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冬は南国 四国へ
お大師さんと巡る旅(前編)



弘法大師のふるさと

四国といえば霊場めぐり「お遍路さん」と徳島の「阿波踊り」を思う。白装束に杖、笠姿のいでたちで国道や旧道を歩く。弘法大師が故郷四国に八十八ヶ所の霊場を開いたといわれる「お大師さま」と同行の札所巡りの旅をする。

一番札所、霊山寺 平安時代末期には修行者によって行われた巡礼の旅も江戸時代には庶民の間に広まり盛んになったが、明治の「神仏分離令」で全国的に廃寺に追い込まれる寺が多く、四国八十八ヶ所札所もその例外ではなかった。しかし、戦後に再興した寺への巡礼はバブル崩壊後の現在、不確実な時代背景のよりどころを求めてか、札所めぐりをするお遍路さんの数も多くなったとか。
一方では「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃそんそん」と年に一回の夏の風物詩「阿波踊り」で賑わう。毎年8月に延べ百数十万人もが繰り出すというから大変な騒ぎだ。
静と動の世界、それが四国の魅力と言えよう。

大鳴門橋 その「お遍路さん」「阿波踊り」に代表される四国だが、人の世界が静と動なら、また自然の世界も同じ。鳴門海峡の渦潮や室戸岬からの太平洋や大歩危・小歩危、祖谷渓、平家一門の伝説のある剣山など風光明媚な名所もある。また、坂本龍馬の生誕地土佐の高知や藍染めの商いで名高い歴史名跡も数多い。
“南国土佐”という言葉に代表されるように冬でも暖かく、高い山を除いて降雪はほとんどない。そして東西南北を結ぶ高速道路の順次開通によって目的地への移動もとても便利になった。
四国東半分のドライブの旅をここでも2回に分けました。





<コース>
徳島空港(レンタカー利用)−(国道28号線)−鳴門−(徳島自動車道)−脇町−板野−徳島市−(国道55号線)−日和佐町−室戸岬−高知市−(高知自動車道)−大豊町−(国道32号線)−大歩危・小歩危・祖谷渓−池田町−(徳島自動車道)−徳島空港
全行程 約800km、5泊6日

ルート付近のリンクポイントをクリックしてみてください

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●徳島空港から徳島市内へ

羽田から徳島行きの全日空最終便に乗る。徳島空港に到着した頃には日もすっかり短くなった真冬の徳島の空は暗くなっていた。
ニッポンレンタカー徳島空港営業所でレンタカーを借り受ける。
市内までは約20km。第一日目は徳島市のホテル泊。
冬の旅は、午後4時には風も冷たくなるばかりか公園や博物館などが夕方4時〜5時には閉まるところが多いので、ちょっと贅沢だが目的地への玄関口で一泊した方がドライブには時間の余裕があって楽だ。

●脇町へ

「あのダイナミックな円を描いて渦巻く渦潮が見たい」−これが今回、この四国の旅へと誘われた最大の目的でもあった。
365日、いつでも海峡に大きな渦潮がみられるわけではない。月の満ち引きでその日の潮の流れが異なる。 渦潮の大きく見られる月、日、時は年によっても異なる。
問い合わせ/鳴門市商工観光課 TEL 088-684-1157

この日の大潮は午前8時頃と午後2時過ぎだった。そして午後の方が大きな渦潮が見られるとあって、その間に藍染め交易で栄えたという吉野川中流の城下町「脇町」を訪ねた。
徳島自動車道で約30km、脇町ICから2kmほど。案内板に従って行くと大きなスーパーがある。スーパーの前の橋を渡るとここから旧街並みに入る。この先は通行止めではないが旧街並みには駐車場がない。
「うだつ」の上がった脇町の町並み
「うだつ」の上がった脇町の町並み
「うだつ」のある家
「うだつ」のある家
天正13年(1585)阿波藩主蜂須賀家政に家老稲田植元がここ要塞脇城に移され、植元は藍作りを奨励した。脇町は藍の集計取引地として江戸時代から明治にかけて栄えた。そして明治の中頃には県では徳島、鳴門に次ぐ第三の町になっていた。
現在は430mの道筋の両側に江戸から大正半ば頃のうだつ造りの本瓦葺きに塗籠の壁の重厚な商家が続く。

