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山形 酒田と鳥海山



東北地方の秋は短い。それだけに美しく、過ぎ行く日々にいとおしささえ感じるもの。
山々の紅葉も終わろうとするころ、里には刈られた稲の株を残した茶褐色の大地が広がる。家々の庭先の柿の実は赤く熟し、澄んだ青空に浮かぶ。海もまた心なしか白波も高く、車窓に流れる風は冷たく透き通る晩秋の羽州浜街道(国道7号線、別称“おけさおばこライン”)は、もしかするとひとりハンドルを握る旅が似合うのかも知れない。





酒田市内−(船)−飛島往復−(国道7号線おけさおばこライン)−吹浦−鳥海ブルーライン−象潟−(国道7号線)−酒田
全行程 約100km、日帰り。ただし飛島を往復した場合は酒田、または飛島で一泊。




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●酒田

最上川の河口に位置する酒田市は、海運交易で栄えてきた港町。江戸時代には北前船の拠点として、諸国からの荷で賑わった。
西の堺、東の酒田とまでいわれたほど西廻りの航路として重要な役割を果していた。その隆盛ぶりは「本間さまには及びでないが、せめてなりたや殿様に」とまでいわれ、殿様をも上回る財力のあった豪商本間家や鐙屋などの屋敷を今に残す。
また、明治時代に建てられた米の保管用倉庫や資料館、美術館などみどころも多い。それぞれに有料、無料の駐車場もある。

●本間家

酒田の豪商本間家は、江戸時代日本一の大地主とまでいわれ栄華を極めた名家であった。
現存する本間家旧本邸は、幕府巡見使の宿舎として、明和5年(1768)本間家三代目が建てたもの。
二千石旗本屋敷の風格を持つ長屋門構えの武家屋敷だが、同時に商家造りの特徴も見られる。同じ建物でありながら、太いケヤキの柱や一枚板、春慶塗脇床棚など素材細工塗りににこだわった格調高い造りと素材や装飾の異なる商家とに分れている。
身分制度の厳しかった江戸時代、商家でありながら武家屋敷の造りを許されていたのだから、その財力は大変なものだった。こうした2つの建築様式が一体となっているのは極めて珍しい。
昭和20年代までは本間家の本邸として使用されていた。県の文化財指定を受け、見学ができる。
/入館料 600円、TEL 0234-24-4311

●旧鐙屋

江戸時代酒田を代表する廻船問屋で、日本海運に大きな役割を果したその姿を今に伝えている。
かつての鐙屋の繁栄ぶりは、井原西鶴の「日本永代蔵」に記載されている。
現在は大火で焼失した直後の弘化2年(1845)に再建されたものを最近改修復元した家屋で、国の指定史跡になっている。
杉皮に石を細かく並べた“石置杉皮葺屋根”の典型的な町家造りで、通り庭(土間)に面して、十間余の座敷と板の間がある。
内部には、20分の1に縮小された弁才船の模型や、海運の歴史資料が展示されている。また、当時の商人の暮らしぶりなどが実物大で再現されていて興味深い。
/入館料 310円、TEL 0234-22-5001

●本間美術館

昭和22年に本間家より土地と建物を借り受け私立美術館として開館。本間家が所蔵する数々の美術工芸品を展示していたが、現在は、現代アートを展示している。
同じ敷地にある美術館の本館と庭園は本間家の別荘として、四代光道氏が文化10年(1813)に築造したもの。当時、港湾労働者の冬期の失業対策事業だったというのだから、本間家の財力を物語るには充分だ。
鳥海山を借景とした回遊式庭園は、東屋のそばに鶴が飛んできたことから「鶴舞園」と名付けられた。庭石は、北前船で酒田港に運ばれた珍しいものが多い。
明治以降は皇族方をはじめ、政府高官などが宿泊所として利用、“酒田の迎賓館”とも呼ばれていた。
/入館料 700円、TEL 0234-24-4311

