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春の大井川をSLとともに走る



寸又峽温泉と森林浴ドライブ

かつて大井川は東海道で箱根峠越えと並んで難所のひとつといわれ川渡りは季節や天候によって人々が足止めを余儀なくされたところ。いまは新幹線や高速道路で一瞬に通り過ぎてしまう大井川だが、その上流には昔と変わらない茶畑が広がり、動植物の宝庫として南アルプスの麓へと続く豊かな自然と温泉がある。また、ここは昔の宿場町金谷と千頭とを結ぶ約40kmの大井川鉄道に走るSL列車がノスタルジックな旅を演出する人気の観光地でもある。
大井川の広い川沿いに、あるいは深い谷あいに、そして茶畑の続く中、鉄道とほぼ平行に続く道。ときに黒煙を上げて走り来るSLと出会うとき、遠い日の日本を見ているような懐かしい風景のある道である。SL列車の終点千頭からさらに奥は井川線の赤いミニ列車が走り、鉄道が終わる井川から静岡市へ抜ける“南アルプス公園線”は富士山と南アルプスを望む峠を越える長い山道だ。
花を待つ桜、芽吹く緑の森の中を小鳥たちの声をBGMに車を走らせると、やがて安倍川に辿り着く。のどかな山道のドライブだ。狭く急カーブの多い頼りない道だが、路面を力強くつかむ4WD車は十分その威力を発揮してくれた。寸又峽温泉で一泊しながら、これからの季節思いっきり森林浴も楽しめるドライブコースだ。



大井川(静岡)

東京−(東名高速)−相良牧之原IC−金谷(国道473号線)−川根町−千頭−寸又峽温泉−接岨峽温泉−井川−南アルプス公園線(県道60号線)−富士見峠−安倍川−静岡市−東名高速−東京
全行程 約540km 一泊二日


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●金谷町から川根町へ

今回のドライブの出発点でもある金谷町は江戸時代の東海道の宿場町、雨で水かさの増した大井川を渡れずここで待機したこともあるので、宿の数も多くあったという。また大名を籠ごと運んだ大連台や女子供やに乗せて運んだ人足のいた町でもある。そんな川越し文化などを展示するところは大井川鉄道SLの出発駅でもある。
金谷−千頭間を1時間10分で結ぶSLは、一日一往復(週末、休日、夏休みは3往復増発される)。途中、SLの走る雄姿を最高のロケーションで見たい人は、出発時刻と場所をここでたずねておくとよい。(関連Webページも紹介したので参照してほしい)
「本川根町」方面の標識に従えば、金谷からはもう大井川沿いの迷うことがない一本道だ。

●川根温泉

金谷から約17km、川根茶で有名な茶畑が広がる川根町笹間渡にある「川根温泉」は昨年(平成10年)リニュアールオープンしたリゾートタイプの温泉。
10棟のコテージと温泉プール、なにより自慢は大井川とその鉄橋を渡って走るSL列車が見られる露天風呂だ。男女別にそれぞれ大きい岩風呂が2つ、タライ風の桧風呂、それに川根名産竹炭をいれたものと三種類の風呂がある。
泉質はナトリュウム塩化物、薄茶色で塩分がある。湯の温度は47度。効能は神経痛、関節痛などの他皮膚病から疲労回復と幅広い。
/料金 入浴のみ3時間500円+プール1,000円/コテージ一泊4人用 2万2,000円(8人用まである)
/TEL 0547-53-4330

●フォーレなかかわね茶茗館

大井川をはるか眼下に眺め、斜面を利用して植えられた茶畑のうねりや深い樹木の中を、狭い道が続く。川根温泉から約23km、大きくカーブを曲がったところに、突然、木材をふんだんに使った立派な門構えの建物に出会う。茶どころ川根のお茶のテーマパークだ。
茶づくりの工程から急須や茶漉しを使っての本格的なお茶の入れ方を指導員を通して体験できる。
なお、「道の駅」が併設されているが定休日(水曜日)があるので注意。
/TEL 0547-56-2100

