアム」だ。
館内は2フロアにわかれており、まずは2階のガイダンスシアターで、世界初という絵巻物型の巨大スクリーンに映し出される長良川の自然や鵜飼の映像を鑑賞。1階は資料展示スペースとなっており、実際に鵜飼漁で使われるさまざまな用具のほか、鵜飼の歴史や鵜匠の暮らし、鵜の生態について紹介する写真パネルや映像などが展示されていた。建物のすぐ裏手には長良川が流れており、天気がよければ川岸を散策するのもおすすめだ。
/展示室観覧料500円

  • ガイダンスシアター。映像はもちろん、音響と照明による演出もすばらしかった

  • 鵜飼の様子を原寸大の模型で再現。水中を泳ぐ鵜の様子も見ることができる

  • 1階の資料展示スペース。約4倍サイズの巨大な鵜が目を引く

岐阜城跡/岐阜公園

長良川北岸から眺める金華山。山頂には復興天守も見える

長良橋を渡って、川の南岸へ。川岸に大きくそびえる金華山頂上の「岐阜城跡」に登っていくことにした。
この山の頂にはじめて砦が築かれたのは鎌倉時代のこと。当初は稲葉山城と名付けられ、戦国時代には斎藤道三の居城でもあった。永禄10年(1567)、織田信長が道三の孫・龍興と戦って稲葉山城を落とし、新城主となると大規模な改修工事を行い、名も岐阜城と改める。信長時代の岐阜城は壮大な城郭だったようで、永禄12年(1569)に城を訪れた宣教師ルイス・フロイスは、その壮麗さに驚いたことを書簡に記している。本能寺の変で信長が討たれたあとは、織田信孝(信長の三男)、池田元助・輝政、豊臣秀勝、織田秀信(信長嫡男・信忠の子)などが城主を務めるが、関ヶ原合戦後に廃城となった。現在の天守は、昭和31年(1956)に再建されたものだ。
麓から山頂部へは「ぎふ金華山ロープウェイ」を利用する。山頂駅からは城郭の遺構などが残る道を7分ほど登ると、復興天守へと着く。天守内は史料展示室となっており、武具などを展示。最上階からは、晴れていれば市内を流れる長良川を眼下に、西には伊吹山や鈴鹿山系、北には日本アルプスの山並み、南には広大な濃尾平野という大展望を望むことができる。

  • ロープウェーで山麓から山頂部へ

  • 二ノ門・下台所跡に建つ模擬冠木門

  • 左の階段を登っていくと復興天守に至る

  • 復興天守。雨模様で空は真っ白……

  • 天守内には甲冑などの史料を展示

  • 天守最上階からの眺め。かろうじて長良川と岐阜の街並みが見下ろせる

  • 晴れていれば、こんな絶景が!(「岐阜観光コンベンション協会」提供)

山を下りたあとは、山麓に整備された「岐阜公園」を散策した。
園内の一画には「山麓城主居館跡(織田信長公居館跡)」があり、かつて建物があったであろう段々になった平坦地は現在も発掘調査が行われているようだった。また、明治時代には自由民権運動の主導者・板垣退助がこのあたりで暴漢に襲撃され、「板垣死すとも自由は死せず」という有名な言葉を残したと言われており、板垣の銅像が建っていた。
/ロープウェイ往復運賃1,080円、岐阜城入場料200円

  • 公園の入口に建つ、若き日の織田信長像

  • 園内の池。緑が美しい

  • 織田信長居館跡の入口

  • 居館跡の内部。斜面に平坦地が段々に配置されて、
    立体的な構造であったことがわかる

  • 織田信長居館の復元イメージ図

  • 板垣退助の像。板垣はこの地で暴漢に襲撃された

名和昆虫博物館

名和昆虫博物館の外観

岐阜公園の園内に建つ「名和昆虫博物館」は、大正8年(1919)に名和昆虫研究所の付属施設として開館した、日本でもっとも歴史の古い昆虫専門の博物館である。ちなみに「名和」という名称は、害虫駆除と益虫保護を目的に昆虫研究所を設立した昆虫学者・名和靖に由来する。
館内に入ってまず驚くのは、昆虫標本の数と多彩さだろう。1階には世界の代表的なカブトムシやクワガタムシをはじめ、色彩の美しさや形・模様の奇抜さに目を奪われる世界の珍虫・奇虫を数多く展示。また、チョウを中心とした身近な昆虫のコーナーや、名和靖が再発見して命名したギフチョウに関するコーナーもあった。2階はクイズ形式の展示となっており、実物昆虫標本を用いたクイズを多数展示していた。
/入館料500円

