浜名湖周遊ドライブ(1)〜直虎ゆかりの井伊谷を訪ねる〜

展望台から南を眺める。内浦湾に沿って、浜名湖パルパルの観覧車、門前通りのホテルなどが並ぶ。右手のこんもりした山が舘山 今年2017年のNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』は、戦国期の遠江国井伊谷(現・静岡県浜松市)が舞台。井伊谷は平安時代中期から代々井伊氏が治めていたが、群雄割拠する戦国時代にはさまざまな戦乱や政争に巻き込まれて、一族の男子を相次いで失ってしまう。唯一残された跡継ぎ・虎松はまだ幼く、そこで女ながらに後見人となり、一族を率いたのが井伊直虎である。
ドライブは、浜松市街を起点に北へと向かい、奥浜名湖エリアに位置する井伊谷へ。その後、浜名湖をぐるりと周遊して、浜松市街へ戻るコースをとった。途中、成人した虎松(井伊直政)が仕えた徳川家康によって築かれた「浜松城」や、この一帯の覇権を争った徳川・武田両軍の激戦地である「犀ヶ崖古戦場」や「三方ヶ原古戦場」などの史跡に立ち寄った。
また、浜名湖畔の「舘山寺温泉」にも足を延ばし、温泉街めぐりや湖畔の展望を満喫した。季節はまさに春真っ盛りという雰囲気で、行く先々で満開の桜やツツジなどの花々が出迎えてくれた。

ドライブルート

浜松市中心部−(中田島街道)−中田島―(中田島街道)−浜松市街−(国道152・257号線、県道305・48号線)−舘山寺温泉−(県道49・320号線)−井伊谷−(県道320号線)−気賀−(国道362号線、浜名湖レークサイドウェイ、国道301号線)−湖西市−(国道301・257号線)−浜松市中心部

全行程 約110km、今回 約40km

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ニッポンレンタカー浜松駅南口営業所

ニッポンレンタカー浜松駅南口営業所

中田島砂丘

今回車を借りたのは、JR浜松駅から徒歩2分ほどの距離にある「ニッポンレンタカー浜松駅南口営業所」。駅構内や周辺のいたるところでは、大河ドラマ『おんな城主 直虎』をPRする看板、ポスター、のぼりなどを目にすることができた。

  • JR浜松駅。駅の入口にも「井伊直虎」をPRする看板が

    JR浜松駅。駅の入口にも「井伊直虎」をPRする看板が

浜松市街から井伊谷へ向かうには車を北に走らせなければならないが、出発早々寄り道をすることに。中田島街道を南下して向かったのは「中田島砂丘」だ。
中田島砂丘は、遠州灘を望む海岸沿いに南北600m、東西4kmにわたって広がっている。ゆるやかに起伏しながら、どこまでも続く砂丘の景色は雄大で、その表面には海辺を渡る強風によって美しい風紋が描かれていた。
訪れたのは日中だったが、夕暮れどきにはあたりを真っ赤に染めながら太平洋に沈む夕陽を眺めることができるという。また、毎年春から夏にかけてアカウミガメが産卵のために砂浜に上陸してくるそうで、卵を保護するための囲いが海岸に設けられていた。

  • 中田島砂丘へは、中田島街道を南へ走る

    中田島砂丘へは、中田島街道を南へ走る

  • 砂丘の表面に風によって描かれた風紋

    砂丘の表面に風によって描かれた風紋

  • ゆるやかに起伏する中田島砂丘。右に見える柵は「堆砂垣」と呼ばれ、飛砂を抑えて、砂丘が痩せるのを防ぐ施設

    ゆるやかに起伏する中田島砂丘。右に見える柵は「堆砂垣」と呼ばれ、飛砂を抑えて、砂丘が痩せるのを防ぐ施設

浜松まつり会館

浜松まつり会館の入口

浜松まつり会館の入口

「浜松まつり会館」は、海岸沿いに整備された遠州灘海浜公園の一画にある。
浜松まつりは毎年5月3・4・5日に開催され、昼間に中田島砂丘で行われる凧揚げ合戦や、夜に市街地で繰り広げられる豪華絢爛な御殿屋台の引き回しが有名。その起源はおよそ450年前、室町時代後期の永禄年間(1558〜1569)にまで遡るといわれている。
館内の大凧展示室には、祭りの凧合戦で揚げられる巨大な凧を展示。その大きさは2帖〜10帖まであり、凧合戦に適しているという6帖で一辺2.9mもある。実際の祭りでは、参加170町の凧がいっせいに揚げられて、空が凧で埋め尽くされる勇壮な景色を目にすることができるそう。屋台展示室には、明治時代から現在までの御殿屋台がライトアップされて展示されていた。
/入館料 400円

