ラリージャパン 写真で見る観戦記

ドライブライン

台風17号と18号の合間に晴れた5日間、日本で初めてのWRC(世界ラリー選手権)が北海道十勝地方で開催された。
好天に恵まれた十勝に延べ21万人の観戦者を集め、世界最高の走りを見せたWRカーに歓声をあげた人々が去ったいま、秋は早足で通り過ぎていくだろう。
その前にもう一度、爆音をたて猛スピードで目の前を走っていったクルマたち、そしてそれらを応援し、興奮、そして感動の中にいたあの日のことを写真を見ながら思い出してみよう。


喜びのソルベルグ一家(中央:オリバー君=2歳、右:パネラ夫人)
喜びのソルベルグ一家
(中央:オリバー君=2歳、右:パネラ夫人)

帯広市内のロバンペラ(プジョー)
帯広市内のロバンペラ(プジョー)

疾走するスバル
疾走するスバル

北海道へのフライトは帯広はもちろんのこと釧路、女満別、千歳への着便はどれも満員。各国のラリーチームとその関係者だけでも1500人とか。開催者や観戦者などでホテルはすべて満員で釧路、旭川 といったところにも人々はあふれた。各会場や町の駐車場はレンタカーで占められていた。

ドライブライン

◇セレモニアスタート

帯広駅から北へ延びるメインストリートがその会場だ。WRカーをはじめクラス別に分かれたエントリー車90台、それぞれのドライバーとナビゲーターが紹介される。九州から北海道地区のナンバープレートをつけたクルマがあり、日本全国から集まったクルマ好きの晴れ舞台だ。
駅へと続く300mもの沿道を埋めたファンや観客、7万人に見送られて、これから3日間の競技に向かう。どの顔も喜びと自信に満ちていた。

セレモニアスタートのソルベルグ(スバル)
セレモニアスタートのソルベルグ(スバル)
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ニッポンレンタカーが提供したスバルはオフィシャルカーで活躍した
ニッポンレンタカーが提供したスバルは
オフィシャルカーで活躍した


バスの側面に出現したスバル。タイヤと車体のバランスも絶妙のデキ
バスの側面に出現したスバル。
タイヤと車体のバランスも絶妙のデキ

帯広名物、豚丼の前は行列
帯広名物、豚丼の前は行列

◇サービスパーク

帯広駅から約5km南、北愛国に作られたマシンを修復するスペース。競技中にマシンの整備を行うところだ。
基本的には20分ときめられた僅かな時間にSS(競技区間)を走りダメージがあった箇所を修理するメカニックたちの活躍の場所だ。短時間にギヤボックスまで積み換えてしまう大修理もこなす。こうした素早く正確な修理を遂げるメカニックたちの腕とチームワークをみているだけで興奮してしまう。
WRカー・ワークスチーム8台と他にクラスが異なるクルマが82台がエントリーしたサービスパークは連日観客でおおいに賑わった。

サービスパークで車を待つ人たち
サービスパークで車を待つ人たち
サービスに戻ったスバルを歓迎するファンの列
サービスに戻ったスバルを歓迎するファンの列

◇スーパースペシャルステージ・札内

帯広の東、札内の河川敷に設けられたコースには観戦用スタンドいっぱい(約8000人)を集めて2kmを2台のクルマで競う。ショー的要素が強いが、疾走する世界の走りを目の当たりにできるので、どこの国でも人気だ。
立体交差するために設けられたジャンプ台をクルマが飛ぶときは、いっせいに歓声があがった。このステージは毎日1回行われ、約2万4000の観客を魅了した。
札内河川敷のスーパースペシャルは連日満員
札内河川敷のスーパースペシャルは連日満員
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SSを走るスバルのヒルボネン
SSを走るスバルのヒルボネン
SSを走るサインツのシトロエン
SSを走るサインツのシトロエン

◇リエゾン(移動区間)陸別へ

移動区間のマルティン(フォード)
移動区間のマルティン(フォード)
SS(競技区間)とSSの間、またはサービスパークからSSまでの移動区間をリエゾンという。
この移動区間を走るラリー車は一般車と同じ道路交通規則を守って走る。
リエゾンでは沿道でラリーカーに手を振ればドライバーが応えてくれることもあったりする。また自分が運転するクルマとすれ違ったり、一緒に走ることもできる。

