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渡良瀬渓谷と足尾銅山跡

ドライブライン

大きな白い石の川に沿ってわたらせ渓谷鉄道は走る 渡良瀬川は群馬県との県境にある標高2,143mの皇海(すかい)山を源流とし、茨城県の古河市で利根川と合流する全長約110kmの川だ。その上流には約420年間にわたり、銅を堀り続け、昭和48年(1973)に閉山した足尾銅山跡がある。
長い間絶えることなく溶鉱炉の火を燃やし続けた精錬所の煙突から出された亜硫酸ガスのため、周囲の山林は煙害で、見るも無惨な褐色の山となった。また猛毒の廃液が垂れ流された川は、魚も棲めなくなり、大きな公害問題として全国に知られるようになっていた。
その公害の原点だった銅山も閉山して36年、多くの人の復元努力によって山は緑を取り戻しつつあり、川は昔のような清流にもどった。川沿いを走る国道122号線は、わたらせ渓谷鉄道の“トロッコ列車”とともに車窓を染める緑、秋の紅葉を求める多くの観光客を誘う。


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ドライブライン

<コース>
宇都宮−(国道121号線)−今市−(国道122号線)−足尾銅山跡−草木ダム−大間々
行程 約150km

ルート付近のリンクポイントをクリックしてみてください

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●日足トンネル

日光例幣使街道の長い杉並木を抜け、今市、日光を通過(参照2001年「秋の日光東照宮とその周辺」)、中禅寺湖へ向かういろは坂の手前約3kmを左折、足尾方面国道122号線へ。約2kmも行くと、全長2,760mのトンネルに入る。
日光市と足尾町を結ぶ重要なトンネルで、昭和48年(1973)から約5年の歳月をかけて完成。首都圏から日光へと直接繋がる道路として、地元の人たちにとっては大きな喜びであったという。

●足尾銅山跡

トンネルを抜けると約10kmで足尾町だ。足尾銅山は江戸時代初期から銅を堀り続け、明治に入ってから民間に払い下げられ、古河市兵衛が買い取り、積極的な経営にともない大きく発展した。

ところがこの頃より、水害が起こる度に渡良瀬川に大量の魚が死んで浮かぶという異変が頻繁におこるようになった。これが猛毒事件のはじまりで、精錬所は絶えることのない溶鉱炉の火を燃やし、煙突から出る有害ガスのため周囲の山が枯れ、さらにこれに大火が拍車をかけ公害が広がった。
渡良瀬川の漁業や農業に被害が及び、公害問題が争われ続けた約100年後の昭和48年(1973)にやっと閉山。昭和25年(1950)国が砂防ダムの建設を行い、多くの人々によって山の緑への復元作業が続いている。
植林は積極的に行われている
植林は積極的に行われている

●足尾銅山跡観光

江戸時代から約400年、銅山の採掘が行われてきたところ。堀開した坑道の長さの総延長1,234km、およそ東京−博多間にあたる。日本一の鉱山と呼ばれた足尾銅山の様子を再現。現在、坑内の観光全長700m、うち160mはミニトロッコで坑内に入り、下車後は歩いて見て回る。
坑道には、江戸時代の銅山採掘作業から明治、大正、昭和の鉱山の様子を等身大の人形を使い当時の作業会話まで交えてリアルに表現されている。それは手堀から、機械化されていくそれぞれの時代の作業様子から鉱山の仕組みなどを教えてくれる。
銅山観光のトロッコ電車
銅山観光のトロッコ電車

坑内作業
坑内作業
江戸時代、坑内で働く人を人形で示す
江戸時代、坑内で働く人を人形で示す

●資料館(鋳銭座)

坑道の外には、昔のお金、時代劇の銭形平次でも知られる貨幣「寛永通宝(1文銭)」が造られる工程が、ここではミニュチュア人形によって再現されている。銭の原型を造ることから磨きまでの12工程をわかりやすく解説してくれる。また、足尾銅山で実際に使われていた道具類や産出された鉱石なども展示されている。
/入抗料 800円、TEL 0288-93-3240

銅山観光内の資料館壁面。足の字は足尾製を示す
銅山観光内の資料館壁面。
足の字は足尾製を示す

足尾では寛永通宝が作られた
足尾では寛永通宝が作られた

●精錬所跡

420年間にわたり銅を掘り続け、その間、絶え間なく溶鉱炉の火を燃やし、煙突から猛毒の亜硫酸ガスを輩出し、周囲の山林を枯らしはげ山にし、大きな公害問題を起こした工場跡だ。赤茶けて曲がった鉄骨、割れた窓ガラスの荒れ果てた建物の残骸だが、鉱山閉鎖後、精練部門を子会社とし、規模は小さいが現在も操業中という。