  • 凧揚げ合戦の雰囲気を再現した、大凧展示室

    凧揚げ合戦の雰囲気を再現した、大凧展示室

  • 大河ドラマ放送を記念して制作された、井伊家の家紋や直虎の名前入りの大凧

    大河ドラマ放送を記念して制作された、
    井伊家の家紋や直虎の名前入りの大凧

  • 屋台展示室でライトアップされ展示された御殿屋台

    屋台展示室でライトアップされ展示された御殿屋台

浜松城

浜松城の復元天守と満開の桜

浜松城の復元天守と満開の桜

「浜松城」は徳川家康が遠江支配の拠点として築いた城で、元亀元年(1570)に入城。以後17年間にわたって家康の本城とされた。江戸時代には代々譜代の大名が城主となり、その中には老中、大坂城代、京都所司代など幕府の要職を務めた人物も多い。浜松城が“出世城”と呼ばれる所以もこうした歴史にある。
現在残っている天守は、昭和33年(1958)に再建されたもので、建物内には浜松城の歴史を紹介する史料や武具などが展示されていた。天守周辺の荒々しい野面積みの石垣は往時を偲ばせるもので、築かれた正確な年代はわかっていないが、二代目城主・堀尾吉晴のころ(1590年ごろ)だと言われている。
天守のまわりや徳川家康像が立つ本丸跡広場の桜は満開で、多くの観光客や花見客で賑わっていた。
/天守入城料 200円

  • 徳川家康像が立つ本丸跡広場を見下ろす

    徳川家康像が立つ本丸跡広場を見下ろす

  • 天守内に展示されていた、若きころの徳川家康像。さまざまな資料にあたって、できるだけリアルに再現したそう

    天守内に展示されていた、若きころの徳川家康像。
    さまざまな資料にあたって、できるだけ
    リアルに再現したそう

  • 天守最上階の展望室からの眺め

    天守最上階の展望室からの眺め

  • 左は平成26年(2014)に復元された天守門。荒々しい野面積みの石垣は16世紀ごろのものといわれている

    左は平成26年(2014)に復元された天守門。荒々しい野面積みの石垣は16世紀ごろのものといわれている

犀ヶ崖古戦場、犀ヶ崖資料館

のちに天下人となる徳川家康の人生観、戦観に多大な影響を与えたといわれているのが、元亀3年(1572)遠江に侵攻してきた武田軍と一戦を交え、惨敗を喫した三方ヶ原合戦である(同合戦の詳細は「三方ヶ原古戦場」の項を参照)。
犀ヶ崖は、三方ヶ原合戦後にこの付近で夜営する武田軍に徳川軍が夜襲をしかけ、人馬もろともに谷底へ追い落として大損害を与え、一矢報いた場所だと伝わる。史跡を示す石碑の裏側には、たしかに深い崖が続いていた。現在の崖の規模は、長さ約116m、幅約29〜34m、深さ約13mだが、合戦当時はその深さは40mもあったという。そばには平成27年(2015)にリニューアルオープンした「犀ヶ崖資料館」が建ち、館内では三方ヶ原合戦のジオラマなどを展示している。
/入館無料

  • 「三方原古戦場犀ヶ崖」の碑

    「三方原古戦場犀ヶ崖」の碑

  • 碑の裏側には、現在も深い崖が延びている

    碑の裏側には、現在も深い崖が延びている

  • 真新しい外観の犀ヶ崖資料館

    真新しい外観の犀ヶ崖資料館

  • 資料館の内部には、合戦の様子を再現したジオラマなどを展示

    資料館の内部には、合戦の様子を再現したジオラマなどを展示

エアパーク(航空自衛隊浜松広報館)

エアパークの外観

エアパークの外観

自衛隊関連の広報施設は日本各地にあるが(埼玉県「陸上自衛隊広報センター(りっくんランド)」、長崎県「海上自衛隊佐世保史料館」など)、航空自衛隊唯一の広報施設が浜松基地内の「エアパーク」である。
館内には、航空自衛隊の組織や活動を紹介するパネルのほか、戦闘機や各種機器類、パイロットの装備品、対空機関砲などの武器を展示。定員制の「全天周シアター」では、ドーム状の大スクリーンで迫力満点の飛行映像が上映されて、まるで自分が戦闘機のコックピットにいるかのような臨場感を味わえる。また、展示格納庫では実物の航空機19機(戦闘機、練習機、ヘリコプターなど)が展示され、そのうちの数機のコックピットには着座も可能。可動式のフライト・シミュレータに乗れば、パイロット気分を体験できる。
自衛隊の広報館というとどこか堅苦しいイメージをもつかもしれないが、エアパークは映像シアターやシミュレータ、実物の航空機の展示などがあり、テーマパークのような感覚で気軽に楽しむことができた。しかも、入館料がタダというのが嬉しい。
/入館無料

