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“いま沖縄が熱い”本島一周の旅(3)
“いま沖縄が熱い”本島一周の旅(3)
沖縄本島南部
沖縄本島南部といえば、第二次世界大戦で日本軍だけでなく、多くの住民被害者を出した激戦地。「ひめゆりの塔 」はじめ数々の慰霊塔は戦争の悲惨さと平和の幸せを実感するところだ。
また、南部には戦跡とは別に、沖縄の歴史を語る城跡や古い家屋、いくつもの美しいビーチなどのみどころもある。
<コース>
那覇市−(国道331号線)−糸満市−ひめゆりの塔−平和祈念公園−具志頭村−知念村−与那原町−(国道329号線)−中城村(あるいは高速道路北中城IC)−那覇市
行程 約100km
<ルート付近のリンクポイントをクリックしてみてください>
●「ひめゆりの塔」
第二次世界大戦末期(昭和20年4月1日)、アメリカ軍は読谷村、嘉手納、北谷にわたる海岸線から上陸、首里城に集中砲火をあびせながら南進、5月27日追いつめられた日本軍は南部へと撤退。そこで住民を巻き込んだ悲惨な地上戦が繰り広げられた。
この地の洞窟の中で撤退してきた陸軍病院第三外科の看護として、当時学徒動員された沖縄師範学校女子部と県立第一高等女学校219名が任務にあたっていたが、アメリカ軍のガス弾が打ち込まれ多くの女子学生が亡くなった。
その壕の上に
「ひめゆりの塔」
の慰霊塔がある。
隣接する「ひめゆり平和祈念資料館」には沖縄戦の悲惨な様子や亡くなった女子学生の遺影、学生当時の写真や持ち物、学生生活などが展示、生存者の戦争体験などが語られている。
/入場料 300円、連絡先 ひめゆり同窓会 TEL 098-997-2100
ひめゆりの塔への道。
きれいに整備されている
ひめゆりの塔
●平和祈念公園
平和祈念公園
摩文仁の断崖は沖縄戦線末期、追いつめられた住民の多くが身投げしたところだ。
当時この断崖の沖はアメリカの戦艦で埋め尽くされていた。現在はこの摩文仁の丘一帯は
平和祈念公園
として整備されている。
沖縄は「塔の島」といわれるくらい各地に慰霊塔がある。
それらをまとめたものが公園内にある「魂魄の塔」だ。終戦直後、散らばる遺骨を集め収容したところ。
その後沖縄関係者をはじめ、各都道府県、旧日本軍関係者などによって沢山の慰霊塔が立てられた。1970年代に国立沖縄戦没者墓苑となった。
また公園内には約24万以上の戦没者の名が刻まれた
「平和の礎」
や「平和祈念資料館」などもある。
摩文仁岳と祈念資料館の平和の礎
(画像をクリックすると拡大写真を表示します)
●摩文仁の丘
摩文仁岳の断崖
(画像をクリックすると拡大写真を表示します)
国立沖縄戦没者の墓苑を抜けると小高くなった展望台へ。太平洋を見渡すその足下は戦争の生々しい跡を残す断崖が続く。
展望台には昭和20年6月23日、陸軍32群司令部の司令官であった牛島中将と長参謀長が自決、それを祀った首塚がある。
展望台から岩づたいの急な石段を下りると階段途中の左には二人が自決した壕跡がある。(立ち入り禁止)
さらに下ると
「沖縄師範健児之塔」
が立つ。その先には鉄血勤皇隊最後の地である洞窟があり中には納骨堂もある。
海岸に続く岩の下には学徒たちが砲弾の中、水くみをした井戸がある。海はすぐそこにあり、わずかに身を隠す岩穴の向こうには敵の艦隊から砲弾が絶え間なく撃ち込まれていた。
平和な世のいま、とても想像することもできない地獄絵がここにあったはずだ。この地に立てば平和がどれほど大切かを教えてくれる。
健児の塔
学徒が立てこもった洞窟
急な岸壁の合間を水くみに…。
今は階段がある
摩文仁岳で唯一の水場。
多くの人が水場で砲撃を受けた
●奥武(おう)漁港とグラスボート
南部をぐるりとめぐる国道331号線を約7km辿ると、
奥武漁港
への標識とともに“グラスボート”の看板に惹かれて右折した。
イカの漁を終えた漁師とその家族が、とれたてのイカを裂いて紐にかけて干す仕事をしており、それをあるテレビ局が風物詩としてニュースなどの合間に流す映像撮影をしていた。
のどかな漁村の風景があった。
ボート乗り場への案内
イカを干す(奥武島)
ダイバーの収獲
グラスボートで魚を見に
観光地とは思えない静かな港の先端に、チケット売り場の小さい小屋があった。