足尾銅山の精錬所跡
足尾銅山の精錬所跡
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今に残るレンガ造りの倉庫
今に残るレンガ造りの倉庫

●古河橋

渡良瀬川に架かる橋で精錬所へ渡る鉄橋。明治23年(1890)ドイツの道路鉄橋技術を用いて完成したもので、日本最古に数えられる橋である。いまは通行禁止。市の文化財に指定されている。平成5年(1993)に平行して現在の橋が架けられている。
明治23年(1890年)に作られた古河橋
明治23年(1890年)に作られた古河橋

●足尾砂防ダム

渡良瀬川上流、松木川、仁田元川、久蔵川の3つの川の合流点に造られた、日本を代表する砂防ダムである。鉱山の毒性ガスで荒廃した山々からの土砂流出を防ぐ目的で、5年の歳月を掛けて昭和29年(1954)に完成したダムだ。規模は長さ204m、高さ39m、コンクリート砂防ダムで水が7段に分かれ流れ落ちる姿は壮大だ。
3つの川が合流した地点には渡良瀬川源流の碑が建つ。渡良瀬川の源頭は皇海(すかい)山で山頂には渡良瀬川源流の碑がある。

足尾砂防ダムから水は7段になって流れる
足尾砂防ダムから水は7段になって流れる
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わたらせ源流の碑
わたらせ源流の碑

●銅(あかがね)親水公園

足尾砂防ダムの下には「荒廃した緑と潤いを取り戻そう」ということを目的に、国、県、町の共同事業により平成8年に完成した公園だ。園のシンボル「銅(あかがね)橋」や自然や歴史、治山や治水事業などが学べる「銅(あかがね)館」がある。
これらを中心に砂防事業や治山作業が現在進行中。周囲のはげ山も多くの人々により、徐々に山々の緑も増しつつある。
足尾砂防ダムに架かる銅(あかがね)橋
足尾砂防ダムに架かる銅(あかがね)橋

●古河掛水倶楽部

約100年前に銅山の迎賓館として建てられたもの。主に銅山関係者の宿泊施設や会合に使用されていた。現在も足尾鉱山の子会社の福利厚生施設として使われている。1886年、日本初の私設電話が敷設されたところでもある。
/入館料 300円(ただし、土、日、祝のみ)、冬季閉館、TEL 0288-93-3255
古河迎賓館
古河迎賓館

●わたらせ渓谷鉄道

足尾銅山で採掘された銅を運んだ国鉄「足尾線」だが、閉山とともに運ぶものがなくなり貨物は廃止。次第に過疎化が進み利用者も減少したため、平成元年(1989)第三セクターに転換され「わたらせ渓谷鉄道」として出発。桐生から間藤(まとう)間約44kmを結び、単線で、この間に16の駅(ほとんどは無人)があり、車両は1、2両編成だ。一日往復11本、約一時間に1本走る。
渡良瀬渓谷沿いに伸びる線路はカーブが多く速度はゆっくりだ。清流と山々の緑や紅葉時には大間々−間藤間を観光用のトロッコ列車やお座敷列車などイベント列車が走る。とくに渓谷を緑や紅葉に染めるころは満員になるほどの人気で予約が必要だ。
/料金 乗車券の他500円 予約整理券は一ヶ月前より。
  JR東日本みどりの窓口及びお問い合わせは大間々駅へ、TEL 0277-72-1117
  大間々には駐車場がある 料金500円

渡良瀬渓谷
渡良瀬渓谷
渡良瀬渓谷
渡良瀬渓谷

●間藤(まとう)駅

わたらせ渓谷鉄道の終点で、以前は、この先2kmが終点だったという。現在の駅舎は平成6年(1994)に建てられた。半分は陶芸教室となっている。あたりが緑の森となったことから、この周辺でニホンカモシカを観ることもあるので「かもしかの見える駅」としてアピールしている。

わたらせ渓谷鉄道終点の間藤駅
わたらせ渓谷鉄道終点の間藤駅
間藤駅の時刻表。1日12本が走る
間藤駅の時刻表。1日12本が走る

●足尾駅

無人で昔の駅舎の雰囲気をとどめている。駅前には食品を売る店が一軒あるだけで、食堂などは車で5分ほどの国道沿いにある。
この足尾駅より国道122号線は大間々へと向かって渡良瀬渓谷沿いに下る。

足尾駅舎
足尾駅舎
懐かしいホームの時計、標高も書いてあった
懐かしいホームの時計、標高も書いてあった

●沢入(そうり)

このあたりの川の中に転がる白い大きな石は花崗岩(御影石)で、清流の澄んだ青い色とのコントラストの美しさは渡良瀬川独特のもの。濃い緑の中をカーブを描くローカル色豊かな線路もまた、わたらせ渓谷鉄道のなかで、もっとも絵になる風景といわれているところ。かつては産出された御影石も、銅とならんでこの鉄道で運ばれた。
渡良瀬川に沿った道
渡良瀬川に沿った道