脇町は“うだつの街並み”としてとくに名高い。
“うだつ”(卯建)とは、軒を連ねる隣家との境の妻壁の横に張り出し火災に備えた瓦屋根付きの火よけ壁のこと。
江戸時代、商人たちは競って“うだつ”を上げた立派な家を造った。いつまでもグズグズしていて一向に出世しないことなどを「うだつがあがらない」というが、その語源が納得させられる建物だ。
また、うだつの上げ方で時代がわかるという。
このうだつが50個ほど残る南町の街並みは国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。

●阿波の土柱

徳島自動車道脇町ICを出て右は脇町へ向かうが、左に6kmほどのところにある。
段丘の堅い土層が流水の浸食作用でできた土が柱状になった不思議な光景だ。
いまからおよそ130万年前、吉野川が現在の位置より150mほど高いところを流れていたという。
当時河床に堆積した砂礫が固まってできた地層で、雨水によって谷や溝が生まれ、それらが複雑に融合し柱状、突起状、筒状などの土柱を形成した。
層雲峡や昇仙峡に見るような風景だが、岩肌ではなく砂岩のような土であることが珍しい。
脇町の土柱。旧吉野川が作った
脇町の土柱
旧吉野川が作った


層の厚さは40〜80mに達している。脇町には広く分布しているが、見事な土柱が見られるのはここだけ。
駐車場があり、そこから徒歩10分。
問い合わせ/脇町商工観光課 TEL 0883-52-5608

●大鳴門橋

鳴門市は本州と四国を結ぶ三架橋の中でも大阪に最も近い「神戸淡路鳴門自動車道」に結ばれた四国の玄関口であり、お遍路さんの起点地でもあると同時に、豪快な渦潮で知られる町である。

大鳴門橋
大鳴門橋
明石市から淡路島を通り鳴門海峡をまたいで結ぶ神戸淡路鳴門自動車道は昭和60年(1985)に着工、約10年の歳月をかけて完成した。大鳴門橋は全長1629m、主塔高144mの長大な吊り橋だ。
この橋の下には潮の干満により大小無数の渦が巻き、大きいものでは直径20mを超えるものもある。
大鳴門橋の下部には延長450m、海面から約45mの海上遊歩道があり、足元から渦潮がのぞけるガラス張りの眺望床が8ヶ所ある。また、歩道の側面からはフェンス越しに鳴門海峡の全容も望める。
鳴門公園駐車場より徒歩5分。
/見物料 500円、TEL 0886-83-6262

○うず潮観潮船

今回の旅のハイライトともいえる渦潮見物は、その渦潮のまっただ中へ船で入るというスリリングな体験でもある。
鳴門側からは3つの会社が3ヶ所で運行している。それぞれ30〜40分おきに就航し、所要時間も30分程度だ。シーズン中は絶対に予約が必要と聞いたが、オフシーズンは団体客と一緒にならない限り予約なしでもOKとか。

この日の大潮の時間は午後2時40分。定員40名ほどの船には15人の客だった。渦潮は直径20mにも達することもあるということもあって、期待は高まる。
定刻の2時40分ちょうど、大鳴門橋の下にさしかかったとき、「ザ、ザ、ザッー」という大きな音とともに引き込まれるような潮の流れが大きな円を描いてやってきた。
それは一瞬の出来事だったが、これを合図のように船の周りは大小さまざまな渦が巻き、巻いたかと思うとサッーと流れて消える。船は左右に揺れながらもたくみに渦を避けながら舵を操る。
できては消える渦潮に歓声を上げているうちに30分という時間は終わったが、なかなか迫力のある壮大な海の舞踏会とでも言おうか。
鳴門の渦潮と大鳴門橋
鳴門の渦潮と大鳴門橋

このうず潮観潮船は毎日就航しているが、時間によっては渦潮が見られるとは限らない。また、水面下1mの展望室から海中の渦の様子が見られる観潮船もある。
問い合わせ/
・鳴門観光汽船 料金 1,530円、TEL 0886-87-0101
・うずしお汽船 料金 1,500円、TEL0886-87-0613
・水中観潮船アクアエディ 料金 2,200円、TEL 0886-87-2288
いずれも年中無休だが、天候によって運休される。

