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久能山から身延山へ



身延山三門 静岡の久能山といえば徳川家康公の墓所東照宮であり、富士川を遡り山梨県へと辿れば日蓮宗の総本山身延山久遠寺だ。ともに日本屈指の宮と寺、その関連性はないが、観光と信仰の地として一度は訪れてみたいところ。
また現在工事中の静岡県(清水市)と山梨県(韮崎市)を結ぶ中部横断道路とほぼ平行して走る国道52号線沿いは、南アルプスと富士山麓にはさまれた豊かな自然に恵まれ、風光明媚な富士川沿いを走る道は快適なドライブコースでもある。





<コース>
東名高速道路−清水IC−(国道150号線)−三保の松原−久能山東照宮−焼津(泊)−清水市−(国道1号線)−南部町−身延山−(国道300号線)−下部温泉(泊)−本栖湖−精進湖−河口湖−富士吉田−中央自動車道
全行程 約350km、2泊3日

ルート付近のリンクポイントをクリックしてみてください

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今年の桜はどこも例年より2週間以上も早く満開を迎え、早くも新緑の季節となった4月下旬、天気は下り坂との予報を気にしながらお昼少し前に東京を出発。
予想に反して東名足柄SAで、残雪の富士の全容を仰ぐ。

●三保の松原

清水ICを出て国道150号線を辿る。小さな漁船が沢山停泊する清水港を見ながら、三保へと急ぐ。
駿河湾に突きだした三保の岬は天女の羽衣伝説で名高い名所。松林の中の駐車場に車を止め、徒歩10分ほどで海岸と青松の林に出会う。中でもひときわ大きく枝を伸ばした一本の松こそ天女が羽衣を掛けたと伝えられる“天女の松”だ。
羽衣の松(三保の松原)
羽衣の松(三保の松原)

これより東の岬へと続く約5kmの砂浜と松林は天然の防波堤の役目を果たしてきた。またここから眺める富士の山は天下一品とも言われ、万葉の昔から詩に詠まれ、絵に描かれてきた風景である。
好天とはいえないが、春霞みに浮かぶ秀麗富士の姿に感嘆。ただし、かなり性能のよいデジカメを駆使しても肉眼で眺める富士山にはやはりかなわず、この絶景をネットを通してお見せできないのは残念である。

イチゴはビニールハウスで栽培されている
イチゴはビニールハウスで
栽培されている

三保の松原を愛でたあと国道150線沿いを西へ。
このあたりは静岡の石垣いちごの産地だが、ビニールハウス内のいちごのシーズンは1〜2月がピークとか。4月も下旬となると、ハウスの中に残るいちごもわずかだった。

久能山東照宮はこのいちご畑をはさんで参道が続く。

●久能山東照宮

清水市と焼津市のほぼ中間、標高270mの久能山は推古天皇の時代(西暦600年ころ)久能忠仁が山を開き、一寺を建て観音菩薩を安置した。その名を“補陀落山久能寺”といい、これが久能山のはじまりという。

当時は僧行基をはじめ多くの名僧が住み、330もの坊も建ち並び隆盛を誇っていた。しかし、開山から約600年後の嘉禄年間、山麓の失火で類焼した。
その後、武田信玄が久能寺を近くに移し、その跡に砦城を築いて久能城としていたが、天正10年(1582)武田が滅びると、この駿河一帯は徳川の領土となった。
元和2年(1616)4月17日、75歳でこの世を去った家康は自らの遺言により久能山に、その夜の内に埋葬された。久能城を廃して、東照宮を建立し今日に至っている。

現在の参拝者の多くは清水市の日本平パークウェイを通り、日本平からロープウェイで一気に東照宮まで上るが、表参道は国道150号線沿いにある。
昔は太平洋の波打ち際に参道があったとか。今は国道からいちご畑を少し入ったところに駐車場とみやげ物屋が数件あり、これより一ノ鳥居をくぐると1157段の階段の参道が続く。

神社仏閣はやはり苦難の道を歩いてこそ、その御利益もあるというものとばかりこの長い石段を上る。
ジグザグと続く階段に歩を運び、一息入れる度に眼下に広がる駿河湾と伊豆半島が大きく望め、汗ばんだ体に新緑に吹く風が心地よい。
山の長い石段下にイチゴ畑が…
山の長い石段下にイチゴ畑が…