大きな白い石の川に沿ってわたらせ渓谷鉄道は走る
大きな白い石の川に沿って
わたらせ渓谷鉄道は走る
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川沿いを走る、わたらせ渓谷鉄道の車両
川沿いを走る、わたらせ渓谷鉄道の車両

いま駅舎は無人だが、簡易郵便局と良寛書館が併設されている。列車の上下の交換駅でもある。ホームには紫陽花などが植えられ、線路上にもピンクや黄色い小さな花が咲き乱れていた。カメラスポットというところでもある。
1時間に一本の列車を待った。幸運にも約15分で、上り列車の音が、線路を伝わって聞こえてきた。
沢入(そうり)の薬師如来像。木製で
沢入(そうり)の薬師如来像。木製で

●草木ダムへ

草木ダム
草木ダム

利根川水系渡良瀬川の本流上部に、昭和52年(1977)に完成した、高さ140mの動式コンクリートダムで、人造湖は、最初はこのあたりの地名で神戸(ごうと)湖といった。反対運動や補償交渉が難航した中で、住民の提案により「草木ダム・草木湖」と改名された。
国道は、この湖に沿って走る。夏には湖上花火大会も行われ、豊かな水と緑、秋の紅葉を求めて、湖を含めた渡良瀬川沿線は、群馬県のなかでも有数の観光道路となっている。


●不動滝

わたらせ渓谷鉄道は、国道に沿うように山をくり抜いたトンネルを走るため、草木ダム湖は観ることができない。
一方、湖の対岸には、岸辺を縫うように県道343号線が走る。カーブの連続で道も狭いため注意が必要だが、湖を樹木越しに眺めながらゆっくり走る楽しさがある。

不動滝。紅葉時は見事だろう
不動滝。紅葉時は見事だろう
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不動滝上方の不動堂には大きな草履
不動滝上方の不動堂には
大きな草履


県道に架かる橋のたもとに“不動の滝”の表示と駐車場がある。車を駐めると滝の音が聞こえ、木で造られた遊歩道がある。これより約30m下ると、滝を正面から見る展望台に出る。ややオーバーハング気味の岩から、宙を舞うように一気に流れ落ちる滝、その落差約20m。
地元のガイドブックにもあまり紹介されていないこの見事な滝は、涼を求める夏もいいが、滝にかかる紅葉が色づくころには、もう一度訪れたいところでもある。滝を見渡す遊歩道の上には不動堂が祀られている。

●草木ダムの公園広場

壮大なコンクリートのダムを間近に観るところには、木工体験館である「わらべ工房」や「童謡ふるさと館」がある。
童謡ふるさと館は、旧東村花輪(草木ダム下)出身の作詞家石原和三郎(兎と亀・金太郎・花咲爺など作詞)の功績を顕彰として開設されたもの。400人収容の多目的ホールもある。
/入館料 200円、TEL 0277-97-3006

●水沼駅・温泉センターから大間々駅へ

再び国道へでると、神戸駅手前に古いトンネル跡を見つけ、車を駐めて歩いてみた。レンガ造りで長さ100mほどあり、その先には遊歩道があり、トンネルに沿って流れる川には、古いアーチ型の橋がかかっていた。

草木ダム下流はかつての足尾線トンネル、軌道敷きが遊歩道になっていた
草木ダム下流はかつての足尾線トンネル、
軌道敷きが遊歩道になっていた

草木ダム下流の遊歩道に架かるわらべ橋
草木ダム下流の遊歩道に
架かるわらべ橋


山里の静かな佇まいの中を走る鉄道に沿って約100m、水沼駅に着く。駅舎そのものが温泉施設で、宿泊設備はないが、食堂や売店もあり、一日ゆっくりくつろげる。
やがて、人家もまばらであった国道筋も、民家や工場、商店が見えてくると、間もなく道は町の中へと入っていく。そして わたらせ渓谷鉄道・大間々駅へと着いた。

下流は緩やかな河原に変わる
下流は緩やかな河原に変わる
水沼駅舎はそっくり温泉施設に変わっていた
水沼駅舎はそっくり温泉施設に
変わっていた


わたらせ鉄道の起点、大間々駅
わたらせ鉄道の起点、大間々駅
大間々駅
大間々駅



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日光市観光情報
日光市サイト内。エリア別情報の中に足尾町の観光情報やイベント情報などが含まれている。
わたらせ渓谷鐵道
時刻表や運賃表のほか、トロッコ列車や各駅の案内、沿線ガイドなどが見られる。

取材:2009年6月