  • パネルなどによって、航空自衛隊の組織や活動を紹介

    パネルなどによって、航空自衛隊の組織や活動を紹介

  • 平成12年(2000)から航空自衛隊に配備されているF-2戦闘機のモックアップ(実物大の模型)

    平成12年(2000)から航空自衛隊に配備されている
    F-2戦闘機のモックアップ(実物大の模型)

  • 対空20ミリ2連砲。そのうしろに見えるのは、戦闘機に搭載されるロケット類

    対空20ミリ2連砲。そのうしろに見えるのは、
    戦闘機に搭載されるロケット類

  • 簡易シミュレータ。ちゃんと着陸させるのは意外と難しかった

    簡易シミュレータ。ちゃんと着陸させるのは意外と難しかった

  • F-104J戦闘機のコックピット。実際に座ることができる

    F-104J戦闘機のコックピット。実際に座ることができる

  • 実物の航空機を展示した「展示格納庫」。それぞれの機体に目を奪われて、つい長居をしてしまった

    実物の航空機を展示した「展示格納庫」。それぞれの機体に目を奪われて、つい長居をしてしまった

三方ヶ原古戦場

三方原墓園駐車場の隅に立つ「三方原古戦場」の碑

三方原墓園駐車場の隅に立つ「三方原古戦場」の碑

「三方ヶ原古戦場」の碑は、国道257号線沿いの三方原墓園の駐車場脇にひっそりと立っていた。
元亀3年(1572)、上洛を目指した武田信玄は、甲斐を出発して遠江に侵攻。いくつかの城を落としたのち、家康をおびき寄せるべく三方ヶ原に進んだ。一方の徳川家康は、当時31歳という若さゆえか、家臣の反対を押し切って浜松城を出て、武田軍のあとを追った。家康としては武田軍の背後を衝くつもりだったのだろうが、信玄の術中にまんまとはまってしまったわけだ。両軍は三方ヶ原で激突し、徳川軍は惨敗、総崩れとなって浜松城に退却した。これが三方ヶ原合戦の顛末である。
なお、この合戦は、浜松城の北方に広がる三方原台地で行われたのだが、両軍が戦った正確な場所はわかっていないという。

舘山寺温泉

地名の由来となった舘山寺の本堂

地名の由来となった舘山寺の本堂

ドライブ1日目の宿泊地は、浜名湖東岸の「舘山寺温泉」に宿をとった。この地に温泉が開湯したのは昭和33年(1958)と、それほど古くはない。ただ、それ以前から風光明媚な景勝地として知られており、多くの文人墨客が訪れて、詩歌や紀行文を残してきた。平安時代末期の歌人・西行法師もこの地を訪れて、歌を詠んでいる。現在は、浜名湖の内浦湾をぐるりと囲むようにホテルや旅館、食事処などが点在している。
温泉街のもっとも奥、急な石段を登った先には、地名の由来である寺院「舘山寺」が建っていた。創建は平安時代の弘仁元年(810)、弘法大師空海による。境内の縁結び堂は良縁成就のご利益があるとされて今も女性に人気で、心の文字に鍵の絵が描かれた絵馬が堂内を埋め尽くすように奉納されていた。寺の裏には山内を巡る遊歩道があり、富士見岩と呼ばれる展望台からは浜名湖の絶景を眼下に一望できた。