本宮から楼門(正面)と鼓楼(左)
本宮から楼門(正面)と鼓楼(左)
東照宮は家康の死後一ヶ月後の5月に二代目秀忠によって着工され、わずか1年7ヶ月という短期間で建造された。
後の三代将軍家光が建造した日光東照宮とは比較にならないほど質素だが、彫刻、模様、組物は桃山時代の技法も取り入れられている。

江戸時代初期の代表建築として高い評価をされ、明治45年に国宝に指定された。また久能山全体も昭和35年に国の史跡に指定された。

1157段を上りきったところには重要文化財の楼門があり、後水尾天皇の筆跡の「東照大権現」の額がかかげられ、左右には極彩色の狛犬と獅子が据えてある。

さらに数段の石段を上ると御社殿がある。
元和3年(1617)に造営された権現造りの拝殿、石の間、本殿の三棟からなり、建物や牡丹に唐獅子、花鳥といった彫刻など極彩色を施し、後の日光東照宮の基礎となった様子がうかがえる。
楼門には東照大権現の文字
楼門には東照大権現の文字

徳川家康の墓所
徳川家康の墓所
この本殿のさらに奥、またまた数十段の階段を上った上には家康の墓所がある。西向きに建てられた塔の高さは5.5mという日光東照宮の家康の墓所より幾分小さめだが、遺骨が埋葬されている。日光の墓所は神となった家康の魂が祭られているという。

歴史上の偉大な人の多くが複数の墓所を持つことは珍しくない。後の人々によって由来ある土地に墓地がつくられることが多いからだ。


○久能山東照宮博物館

家康の死後東照宮に納められた家康の遺品類、江戸城内に保管されていた歴代将軍の武具類や大名たちが寄進した刀剣類、徳川家に由来のある人々が奉納した書画などが約2000点収蔵されている。もちろん国宝重要文化財も多く博物館としても歴史的価値の優れたものばかりだ。ぜひ見逃さないようにしたい。
問い合わせ/久能山東照宮 TEL 054-237-2438
入館料/東照宮拝観料共通 650円

焼津港を見下ろす温泉ホテルに宿をとった翌日、興津まで戻り、国道52号線を北上、身延山へと向かう。

興津より約20kmで富士川へ出会う。この富士川をはさんで富沢町、南部町、身延町と豊かな自然を舞台にスポーツ施設、キャンプ場、散策コースや温泉そのほか季節のイベントなどが行われている。
JR身延線井出駅付近から富士川支流の福士川の奥に最近温泉が湧いた。富沢町の町営「奥山温泉」は男女別室内浴場と露天風呂があり、入浴と休憩を含めて1,500円で一日温泉三昧が楽しめる。また宿泊設備もあり大人ひとり2,100円の低料金だ。ただし、自炊に限る。
問い合わせ/富沢町管理事務所 TEL 0556-66-2745

●南部町

富沢町の隣南部町もまた富士川をはさんで山と清流の自然が存分に楽しめる町だ。また南部町は奥州南部氏の発祥に地としても知られ、南部氏一族の墓石碑、一族の守護神として祭られた新羅神社なども残る。
8月15日にはお盆の送り火と川供養、稲の虫送りの意味として行われる儀式「南部の火祭り」がある。大松明、燈籠流し、百八つの煩悩を断つと言われる富士川の両岸2kmにわたって薪が燃え上がる川を舞台にした炎の饗宴が夜空を焦がす祭りが行われる。

温泉も数ヵ所あり、自噴の湯で“お湯がいい”との地元の人の紹介で訪ねた温泉は佐野川温泉。富士川を渡った県道10号線の奥、もう道も途切れそうな山道の行き止まりに湯治場のような平屋建ての一軒家。天然の硫黄温泉が岩間より湧く。
新緑の中、清流の音と鳥の声を目に耳に露天風呂に浸かる。1泊2食付きで9,350円と1万円でおつりがくる山の宿だ。
問い合わせ/佐野川温泉 TEL 0556-67-3216