帯広から陸別までは200km近くあり、途中、池田から足寄までの約60kmを高速道路を使用。
2ヶ月前にはこの60kmの距離を走る間、対向車に2台しか出合わなかったが、ラリー中は開通以来の交通量だと、料金所の人は笑っていた。
一般路の沿道にはラリー車を観ようという人や応援する人がどこまでも続いていた。
ラリー・コースのすぐそばではジャガイモの収穫
ラリー・コースのすぐそばではジャガイモの収穫

足寄駅前でラリー車を待つファン
足寄駅前でラリー車を待つファン
足寄の町中は信号待ちでラリーカーも苦闘
足寄の町中は信号待ちでラリーカーも苦闘

◇陸別スペシャルステージ

陸別の町はずれにあるダートコース・サーキットに林道を加えたSS2、80kmステージは2日にわたり1日2回行われた。
サーキットを利用したことで迫力のある走りを1回7000人、2日で2万8000人が、砂煙をあげてアピンカーブや坂道を猛進するマシンに大歓声を上げた。とくに林間コースでは飛び散る石や砂をあびるほど間近で疾走するマシンの迫力に観客は大喜びだった。

陸別サーキットは連日、観衆がいっぱい
陸別サーキットは連日、観衆がいっぱい
林間の観戦は快適(陸別で)
林間の観戦は快適(陸別で)

この他、新得では3日目にSSが行われ、ペター・ソルベルグ(スバル)が栄冠を勝ち取った。
沿道を埋めた地元の人々、SSを見に集まった観客の行儀のよさや親切さ、ゴミのない町のきれいなこと、またなんといっても食べ物のおいしいこと、そして深夜まで営業している帯広の商店やコンビニの便利さに、多くの外国人は喜び、驚いていたのも印象的だった。

ソルベルグ(スバル)極限のコーナリング
ソルベルグ(スバル)極限のコーナリング
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プジョーのグロンホルム。307の走りは不発に終わった
プジョーのグロンホルム。
307の走りは不発に終わった


深い森から飛び出すロバンペラのプジョー
深い森から飛び出すロバンペラのプジョー
マルティン(フォード)は3位でフィニッシュ
マルティン(フォード)は3位でフィニッシュ

このWRCが開催された経済効果は100億円ともいわれ、とくに人口3100人の陸別では3日間で約3万人近い人が訪れたことに町をあげて喜んでいた。
「来年も来てください」とダンボールを広げて書かれた手書きのメッセージは素朴な十勝の人々の気持ちが伝わってくる楽しいラリーであった。

翻る国旗(左から3位マルティン=エストニア、1位ソルベルグ=ノルウェー、2位ローブ=フランス、メーカー勝利の日本)
翻る国旗(左から
3位マルティン=エストニア、
1位ソルベルグ=ノルウェー)、
2位ローブ=フランス、
メーカー勝利の日本)

優勝したソルベルグは表彰台で車にキッス
優勝したソルベルグは
表彰台で車にキッス

フォードのマルティン(右)は3位
フォードのマルティン(右)は3位

握手でファンサービスするソルベルグ
握手でファンサービスするソルベルグ
2位のローブ(シトロエン)。今年のタイトル獲得へ最短距離にいる
2位のローブ(シトロエン)。
今年のタイトル獲得へ最短距離にいる


同乗走行に緊張気味の定岡正二さんとソルベルグ
同乗走行に緊張気味の定岡正二さんとソルベルグ
同乗走行でドリフトを披露するソルベルグ。定岡さんは大喜びだ
同乗走行でドリフトを披露するソルベルグ。
定岡さんは大喜びだ


マキネンを中心に日本人トップの新井と握手する定岡さん
マキネンを中心に日本人トップの
新井と握手する定岡さん



中島祥和
取材:2004年9月


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■ドライブガイド「ラリージャパンがやってくる!」(2004/6〜8)
■ドライブガイド「北海道・十勝地方(1)」(2004/6)
■ドライブガイド「北海道・十勝地方(2)」(2004/6)
■ドライブガイド「北海道・十勝地方(3)」(2004/7)