  • 舘山寺温泉へ向かう

    舘山寺温泉へ向かう

  • 舘山寺温泉の門前通りの入口。旅館や食事処が立ち並ぶこの通りの奥に舘山寺がある

    舘山寺温泉の門前通りの入口。旅館や食事処が
    立ち並ぶこの通りの奥に舘山寺がある

  • 本堂横の縁結地蔵尊。壁や軒下を埋め尽くすほどの絵馬が奉納されており、人気の高さがうかがえた

    本堂横の縁結地蔵尊。壁や軒下を埋め尽くすほどの絵馬が奉納されており、人気の高さがうかがえた

  • 舘山の展望台から浜名湖を眺める

    舘山の展望台から浜名湖を眺める

  • 浜名湖といえば、鰻! 温泉街には、鰻料理を出しているお店が何軒もあった

    浜名湖といえば、鰻! 温泉街には、鰻料理を
    出しているお店が何軒もあった

かんざんじロープウェイ

約4分間の空中散歩。眼下には浜名湖が広がる

約4分間の空中散歩。眼下には浜名湖が広がる

舘山寺温泉の北側にある標高113mの大草山からは温泉街と浜名湖を一望できる。大草山へは車でも登っていくことはできるが、せっかくなので「かんざんじロープウェイ」で向かうことにした。
かんざんじロープウェイは日本で唯一の湖上を渡るロープウェイで、内浦湾南岸と大草山の山頂を約4分で結んでいる。訪れた日はちょうど天気も良く、ゴンドラからは見渡すかぎりに広がる青い湖と湖畔の絶景を眺めることができた。浜名湖は日本で10番目に大きい湖で、その広大さゆえだろう、湖の対岸は遥か遠くにかすんで見えた。
ロープウェイ大草山駅がある建物内には、売店のほか、約70点の貴重なオルゴールが一堂に展示された「浜名湖オルゴールミュージアム」も併設されていた。屋上は展望台となっており、南側の浜名湖方面はもちろん、これから向かう北側の井伊谷方面の景色も眺めることができ、360度の大パノラマを楽しめた。
/往復料金 820円

  • ロープウェイ乗り場。すぐ隣には遊園地「浜名湖パルパル」がある

    ロープウェイ乗り場。すぐ隣には遊園地「浜名湖パルパル」がある

  • 大草山展望台。毎時00分にはカリヨン(組鐘)の美しい音色が響く

    大草山展望台。毎時00分にはカリヨン(組鐘)の美しい音色が響く

  • 展望台から南を眺める。内浦湾に沿って、浜名湖パルパルの観覧車、門前通りのホテルなどが並ぶ。右手のこんもりした山が舘山

    展望台から南を眺める。内浦湾に沿って、浜名湖パルパルの観覧車、
    門前通りのホテルなどが並ぶ。右手のこんもりした山が舘山

  • 北側の眺め。東名高速道路より北は奥浜名湖と呼ばれ、右手奥に見える山の麓あたりが井伊谷

    北側の眺め。東名高速道路より北は奥浜名湖と呼ばれ、
    右手奥に見える山の麓あたりが井伊谷

  • 建物を出て、大草山周辺の山道を散策することもできる

    建物を出て、大草山周辺の山道を散策することもできる

はままつフラワーパーク

「はままつフラワーパーク」は、約30万m2の広大な敷地に3,000種もの植物を栽培。四季を通じて、さまざまな花々と出会える花のテーマパークだ。
4月中旬は、桜とチューリップの共演が楽しめるということで、平日にもかかわらず多くの観光客が訪れていた。実際、園内北側の「世界一美しい『桜とチューリップの庭園』」では、池のほとりに色とりどりのチューリップと満開の桜が咲き誇り、「世界一美しい」という謳い文句にも思わず納得。たくさんの人たちが通りを散策したり、花の写真を撮ったり、芝生に座ってピクニックをしたりと、あたたかな陽気に包まれながら思い思いに春のひとときを満喫していた。フラワーパークではほかにも、5月にはバラ、6月にはアジサイや花しょうぶ、10月にはアメジストセージ、1月には菜の花などが見られるという。また、大温室「クリスタルパレス」では、そのときどきのテーマにあわせた花々のほか、サボテンや熱帯の植物を展示していた。
/入園料 3〜6月 600〜1,000円、7〜9月 無料、10〜2月 500円(季節によって変動)

  • 赤、ピンク、黄色、オレンジなど色とりどりのチューリップが見事に咲き誇っていた

    赤、ピンク、黄色、オレンジなど色とりどりの
    チューリップが見事に咲き誇っていた

  • 通路に沿ってどこまでも続く、桜の並木とチューリップの花畑

    通路に沿ってどこまでも続く、桜の並木とチューリップの花畑

  • 池のほとりに広がる「世界一美しい『桜とチューリップの庭園』」

    池のほとりに広がる「世界一美しい『桜とチューリップの庭園』」

  • 大温室「クリスタルパレス」内では、熱帯の植物などを展示

    大温室「クリスタルパレス」内では、熱帯の植物などを展示

  • いろいろな大きさや形のサボテンも

    いろいろな大きさや形のサボテンも

ニッポンレンタカーの車種・料金

詳しくは車種・料金一覧表をご覧ください。

静岡県内のニッポンレンタカー営業所

ニッポンレンタカー ホームページの営業所検索で、静岡県の営業所リストをご覧いただけます。

浜松・浜名湖観光情報サイト〜浜松だいすきネット〜
浜松市の観光や宿泊などの施設スポット検索、観光モデルコースなどを紹介。フォトギャラリーも見られる。
浜名湖かんざんじ温泉観光協会
浜名湖や舘山寺温泉の見どころやイベント、宿泊、グルメ情報などのほか、動画も掲載している。

記事・写真:谷山宏典 取材:2017年4月

  • ※ドライブコースの情報はそれぞれの記事の取材時点のものです。