●千頭

大井川鉄道の終着駅、SLもここまで。この先は森林鉄道で親しまれている日本で唯一のアプト式鉄道が敷かれた井川線だ。赤いミニ列車が南アルプスの麓へ向かってコトコトと走る。終点井川まで1時間30分、渓谷美が存分に楽しめるので、新緑、紅葉時は混み合う。
千頭はまた寸又峽や接岨峽へ向かうバスの出発点でもある。大自然の中、狭い山道に沿うように民家が寄り添って建つ小さな町の小さな駅だが、構内にはSLの部品などを展示するミニSL資料館や戦時中タイ−ビルマ(現ミャンマー)間を走っていたC56型蒸気機関車、大正時代に造られたドイツ製のコッペルが保存されている。入館料 100円。
/TEL 0547-59-2065

千頭駅の隣りには、オープンして間もない五感体験ミュージアム“音戯の郷(おとぎのさと)”がある。
五感(視・聴・覚・嗅・味・触)を使って音や感覚遊びをしよう、というのがここのテーマ。小さな町には大きな建物で、中は「風のイマジナード」「音戯ラウンジ」「音ミュージアム」などのゾーンからなり、事前への感性を高めるというネーチャーゲーム体験をする公園などがある。また世界最大というオルゴールもある。入園料 1,000円。
問い合わせ/本川根町観光協会 TEL 0547-59-2746

●寸又峽温泉

大井川の支流、細い山道を辿る峡谷沿いにある。昭和43年当時はまだ珍しかった猟銃を持った男による立てこもり事件があったところ。
当時旅館も数軒しかなかったという秘湯温泉も、2日間にわたった事件がテレビで実況放送され、一躍有名になった。不名誉なことでの宣伝だったが、その後訪れる客が急増し、いまは18軒のホテル旅館及び民宿があり、収容人数も1,000人を超えるとか。現在も訪れる客の多くはこの事件のことを話題にするという。
泉質は単純硫黄泉で、源泉は旅館街から4kmほど奥に湧く南アルプスの天然の湯。湯の花の浮く温泉は神経痛、皮膚病などに効く。とくに肌につるつるした湯は美人をつくるという。町営の露天風呂もある。入浴料 400円。
問い合わせ/本川根町観光商工課 TEL 0547-59-3111

○寸又峽のみどころ

県立自然公園に指定されているこの峡谷は大井川の支流寸又川が流れる。南アルプスの清らかな水を集めて流れる深い峡谷沿いや森林帯には散策路が設けられている。温泉から吊り橋を渡って一周する2時間のプロムナードコースや森林浴を楽しむ一周3kmのグリーンシャワーロードはミヤマツツジ、ヤマユリなどの花をはじめ、ヤマメ、イワナの川魚、またブッポウソウ、シジュウカラなどの野鳥たちに出会える。とくに峡谷を彩る新緑や紅葉は美しく、訪れる人々を魅了する。

○夢の吊り橋

温泉街から徒歩約40分、大間ダム湖にかけられた水面からの高さ8m、長さ9mの吊り橋は寸又峽の名物。エメラルドグリーンの湖水にかかる橋、人が歩く度にゆさゆさと揺れる橋渡りはスリル満点だ。橋を渡って展望台へ出れば、峡谷の美しい自然美がぐるりと見渡せる。
プロムナードコースにはもう一つの橋「飛竜橋」がある。かつて木材の伐採が盛んだった寸又峽の歴史を物語るトロッコの跡がある橋で、ここからの峡谷の眺めはまさに絶景だ。

○寸又峽の味覚

奥大井と呼ばれる山と渓谷の寸又峽は、標高は500m前後と思いのほか低い。したがって気温もそれほど低くなく、冬でも積雪をみることが少ない。だが谷あいのため耕作地がほとんどない。昔から僅かな畑からはソバやコンニャクぐらいしかとれなかったという。その代わり山菜、きのこ、鹿や猪、川ではイワナ、ヤマメ、などの自然の恵みは豊富だった。いまでも 宿の料理 はこれらの素材を使ったものが多く、それぞれ独自の料理法で自慢の料理を出す。