●霊山寺(りょうぜんじ)第一番札所

一番札所、霊山寺
一番札所、霊山寺
鳴門市から県道12号線で約8km、通りにほぼ面して風格のある仁王門が建つ。
弘仁6年(815)弘法大師は人の持つ八十八の煩悩をなくすため四国に八十八ヶ所の霊場をひらくため、この霊山寺を訪れて21日間の修法をした。
そのとき多くの菩薩が熱心に法に耳を傾けている光景が釈迦が説法されていたインドの霊鷲山(りょうじゅざん)の様子に似ていることから天竺の霊山を日本に移すという意味で、この名が付いた。

その後、仏教五穀の法則に従って、四国を右回りに巡る“お遍路道”とした。その一番札所として、今日まで約1200年の歴史がある。
これより四国八十八ヶ所を巡る旅支度の寺として、白装束、菅笠、袈裟、白地下足袋、金剛杖から経本まで、さまざまな巡拝用品を求め揃えられる。
この持ち物や服装には決まりはないが、“同行二人”と書かれたすべての品物は、巡礼者にとっては「お大師さま」とともにあるということで意味深い。
/TEL 0886-89-1111

●極楽寺(ごくらくじ)第二番札所

二番札所、極楽寺
二番札所、極楽寺
霊山寺から約1kmほどの並びに位置し、山に囲まれた静かなところにある。
第一札所同様、弘法大師が21日間修行をし、結願の日に現れた阿弥陀如来の姿を本尊とする。戦国時代に土佐の長宗我部氏によって火を放たれ焼失。万治2年(1659)に信者の努力で再建された本堂を今に残す。

境内には庭園があり大師堂、観音堂、大師お手植えの「長命杉」などもある。
/TEL 0886-89-1112

●金泉寺(こんせんじ)第三番札所

二番札所と並んで三番札所と、その距離わずかに西へ。聖武天皇勅願により天平年間(729)から20年の歳月をかけて建てられたが、大師堂以外は焼失し、現在の本堂もその後修復されたもの。

もとは金光明寺といわれたが、水不足に悩む民のため弘法大師が井戸を掘ると霊水がわき出したという。そこで金泉寺と改称した。
各地から学僧が集まり栄えたころは東門、南門があり皇室との関係もことのほか深かった。
平成8年に完成した朱塗りの仁王門をくぐると、広い境内には本堂をはじめ、大師堂や阿弥陀堂、観音堂などがある。
/TEL 0886-72-1087
三番札所、金泉寺の仁王様
三番札所、金泉寺の仁王様

●国道55号線を辿る

「お遍路さん」は第三番札所から西へと旅を続けるのだが、再び徳島市へと戻り、阿南市、日和佐町、東洋町そして室戸岬へと南下する国道55号線を走る。
吉野川を越えると間もなく第十八番札所恩山寺、第十九番の立江寺のある小松島市を過ぎる。ここよりお遍路さんは山へと向かう土佐中街道といったん別れ、55号線は日和佐の海岸へと出る。
この日和佐から室戸岬にかけては室戸阿南海岸国立公園である美しい海岸線が続く。またウミガメの産卵地としても有名だ。

●大浜海岸

一気に山を下り、日和佐の町を通り抜けると広い砂浜の海辺に出会う。
大きな入り江に円を描くように続く浜は日本の渚百選の一つ。
いまとくに有名なのは、ここがウミガメの産卵地だからでもある。数十年前までは日本の海岸線のどこででも見られた風景であり、温暖な地方ではウミガメの産卵など珍しい光景ではなかったはず。しかし、高速道路網からはずれた静かな海岸線でしか本来の自然に接することができなくなったのは残念だ。
5月中旬から8月にかけて産卵にやってくるウミガメの保護のため、この時期の砂浜へは夜間は立ち入り禁止となっている。冬の浜には人影もほとんどないが、シーズンには「ウミガメ祭」や子ガメの放流などのイベントもあり、観光客で賑わう。

ウミガメのことをいろいろ知りたい人には、海岸にウミガメ博物館「カレッタ」がある。カレッタとはこの浜に上陸するカメの学名。2億年もの歴史を持つカメの神秘と魅力や産卵や誕生のシーンなどが映像で紹介されている。
/入館料 600円、TEL 0884-77-1110