●山居倉庫

酒田市内を流れる新井川沿いに12棟のケヤキと白壁造りの倉庫が並ぶ。明治26年(1893)に、酒田米穀取引所が米の保管場所として建てた土蔵造りの倉庫だ。
屋根が二重構造になっているのは、米の保存には欠かせない湿気対策のための工夫だ。
倉庫裏に植えられたケヤキ並木は、西日や浜風を避けるためのものだ。その他随所に米保存のための細かな配慮がされている。
倉庫は今も現役として使われているが、うち1棟だけは庄内米歴史資料館として公開されている。当時、人々がいかに米を大切に扱っていたかなどがよく分かる。
/入館料 300円、TEL 0234-23-7470

●飛島へ

酒田市内をゆっくり観光した翌日は好天に恵まれたので、飛島へ行くことにした。
新潟、山形と日本海岸沿いを走り続けていると、佐渡、粟島、飛島は次々に目にする旅の友だ。その友に突然会いたくなったとき、酒田港から飛島へは日帰りができると聞いて、港に車を走らせた。
ピストン運行する船は定員300人、酒田−飛島間を1時間30分で結ぶ定期便だ。夏期は毎日往復各2便運行されるが、秋から冬は1往復だけ。しかも海が荒れると運休になることもしばしばある。島で泊まる人は次の日の天候を調べてから行くようにしたい。
船には車は積めないので、車は港の駐車場へ。
問い合わせ/定期航路事業所 TEL 0234-22-3911

酒田港を出航するとすぐ、鳥海山の全容が目に飛び込んでくる。いまはシーズンではないが、4〜5月には航海中にイルカの大群に遭遇することも珍しくないとか。
また、ウミネコの繁殖期(5〜6月)には島周辺の岩場には2万羽が巣づくりするため、船中での餌付けも楽しめる。
鳥海山が遠く霞むころ、飛島港はもう近い。

●飛島

周囲約4kmのほぼ平坦な島、飛島は現在人口350人ほどで、その多くは50歳以上の中高年だ。
島で一番大きな建物である小学校は今年から生徒がいなくて休校、中学校も生徒が2人になったと、一緒に船に乗り合わせたお年寄りの話。
船着き場から岩山を10分ほど登ると自然の展望台がある。ここからは漁船が停泊する港と、島の人たちの大部分が住む勝浦地区と中村地区が見渡せる。多分、観光客用に階段などを作って整備したものだが、道はすっかり荒れている。
港とは反対側にはエメラルドグリーンに輝く入り江(海水浴場)がある。入り江から西側へは遊歩道が敷かれ、岩礁伝いに海を眺めながら散歩が楽しめる。時間があれば中央部を通って縦横に走る歩道を歩いたり、貸し自転車を利用して島巡りもできる。
ちなみに飛島には縄文時代の遺物や遺跡も発見されている。また、シーズン中は島中ほとんどの家が民宿や旅館を営んでおり、新鮮な魚介類を食べさせてくれる。
飛島に関する問い合わせ/酒田観光協会 TEL 0234-24-2233

おいしい魚介類が食べたいと思ったが、シーズンオフとなると多くの民宿や食堂も休業状態。その中で港に近い 食堂 が一軒だけ開いていた。
もう観光客もいないいま、酒田方面から土木や建築などで働きにきている人のために開いている食堂という。
メバルやさざえなど漁師が水揚げしているというのに、残念ながらそれらは午後の船ですべて酒田へ出荷されていくのだという。

●再び酒田から鳥海山へ

酒田から国道7号線(おけさおばこライン)を北上、約20kmで鳥海ブルーラインの入り口である吹浦に着くが、吹浦のある遊佐町は、古くから鳥海山信仰登山の拠点として栄えたところ。
自然が多く残る地域だが、温泉施設やレジャースポットも登場。「鳥海温泉保養センターあぽん西浜」は日帰り温泉施設なので、ドライブの途中立ち寄ってみるのもよい。(入浴料350円)
/TEL 0234-77-3333