  • 1階展示室。さまざまな昆虫標本が並ぶ

  • 翅の光沢が美しいモルフォチョウ

  • コロンビアで採取されたヘルクレスオオツノカブト

  • 個性的な模様のタマムシたち

  • 名和靖によって命名されたギフチョウ

  • オオムラサキやアサギマダラなど日本に生息する美蝶たち

  • 世界最大のサソリ、テイオウサソリ

  • 2階展示室は、クイズ形式で昆虫標本を紹介

正法寺(岐阜大仏)

明朝様式と和様式が融合した大仏殿。
江戸後期の建物で、明治9年(1876)に修理・改築された

日本各地には「日本三○○」と数えられる名所や旧跡、寺社や温泉などがあるが、3つすべてが確定していることは稀で、たいてい3つのうちの1つは「諸説あり」となっている。「日本三大仏」もそうで、奈良・東大寺の大仏、鎌倉・高徳院の鎌倉大仏のほか、あと1つが定まっておらず、諸説のひとつとされているのが、岐阜公園の目の前の「正法寺」に安置される「岐阜大仏」である。
正法寺は、江戸時代の天和3年(1683)に廣音和尚がこの地に草庵を結んだことにはじまり、元禄5年(1692)に千呆和尚を開山に迎えて創建された。大仏は11代の惟中和尚と12代の肯宗和尚の2代にわたる約38年の歳月を費やして、天保3年(1832)に完成。周囲1.8メートルのイチョウの大木を真柱として、木材で骨格を組み、外形は竹材で編んで粘土を塗り、そのうえに一切経を貼り付け、さらに漆と金箔を重ねた乾漆大仏で、像高は13メートル以上にもなる。その構造から「籠大仏」とも呼ばれ、乾漆大仏としては日本一の大きさを誇っている。
また、大仏殿も独特なつくりで、見た目は明朝様式と和様式が融合した雰囲気。殿内の中心部は大仏を収めるために大きな空間が形成され、大仏の周囲を巡るために回廊が設けられるなど、ほかの大仏殿にはあまりない形態が見られるのが特徴だ。
/拝観料200円

  • 岐阜大仏。江戸後期に完成した、日本最大の乾漆大仏

  • 大仏の構造。内部には胎内仏として薬師如来坐像を安置している

  • 境内に咲いていたアジサイ

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館

岐阜から名古屋への帰路、岐阜各務原ICで東海北陸自動車道に乗る前に、ICから5キロほど東にある「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」に寄っていくことにした。
各務原は、大正6年(1917)に国内2番目の飛行場が造られて以来、日本の航空機産業の重要拠点として発展を続けてきた。現在は航空機のみならず、宇宙機器の開発・製造を行う企業が数多く立地している。そんな歴史ある街に建つ同館は、その名の通り、航空と宇宙の展示を兼ね備えた国内唯一の専門博物館で、平成30年(2018)3月のリニューアルオープンによって展示面積は従来の1.7倍の9,400平方メートルとなり、実機34機、実物大模型9機の計43機が展示されている。実機展示数は日本一を誇る。

  • 国内最大の航空と宇宙の専門博物館。平成30年(2018)3月にリニューアルオープンした

航空エリアでは、ライト兄弟が人類初の有人動力飛行に成功した「ライトフライヤー」の実寸大模型にはじまり、大戦期に各務原でもっとも多く生産された「飛燕」の世界で唯一現存する実機、戦後に開発されたジェット機や戦闘機、輸送機や飛行艇などを年代別に配置。人類が空に挑んだ歴史をわかりやすく展示している。

  • 「ライトフライヤー」(左上)と
    「陸軍乙式一型偵察機(サルムソン機)」(右)の実寸大模型

  • 「零戦 試作機」の実寸大模型(左上)と
    「飛燕」の実機(右)

  • 日本で開発された名機たちがズラリと並ぶ

  • 小型ジェット機の操縦シミュレーションコーナー

宇宙エリアでは、人類の宇宙への挑戦の歴史を映像で振り返るとともに、現在の宇宙開発の最前線である国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」や、日本を代表する探査機「はやぶさ2」の実寸大模型を展示。さらに、火星探査を行っている無人探査車「キュリオシティ」の実寸大模型など、最先端の宇宙開発についても知ることができる。
「空」から「宙」へ――。展示を通じて、そんな人類の夢と挑戦の歴史に触れることができた。
/入館料800円

  • 日本で開発されたロケット「H-UA」「H-UB」「H3」の模型

  • リアルに再現された、ISS日本実験棟「きぼう」の実寸大模型の内部

  • 小惑星探査機「はやぶさ2」の実寸大模型

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記事・写真:谷山宏典 取材:2018年6月

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