●薬王寺(やくおうじ)第二十三番札所

白装束に身を包み徒歩で行く巡礼者と再び出会う。もちろん同じ人たちではないが、心一つに通う巡礼者は、みな同じ。
日和佐の町はずれ、厄よけの祈願寺として弘法大師が開基した寺。現在も厄除けの寺として名が高い。
33段の女厄坂、42段の男厄坂をあがると本堂があり、本堂の右手には61段の還暦坂がある。自分の年だけ階段を杖でつつき、賽銭の小銭を一段一段に落として行くのが習わしだとか。
二十三番札所、薬王寺
二十三番札所、薬王寺

本堂あたりからは日和佐の町並みや大浜海岸が一望できる。
/TEL 0884-77-0023

●千羽海崖

千羽海崖の入り江
千羽海崖の入り江
日和佐から牟岐へと抜ける10kmほどの観光道路“南阿波サンライン”は、断崖や岩礁の複雑な海岸線を見下ろすように走る。
途中展望台が3ヶ所あり、2kmも続く断崖絶壁のダイナミックな眺めが楽しめる。

再び国道15号線へと合流した道は、海辺を一気に室戸岬へ。松林や砂浜の海岸線はやがて岩礁の浜へと変化しながら、大海原を友に快適なドライブウェイが続く。

台風の通り道といわれている室戸岬近くには屋根までもある高い石垣を巡らせた民家が点在する。暴風雨や高潮などを防いだ人々の知恵だが、いまではほとんど壊されこうした古い家造りは珍しくなっている、と地元の人の話。
軒まで風よけの石垣を積んだ室戸の民家
軒まで風よけの石垣を
積んだ室戸の民家


室戸岬に近い二つ岩(女夫岩)
室戸岬に近い二つ岩
(女夫岩)

岬の手前には巨大なローソクを二つ立てたような、その名も“二つ岩”が行く手を遮るようにそびえ立つ。
駐車場もあり、二つの岩へと続く遊歩道もあるが、現在は1つの岩の周辺が崩落したため立ち入り禁止になっていた。
この二つ岩から室戸岬はすぐそこだ。

●室戸岬

長い海岸線を走ってきた。奇怪な岩礁の連なるところに“室戸岬”の標識を見つけて、はじめてここが四国の東南端であることを知る。
道路地図で見るとV字の先端に岬があるが、実際には標識を目にしなければ通り過ぎてしまうだろう。
中岡慎太郎(幕末の土佐藩の志士、坂本龍馬とともに維新回天を目指し京都の近江屋で刺客の刃に倒れた)の銅像がある。
この足元から室戸岬の岩礁へと続く遊歩道が延びている。

室戸岬先端の岩
室戸岬先端の岩
岬の最先端へはゴツゴツとした大きな岩の重なる乱礁が約3km、太平洋の荒波が岩を噛むダイナミックでスリリングな岩礁づたいを歩く。文字通りの大岩が乱れる中、ところどころに亜熱帯性のアコウの木々が根を張り、厳しい自然に耐え生きる灌木の間には黄色い可憐な花も見る。


灯台は岩礁の岬にはなく、国道から室戸スカイラインを上った山の上にあった。直径260cmの日本一巨大なレンズ、光の強さは56km先の海上の船から見ることができるという。

室戸岬はまた弘法大師ゆかりの洞窟や霊場めぐりの寺もあり、多くの巡礼者にも出会う。

この項はひとまず岬に到達したことで終わりとし、後編は室戸岬から高知市を通り、四国の観光地大歩危、小歩危、祖谷渓などを訪ねます。
弘法大師が修行したといわれる室戸岬の岩屋
弘法大師が修行したと
いわれる室戸岬の岩屋





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瀬戸内海に架かるしまなみ海道、瀬戸大橋、明石海峡大橋・大鳴門橋の紹介と、周辺の観光ルート案内など。
徳島市
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鳴門NAVI(鳴門市)
鳴門市ホームページ内の観光案内。大鳴門橋のパノラマ映像や潮見表なども掲載されている。
室戸市
室戸市のサイト。弘法大師に関する情報をはじめ、道の駅「キラメッセ室戸」やホエールウォッチング案内など。

取材:2001年12月