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六十里越街道と出羽三山(1)

ドライブライン

鏡池と三神合祀祭殿 羽黒山、月山、湯殿山の三山は、祖先の霊魂が鎮まるお山、生命の糧を司る山の神、厳しい修行霊場として知られ、ここに詣でることを「奥参り」と称し、西の「伊勢参宮」と並んで太古の昔より人々の篤い信仰を集めてきた。
推古元年(593)に開かれた羽黒山は、三山の神々を合祀する山で、山頂に至る参道には、老杉の巨木が生い茂り、昼なお暗い樹木の中に平将門が創建したと伝えられる国宝・五重塔が、ひっそりと佇む。羽黒山の南には、標高1,984mの月山が聳え、山頂には月山神社本宮が鎮座する。その西南に並ぶ湯殿山は古来、出羽三山の奥宮とされ幽玄なる峡谷に鎮座している。
一方、山形から鶴岡を結ぶ道は「六十里越街道」と呼ばれ、湯殿山詣での道であり、庄内藩の参勤交代路とされていた古道である。現在は山形自動車道と国道112号線が結び、旧街道はトレッキングルートとして親しまれている。途中、かつての宿場であった田麦俣や古寺を訪ねながら、鶴岡、酒田へと気ままに車を走らせた。


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ドライブライン

<コース>
JR山形駅−(山形自動車道)−月山IC−(国道112号線)−湯殿山IC−(国道112号線)−鶴岡市街−(国道345号線)−県道−日本国−(国道7号線)−鼠ヶ関−あつみ温泉−由良−(国道112号線)−湯野浜温泉−酒田市街
全行程 約380km

ルート付近のリンクポイントをクリックしてみてください

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●湯殿山

六十里越街道の標示
六十里越街道の標示
月山にちなんで駐車場に月の女神
月山にちなんで駐車場に月の女神
(あさひ月山湖展望広場)


国道112号線沿いにはダム湖が多い
国道112号線沿いにはダム湖が多い
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弓張平公園
弓張平公園

山形自動車道は山形中央ICから約50km、月山湖の西はずれで一旦国道112号線へと出る。これより少し戻るようにして、湯殿山へは旧国道の六十里越街道を辿ろうと試みたが、弓張平公園で「これより先は橋の工事中につき通行禁止」とあり、開通の日程は不明ということを知った。現在の国道112号線は旧道の下をトンネルで結ばれ、「月山花形ライン」という名称がついていた。
国道へ戻り月山第一トンネルを抜けると、湯殿山への標識に従い湯殿山自動車道(有料)へ。鮮やかな朱色の鳥居の下に車を駐め、バスに乗り換え湯殿山神社本宮へと上る。
この鳥居から先は一般車通行止め
この鳥居から先は一般車通行止め

湯殿山の聖地から流れる谷に架かる橋
湯殿山の聖地から流れる谷に架かる橋
湯殿山の聖域を示す石碑
湯殿山の聖域を示す石碑

清冽なる梵字川の流れのほとり、温泉の湧き出る巨岩が御神体の湯殿山は、出羽三山の奥宮とされ、伊勢、熊野と並ぶ三大霊場の一つ。大山祗命、大己貴命、少彦名命の三神を祀っている。修験行者がここで仏の境地に至るといわれるところだ。現在でも参拝に際しては、入り口でお祓いを受け、履き物を脱いで裸足でなければお詣りは許されない、俗界とは切り離された神域なのだ。
現実は椅子に腰掛けた神主にお祓いを受け、御神体に手をあわす時「お賽銭をあげてから拝んで下さい」という俗界からの声がしたのである。
「語るなかれ」「聞くなかれ」と戒められた清浄神秘の世界であることを、訪れた松尾芭蕉は「語られぬ湯殿にぬらす袂かな」と詠んでいる。
写真撮影は厳禁だ。
/有料道路料金 400円、お祓い料 500円、バス代 100円、TEL 0235-62-2355

●旧遠藤家住宅(田麦俣)

湯殿山から下山し、旧国道112号線を辿ると間もなく、山形県指定文化財「多層民家」に出会う。六十里越街道の要であった田麦俣集落に残る茅葺きの民家で、この地方に見られる兜造り多層民家の代表的なもので、明治10年代の姿に半解体復元したもの。
兜造りとは、屋根の妻側から見た姿が、武者がかぶった兜に似ていることから付いた呼び名だ。