そのほか、国道近くには平成11年にオープンした町営「なんぶの湯」がある。露天風呂、打たせ湯、ジャグジーも備えた湯量豊富なアルカリ性単純温泉は入浴料500円。休憩所、レストランの設備もあり県外からわざわざ訪ねる人も多いとか。
問い合わせ/南部町役場 TEL 0556-64-3111

●身延山

南部町の隣、身延山は信仰の町だ。県道10号線沿いの町は白壁に黒瓦の昔風をデザインした街並みが真新しく造り変えられていた。
富士川を渡り国道52号線沿いには寛文5年(1665)に建立された総門が立つ。この門をくぐることによって仏の道が開けるという。日蓮聖人が身延入山への第一歩を記したところという。この総門をくぐると、参道は急な上り坂となり山門へは土産物店が並ぶ。

身延山三門
身延山三門
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大きな門、三門の前に出る。圧倒されるような巨大な門は総ケヤキ造りで高さ21m、奥行き16mに建立したもの。
山門は寛永19年(1642)に建てられたが焼失し、現在のものは明治40年(1907)に再建されたもの。
重層かつ巨大な山門が俗塵を押しとどめているかのように、厳かな雰囲気の石畳の先には鬱蒼とした樹木の中、天まで届きそうな急な石段が続く。

その段の数287段だ。まさに信仰に道は苦行の道であることを教えられる長い階段である。荒行の山として知られる身延山へは、やはりこの石段をのぼってこそだ。

大本堂や祖師堂、大客殿、御真骨堂などの大伽藍は、この石段の上にある。この階段に沿って登山路もある。またいくつもの宿坊の脇には道路もあり、この大伽藍近くまで車でも行ける。駐車場もあるので誰でも大伽藍が連なる境内に行くことができる。この日蓮宗の総本山寺は、文永11年(1274)開山された。

この先標高1153mの奥の院へは、大本堂の境内からロープウェイで結ばれている。所要時間7分。身延の町を一望し、晴れた日には富士山をはじめ、遠く駿河湾も見渡せる。 山頂の奥の院へはもちろん苦行の道もあり、約2時間30分を要する。

三門へ戻って身延川上流へと上れば、日蓮聖人の廟所がある。「いづくにて死に候とも墓おば身延の澤にせさせ候べく候」とあり 、武蔵の国池上(現在の東京都大田区池上)で61歳の生涯を閉じた聖人の墓がここにある。
隣接した墓地には戦国時代の武将の奥方の墓もある。
問い合わせ/身延町観光協会 TEL 0556-62-0502

●下部温泉

信州及び甲斐の国にいくつもあるといわれる武田信玄の隠し湯の一つ。
身延山より約20分、国道300号線沿いにあるホテル・旅館が20数件もある谷あいの温泉街だ。

お湯は信玄のころはアルカリ単純温泉だけだったらしいが、近年ボーリングで硫黄温泉が湧出したとか。
ぬるめのお湯だが、それだけにゆっくり長風呂が楽しめる。
新緑とアカマツ林の緑に囲まれた静かな温泉街だ。

この下部温泉より一気に山を上ると、約20kmで富士五湖の一つ本栖湖に出る。
温泉で休んだ翌日は本栖湖を一周し、精進湖を眺め、河口湖で遊びながらのドライブだ。
下部温泉
下部温泉

下部から本栖湖への道
下部から本栖湖への道
(画像をクリックすると拡大写真が表示されます)

霧の河口湖
霧の河口湖
河口湖のハーブ園前
河口湖のハーブ園前
夏には込み合う富士五湖周辺も、梅雨前のこの時期は観光客も少ない。まばゆいばかりの新緑とさわやかな空気の中、ゆっくりとドライブが楽しめる。



○ニッポンレンタカーの車種・料金

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○静岡県・山梨県内のニッポンレンタカー営業所

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清水市観光協会
三保の松原や久能山東照宮をはじめとしたみどころの紹介や宿泊施設、イベント情報など。
河口湖町観光課
美術館・博物館などの観光スポットや花の見頃情報、宿泊情報のほか富士山生中継画像もある。

取材:2002年4月