グラスボートの船長兼ガイドのオジサンとすぐ出発だ。港を出で10分ほど、でお目当てのスポットに着く。約10年かけて餌付けをしたという魚たちを“従業員”と呼び、まだ神経質に寄っては逃げる魚の群れを“新入社員”。ときどきしか姿を見せない魚たちを“アルバイト”と言って笑わせる名ガイドである。
船内から海底と魚を見る
珊瑚礁と魚がよく見える
各地でグラスボートの船底をのぞいても、これほど沢山の大小さまざまな魚の群れを見せてくれたのは初めてだった。運次第ではマンタやウミガメも見られるかも。
●中城(なかぐすく)城跡
沖縄の言葉で「グスク」とよばれる豪族の居住地や拝所が残されている。とくに
知念村
には琉球開廟の神話も多く、首里王朝以前のグスクも少なくない。
この沖縄で大小300もあったといわれる中でもっとも構築物がよく残っていることで知られる
中城城跡
は14世紀後半ころまで先中城按司(さちなかぐすくあじ)が数世代にわたり、西の郭、南の郭、一の郭、二の郭の主な部分を築いた。そして半世紀後の1440年に完成。このころを古琉球と呼ばれ、14世紀前後から17世紀初めまで薩摩に侵略されるまで、海外貿易が盛んに行われ琉球王国の文化が華が開いた時代のこと。
中城城址は世界遺産
城は連郭式の山城で6つの郭からなり、城壁は主に琉球石灰岩の切石で積まれている。
入り口の駐車場から正門までは徒歩15分ほどかかるが、もっとも古い石垣の南の郭と、聖地久高島(知念村安座真の沖に位置する島)への遙拝所などを見逃すことがない。この城跡は世界遺産に登録されている。
沖縄の世界遺産は首里城をはじめ座喜味城、今帰仁城跡、連勝城跡など9つのグスクをまとめて世界遺産の中の文化遺産として登録されている。
中城城趾、中心部への門
中城城趾で最も古い祈祷所。
様々な神への祈り場所がある
城の中は広い
(画像をクリックすると拡大写真を表示します)
中城城趾の裏門と広場
●中村家住宅
中城城跡より少し北、約280年前の代表的な沖縄の上層農家建築の特色をすべて備えた建物である。こうした屋敷構えがそっくり残っているのはきわめて珍しい。
石垣で囲われ、内外との仕切であるヒンプン(顔隠し塀)、直接母屋を見通せないようにした目隠しの塀の中、中庭をはさんでフヤ(母屋)アシャギ(離れ座敷)やメーヌヤー(家畜小屋兼納屋)から同じ家畜でも別屋根のフール(豚小屋)などである。現在のものは18世紀中頃に立て替えられたものを整備した。
屋敷はそのほとんどを塀に囲われ、その塀の内側に防風林の役目を果すフク木を植えて、台風に備えている。
沖縄の豪農、中村家の家構え
斜面、樹木、石塀で強風から家を守る
●沖縄料理
中国から伝わる美食同源の考えに根ざした伝統料理は、かつて主食だったウム(紅いも)、タームン(さといも)からはじまりゴーヤ(にがうり)、ナーベラ(ヘチマ)ラッキョウ、ヨモギなど畑の食材、またその加工品である豆腐、頭からしっぽまで残すことなく食べる豚、もずく、海ぶどう、からさまざまな魚からなる。
市場内の魚屋。カラフルだ
市場の魚屋で選び、食堂で食べる
通称、オジサン(ヒメジ)の塩焼き
鰺のたたき
これらの食材を多彩な調理方法で健康料理メニューを作りあげる。長寿沖縄のこうした食材メニューは、いま健康ブームにのって全国的に知られてきた。とくにゴーヤと豆腐、豚肉炒め、仕上げに卵をからめる「ゴーヤチャンプー」は有名だ。チャンプーとはインドネシア付近に語源を残すという。‘炒める’とは少しニュアンスがちがい、チャレプルー(ごちゃ混ぜ)とか。またラフテー(豚の角煮)やソーキ(豚のスペアリブ)、珍しいものではイラブー(猛毒を持つ海蛇)などがある。
中国から東南アジアの国々との盛んな貿易で栄えた琉球は世界のさまざまな食材をとりいれ、独自の調理を生み出した。自然の食材をその旬に味わい、家畜のすべてを無駄にしない料理方は本来、当たり前のことだった。食べる楽しさと食材の大切さを再認識させてくれること、それが沖縄料理なのだ。
オジサン(ヒメジ)、
エビなどのガラはスープになる
沖縄豆腐
菜っ葉の和え物
パパイヤの煮物
ドラゴンフルーツのゼリー
○関連記事
■“いま沖縄が熱い”本島一周の旅(1)
(2004/9)
■“いま沖縄が熱い”本島一周の旅(2)
(2004/9)
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取材:2004年9月