多層民家・旧遠藤家住宅
多層民家・旧遠藤家住宅
田麦俣の村内にはこんな時計があった
田麦俣の村内には
こんな時計があった


冬季はそりが運搬手段
冬季はそりが運搬手段
わら靴、わらじなど
わら靴、わらじなど

内部は、一階は土間と馬屋に囲炉裏のある居間の他、座敷と仏間など主に家族の居住用だ。二階は下男たちの部屋及び養蚕の作業場や物置などとなっている。このあたりは土地が狭く、冬は豪雪で建物の増築ができず、住居や作業、養蚕部屋と生活が一つの建物となった多層の形となった。わらじ、藁で作った雪靴、臼や杵から雪そりまで、当時の生活用品が展示されている。
並んで建つもう一つの茅葺き屋根の家は、現在も個人の住居で、旧遠藤家の管理をしている。入館料は、こちらで支払う。
/入館料 300円、連絡先は鶴岡市教育委員会 TEL 0235-25-2111

●注連寺と瀧水寺大日坊

どちらも即身仏を祀る寺。昔、湯殿山の行人の修行は、想像を絶する苦行を続け、自らの穢れを祓い、他人の苦しみを替わって受けようとした。自らが即身仏になるには荒行を行い、体内の脂肪分をとり腐敗を防ぐという方法で、最後は土の中で息絶えた。そして、これを入定といい、長く世の人々を救おうとしたのである。

注連寺。鉄門海上人の即身仏が拝顔できる
注連寺。鉄門海上人の即身仏が拝顔できる
鉄門海上人の碑
鉄門海上人の碑

森敦の小説「月山」に登場する寺、注連寺の即身仏は鉄門海上人で、彼の生前の姿を描いた絵が壁にかかげられている。もとは、川人足で男気に富んだ性格であった。25歳の時、ある些細なことで人を殺め、捕縛から逃れようと湯殿山の行者になり、人々の救済に尽くし、最後は注連寺で入定し即身仏となった。袈裟に身を包んだ鉄門海上人の拝顔のみは無料。寺の歴史や即身仏などの解説が必要な人は500円。

大日坊に祀られる即身仏は真如海上人。神仏分離の際に仏教を護持したため、湯殿山の祭祀権を失い、現在は即身仏の寺として有名になっている。即身仏に詣るだけでも500円の料金が必要。
大日坊にも即身仏・真如海上人が祀られている
大日坊にも即身仏・真如海上人が
祀られている


即身仏は全国で約17体あるという。うち山形庄内地方を中心に8体ある。
/注連寺 TEL 0235-54-6536、大日坊 TEL 0235-54-6301

●「道の駅・月山」(月山あさひ博物村)

アマゾンの動植物の標本を集めた「アマゾン自然館」や朝日地域に関わりのある文学や芸術を収集した「文化創造館」の他、朝日地区で栽培する月山ワインや山ブドウ酒を展示販売する「山ブドウ研究所」がある。
建物の裏には、梵字川峡谷を見下ろす橋がある。日本のバンジージャンプの発祥の地でもあるという。深い峡谷に架かる橋。足下の遙か下には清流が流れる。飛び込むジャンパーたちには魅力の場所かもしれないが、のぞき込むだけでも恐い。しかも、橋の中央には「事故があったため閉鎖」という文字がある。現在はバンジージャンプは行われていない。

山間の棚田
山間の棚田
道の駅・月山裏、梵字川に架かる吊り橋
道の駅・月山裏、梵字川に架かる吊り橋
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道の駅・月山の案内
道の駅・月山の案内
雪解け水が谷を激しく下る
雪解け水が谷を激しく下る

対岸には落差約30mの滝が見られ、その横には旧国道のトンネルを改造してつくったワイン貯蔵庫「トンネルビット」がある。
/TEL 0235-53-3411

●丸岡城址跡と天澤寺

鶴岡市まで約10km、国道112号線沿いに“丸岡城”という表示板を見付けた。
ここは加藤清正ゆかりの地である。丸岡地区は、庄内と内陸部を結ぶ旧六十里越街道が通っていた。鎌倉時代よりこの地を支配する武藤氏の支城が置かれていた。
加藤清正亡きあと、嫡子・忠広は、南国熊本から徳川幕府により移封され、出羽国庄内の丸岡に入った。その際、忠広と生母・正応院は、清正公の尊骨を熊本から保持し、隣接する天澤寺に埋葬し墓所を清正閣としたと伝えられている。
昭和24年(1949)に遺跡の発掘調査が行われ、清正閣地下から鎧が出土し、五輪塔と蓋なし壺一つが発見された。壺には人骨と思われるものが付着し、五輪塔には「正保4年12月3日、清地院居士敬白」の刻字があり、壺は九州肥前弓野焼と判明した。
あまり人の訪れる気配もない静かな寺で、住職が境内の掃除の手を休めて城や寺のことについて教えてくれた。