また、「鳥海温泉遊楽里」は素泊まりが基本の宿泊施設だ。(一泊4,500円から)
/TEL 0234-77-3711

JR吹浦駅を過ぎるとすぐ鳥海ブルーラインへの分岐点に出る。標識に従って右折すると、あとは一本道だ。こうした観光道路は有料が多いがここは県道で無料だ。

●鳥海山

出羽富士とも呼ばれ親しまれている鳥海山は、古くから信仰の山として人々に崇められていた。
旧火山(西鳥海山)と新山からなる二重式の火山で、山頂近くには火口湖があり、噴火の跡を残している。
高山植物の宝庫としても知られているが、初夏までスキーが楽しめる豪雪の山としても有名。
鳥海ブルーラインは、標高2,236mの鳥海山の中腹を通り秋田県の象潟町を結ぶ。全長約35km。沿道には展望のよい各所に駐車場が設けられており、男鹿半島や日本海に浮かぶ佐渡、粟島、飛島などを望むことができる。
今年は間に合わないかもしれないが、おすすめはなんといっても紅葉の季節だ。また、雪国の春から初夏にかけての新緑はまばゆいばかりの光の中のドライブもよい。

●鳥海ブルーライン

はじめはなだらかだった道も15分も上ると、急カーブ急勾配となる。
山の中腹を巻きながら秋田県との県境へ出ると、広い駐車場と国民宿舎「太平山荘」がある。赤いナナカマド越しに鳥海山の頂を望める大休憩所でもある。
ここから秋田県側に下る道は、日本海を眼下に雄大な風景の大パノラマだ。急カーブの連続だが、そのカーブを曲がる度に下界が近づき、水平線が高く大空と一体になって車窓に迫る。迫力のある大自然のスペクタクルといえるだろう。
11月10日前後から4月上旬までは閉鎖。
問い合わせ/遊佐町商工観光課 TEL 0234-72-3311

●奈曽の白滝

鳥海山から下り、道がなだらかになると間もなく「奈曽の滝」の標識がある。
道から少しはずれた森の中へ足を踏み入れると、すでに水の音が聞えてくる。
古い寺の階段を登ったその奥に滝への長く急な階段を下る。と、突然轟音とともに水しぶきをあげる勇壮な滝が現れた。
秀麗鳥海山から流れ下る幅11m、高さ26mの大滝だ。昭和7年に国の名勝に指定された後、昭和25年には新日本観光地百選に選ばれた。
春は若葉、秋は紅葉の名所として、ここ象潟の景勝地の一つとして、地元ばかりか全国から観光客が訪れる。

●奥の細道・芭蕉の史跡

芭蕉の「奥の細道」の句碑を訪ねて旅する人は多いと聞いた。
その昔著者も仙台の松島、山形の山寺、湯殿山からここ象潟へ、芭蕉の足跡を追ってドライブの旅をしたこともあった。
近年は高速道路の発達でかつての旧道は廃道に等しいような道になり、芭蕉の句碑を訪ねるのもなかなか難しくなったようだが、象潟は奥の細道の最北とあって、芭蕉詣での人には人気があるようだ。
写真にある場所は、象潟の美しい風景を見るため、師弟曽良ととも芭蕉は舟に乗って島巡りをした場所。舟をつないだ“船つなぎ石”がある。
象潟の町はゆっくり歩きたいところである。

●蚶満寺(かんまんじ)

象潟の町はずれ、鬱蒼とした樹木の中に静かに佇むこの寺は、芭蕉が旅した最北の地、象潟の古刹である。
象潟は、鳥海山から流れ出た溶岩でできたいくつもの島があり、かつてはその風光を愛でて多くの人が舟を繰り出したという。
芭蕉もその足跡を残し、中国の悲劇の妃西施(せいし)を想い“象潟や 雨に西施が ねぶの花”と読んだというところ。
境内には芭蕉の句碑の他仁親鸞聖人の腰掛石、西行法師の歌桜跡、北条時頼公のつつじなど歴史のまつわる史跡が沢山ある。



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酒田市
充実した行政情報のほかイベント、物産品、酒田の自慢・日本一情報や酒田港のページなどがある。
遊佐町
町の文化財などの紹介。「ゆざ自然図鑑」などの写真により豊かな自然の一端をうかがい知ることができる。
象潟町観光案内
個人サイトだが内容は充実している。観光スポットや各種施設案内のほか鳥海山の定点カメラ映像が見られる。

取材:2000年10月