●接岨峽と温泉

寸又川から少し下って再び大井川の本流沿いを辿る。狭かった道も立派な二車線の道になり、建設中の長島ダムを抜けて川幅の広くなった平地に出ると、突然立派な真新しい木造の建物に出会う。本川根町資料館「やまびこ」だ。長島ダムで水没する農家が提供した、昔の農機具や林業に生きた山峽の人々の仕事や生活風景を再現展示している。入館料 200円
/TEL 0547-59-4031

井川線の接岨温泉駅は山間に広がる茶畑と集落を見下ろす山の中にある。無人駅の小さな駅舎の裏手には、「森林露天風呂」があり、食事付き入浴(2,300円)は娯楽の少ない集落の人々のコミニュケーションの場として利用されているようだが、もちろん誰でも入浴可能だ。入浴料のみ700円。一泊二食付き6,500円
/TEL0547-59-3721

接岨温泉郷は橋を渡った道沿いに、周囲を山と茶畑に囲まれた静かな田舎の風景の中にある。温泉郷といっても旅館と民宿を合わせて小さな宿がたった5軒しかなく、一番大きく目立つのが町営の「接岨峽温泉会館」だ。休憩質と浴場のみで、宿泊はできない。この温泉は皮膚の脂肪分の分泌を促進するということから「若返りの秘泉」といわれている。入浴料300円。
/TEL 0547-59-3764

●井川へ

井川線のミニ鉄道はトンネルを抜け、山や峡谷を渡って走るが、自動車道は大井川の河原に沿って走る。だが、接岨温泉を出ると再び山の中に入り、快適な二車線道路も狭くなった。カーブの連続と対向車に注意を払いながら、井川に着く。寸又温泉から約1時間の距離だ。
井川は大井川鉄道井川線の終点で、赤いミニ列車が乗客を待っていた。ホームの下には売店と食堂があり、お世辞にもきれいとは言えない店構えだったが、椎茸のてんぷらそば(700円)はとてもおいしかった。
聞けばこのあたりは椎茸栽培が盛んで、3年も寝かせたクヌギの原木から採れる椎茸は味も香りも良質という。売店では今朝とったばかりの肉厚で大きなものが10個入った袋が500円、そのほか、ソバ、ふきのとうなど地元の産物がいっぱい売られていた。

●井川ダムから南アルプス公園線

○富士見峠

井川ダムは昭和32年に完成した日本で初めての中空重力式ダムという。この中空重力式とは堰提の内部が空洞になったダムのこと。ダムのすぐ近くには中部電力井川展示館がある。ダムに関する資料や推力発電の仕組みなどをわかりやすく説明している。入館は無料。
/TEL 0542-60-2307

ダムを渡り井川湖を見下ろすように上ると、対岸に井川の町が見えてくる。まだ冬枯れのせいか、湖水の水は少ないが、これからは南アルプスの雪解け水をたたえてエメラルドグリーンに輝くという。
間もなく湖から離れて、一気に山道を上ると、富士見峠の展望台へ出る。幾重にも連なる山の向こうには真っ白い雪を頂いた上河内岳(2,803m)から聖岳(2,982m)連山を望む。富士山はこの展望台より少し手前から見ることができる。だが、緑に覆われる季節には、残念ながら樹木にさえぎられしまいそうだ。

井川ダムから県道60号線、通称「南アルプス公園線」を抜けて安倍川へ下る道は約55km。途中、この富士見峠を越える曲がりくねった山道だ。行き合う車もほとんどなく、道は狭いが森林浴をしながらのんびり走るのは楽しい。道路事情のわからない山道も、4WD車のおかげで、安心だった。
すでに芽吹こうとしている木々の間から望む青空、その梢を通して見え隠れする名も知らぬ山々、沢の流れ、車を止めエンジンを切って耳を澄ませば風の音さえ聞えてくる。その静寂を破るのはウグイスの声、遠くで樹木をたたくキツツキの音や可愛い野鳥たちのざわめきだけ。鹿やカモシカにも会えるかもしれないと、井川の人が教えてくれた。
やがて民家が現れ、それが集落になったころ、突然視界が開けたかと思うと、広い安倍川へと飛び出した。ここから静岡市内までは安倍川沿いに約17kmだ。



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取材:1999年3月