公園になっている丸岡城跡
公園になっている丸岡城跡
天澤寺
天澤寺

清正公墓所入り口には虎の銅板も
清正公墓所入り口には虎の銅板も
このお堂に清正公の骨壺が祀られている
このお堂に清正公の骨壺が祀られている

●羽黒山

標高1,984mの主峰・月山から南西5kmにある湯殿山、北へ30kmほどにある羽黒山を出羽三山といい、太古の昔より敬神崇祖の精神を伝えられ、現在なお祖霊安鎮の山として尊崇されている。月山神社は天照大神の御弟神である月読命、出羽神社は出羽の国魂である伊氏波神と稲倉魂命、そして湯殿山は大山祗命の三神が祀られている。羽黒山には月山・湯殿山と三神を祀る三神合祭殿がある。

羽黒山への大鳥居
羽黒山への大鳥居
山麓には坊が連なる。今で言う旅館街
山麓には坊が連なる。
今で言う旅館街


●黄金堂

鶴岡市内より県道47号線を約10km、羽黒山と庄内へ向かう分岐点を庄内方面へ1kmほどのところに数多くのわらじが奉納された山門に出会う。
正式には正善院黄金堂で、建久4年(1193)源頼朝が平泉の藤原氏討伐にあたり、勝利祈願のため寄進した寺で、黄金埋蔵の伝説がある。
文禄2年(1593)に酒田城主・甘粕備後守、上杉の家臣・直江山城守が3年の歳月をかけて大修理したのが、現在の黄金堂だ。国の重要文化財。
/拝観料 300円、TEL 0235-62-2380

黄金堂(重文)
黄金堂(重文)
黄金堂山門にはわらじが沢山奉納されている
黄金堂山門にはわらじが
沢山奉納されている


●羽黒山五重塔

随神門から徒歩約10分、祓川にかかる赤い橋が見えてくる。これは神橋で下を流れる清流は月山に源を発する。川を挟んで落ちる滝は「須賀の滝」といい、江戸時代月山より8kmの水路をひいて作ったもので、不動の滝とも呼ばれていた。
昔は、出羽三山に参拝する人はすべてこの祓川で身を清めた。神橋から少し上ると、五重塔の横に立つ樹齢1000年の「爺杉」と呼ばれる老杉がある。昔は婆杉と並んで羽黒山の名物だったが、婆杉は台風で倒れてしまったそうだ。

羽黒山の鳥居
羽黒山の鳥居
随身門をくぐると杉並木だ
随身門をくぐると杉並木だ

祓川に架かる神橋
祓川に架かる神橋
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天然記念物の標示
天然記念物の標示

不動の滝
不動の滝
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延々と続く石段はすり減っていた
延々と続く石段はすり減っていた

樹齢1000年以上という爺杉
樹齢1000年以上という爺杉
五重塔基部
五重塔基部

随神門をくぐると三神合祭殿までの参道は、杉の巨木の中に2,446段の石段が続く。五重塔は、その“一の坂”上り口、杉の林の中にある。東北地方では最古の塔といわれ、平将門の建造と伝えられている。
高さ約30m三間五層柿葦素木造で、600年前に再建されたものだ。長い歳月を経た貴重なもの。天然記念物の鬱蒼とした杉並木中に均整のとれた美しい姿でひっそりと建つ。
杉林に囲まれた五重塔(左は爺杉)
杉林に囲まれた五重塔(左は爺杉)
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●三神合祭殿

このあたりは豪雪のため、月山、羽黒山、湯殿山の冬期に参拝することができないことから、比較的登り易い羽黒山に三神を祀るようになったと伝えられている。
神仏習合のころの名残を留める特異な造りで、高さ28m、厚さ2mを超える茅葺き屋根に、内部は総漆塗り梁や柱が、重量のある屋根を支えている。重厚で迫力さえある建物は国の重要文化財でもある。
鏡池と三神合祭殿
鏡池と三神合祭殿

この社の前にある「鏡池」は、昔は御手洗池と呼ばれていた。この池からは平安・鎌倉・江戸中期までの鏡が発掘された。その中の190面が、隣接する「出羽三山歴史博物館」に収蔵されている。すべてが国の重要文化財である。
/入館料 200円、TEL 0235-62-2355



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鶴岡市観光連盟
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出羽三山神社
出羽三山神社の公式サイト。由縁や沿革、境内の案内、祭礼、博物館案内などが掲載されている。

取材:2010年6月

※ドライブコースの情報はそれぞれの記事の取材時点のものです。