伊豆大島(1)いまが見ごろの椿の花

“大島椿まつり”が3月28日まで行われている。早春の花、椿は早いものでは11月から咲き始めるというが、日差しが明るくなった2〜3月下旬が見ごろ。
椿はなんと花の命が長いものと思っていたが、品種によって咲く時期が異なるのだという。大島はその椿の品種と本数の多さでは日本一。
島自慢の「大島公園」には園芸品種および自生種約9,000本の椿が、それぞれの美を誇りながら次々と花を咲かせている。
大島へのアクセスはいろいろある。東京湾竹芝桟橋から約120km。直行便、高速艇で1時間45分。久里浜経由で約1時間50分、熱海や伊東などからも便がある。
またゆっくり船旅を楽しむ夜行便の船の他、羽田線−大島、調布−大島間の飛行機もあり、予定に合わせることができる。
しかし、島内の足となるとツアーバス、タクシーの他、路線バスもあるが時間や乗り換えなどで計画が立てにくい。そこでなんといっても、レンタカーが便利だ。
島の船着き場は主な発着は元町港だが、天候によっては岡田港となる。
いずれも当日の朝には発着港が島内全域に知らされる。元町と岡田港間は約8kmだがレンタカーはその日に着く港に配備されるから安心だ。
今回の伊豆大島は、(1)“いまが見ごろの椿の花 ” と(2)“大島一周みどころ”と2回に分けた。

<コース>
岡田港−大島公園−波浮港−元町港−三原山−野田浜−岡田港
行程 約80km、1泊2日
<ルート付近のリンクポイントをクリックしてみてください>
●岡田港より大島公園(椿園)
 東京港・竹芝桟橋から大島へ
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まだ冷たい風の吹く竹芝桟橋から午前8時30分出航の高速艇に乗った。
レインボーブリッジの下をくぐり、羽田空港から発着する飛行機を眺めながらの船出だったが、東京湾を出るころには海は白波を立てて荒れていた。
この日は晴天だったが強風のため岡田港に着岸した。
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 椿園からの海
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 青空に椿の赤がくっきり
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予約したレンタカーで大島一周道路(島一周約50km)を東へと辿る。間もなく「汐吹き鼻」の小さな標識を見つけた。数軒の民家近くに車をとめ、岩礁の連なる海辺へ出た。強風にあおられた荒波が岩のすき間から吹き上げるはずだが、西風のため汐を吹き上げるほどの波はなかった。
このあたりの一周道路、泉津付近は「椿トンネル」という名が付いているが、花は少なく鬱蒼とした樹木の道という印象だった。後で知ったことだが、自生種であるヤブツバキは椿油をとるもの。また大きくなりすぎた木は、あまり花をつけなくなるとか。
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 谷間から海が光った
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 椿の深い森には暖かい日差しが
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大島公園には椿園をはじめ動物園があり、房総半島を望む広々としたところには亜熱帯植物や伊豆諸島の植物などが植えられている。総面積は22fもあり、椿園だけでも東京ドームの1.5倍の広さがある。
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●椿園
園芸品種約450本、自生種のヤブツバキ約5,000種3,700本が植えられている日本で最大規模のもの。
もともと大島にはヤブツバキが自生していた。その種から絞った油をとるために、雑木林を椿だけ残し、他は伐採した一般的な栽培方法がとられていた。すでに8世紀ころから椿油が作られ、日本人の黒髪にはなくてはならないものといわれるほど人々に愛用されていた。
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そして室町時代には園芸としての椿の栽培がはじまり、江戸時代には盛んとなった。とくに江戸が東京となったころ埼玉県川口市安行がその中心となり、昭和15年には安行から椿の苗木を移植した。
そして昭和32年、その苗木のうち100種を移植栽培したのが、椿園のはじまりである。椿油としての需要が少なくなったいまは鑑賞用の椿が植えられ、観光客を集めている。
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 椿園にはさまざまな椿が集められている
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「椿まつり」の行われている園内では大島民謡などの郷土芸能が披露されたり、椿油や海の幸などを売る店が出たり、椿園内をボランティアガイドが案内などをしてくれる。
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 大島民謡を踊る
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 椿まつりの出店は昔ながらの椿油もあった
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万葉の昔から愛され育まれてきた椿、その間、品種改良されたり、各地から集めた多種多様な花が園内を飾る。
また世界に分布するさまざまな外来種を集めた「展示温室」は、薄いピンクの“貴宝殿”、やわらかいピンク色した“天香”、あずき色のブラックオパールなどの名を持つ椿というよりボタンやバラかと思うような花びらが重なり合い気品に満ちたものもある。
一重の花びら、しゃくなげのような花、白と赤のまだらの花、黄色のはなびらを持つ可憐な花もある。
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もともと日本に自生していた赤いはなびらに黄色い大きなおしべの、ヤブツバキの他にこれほどまでの美しい品種があることを知り、それぞれが精いっぱい咲いたあとポトリと地面に落ちる花の、なんといさぎよいことか。そして大地を花で埋め、やがて色あせていく。
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園内には資料館もある。日本の椿、世界の椿などの分布図をはじめ園内に咲く椿が生花の切り花だけでも60種の他、ドライフラワーが数十種展示されている。他にも椿に関する資料が数多くある。
この大島公園は東京都の公園だ。椿園を含めて入場は無料。公園内には大島桜もあり、いま満開の花をつけていた。
/問い合わせ
大島町泉津 TEL 0499-22-9111
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取材:2004年2月
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