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秋の日光東照宮とその周辺



奥日光の紅葉 何年かぶりに首都圏を直撃した台風が去った後、さりげなく秋がやってきた。早くも富士山には雪がちらつき、北海道からは紅葉の便り。
今年も手軽に紅葉狩りを楽しめるコースを紹介したいと思う。日光周辺は、以前もいくつかのコースに分けてドライブ案内をしたが、やはりこのあたりは紅葉の名所であり、首都圏近郊では最も早い時期(10月上旬)に紅葉を迎えるところの一つでもある。
今回、取材時期は紅葉に少し早い9月上旬だったので紅葉よりも東照宮をゆっくり取材した。案外知っているようで知らなかった東照宮の魅力をお伝えできたらと思う。





<コース>
東京−(東北自動車道)−宇都宮IC−国道119号線(日光街道)−国道120号線−輪王寺−東照宮−中禅寺湖−戦場ヶ原−沼田IC−(関越自動車道)−東京
全行程 約350km、1泊2日



<ルート付近のリンクポイントの地名をクリックしてみてください>



●日光街道杉並木

大半が奥州街道と重複して距離は短く、その上、街道を往来するような産物も少ない日光街道が江戸時代五街道の一つになっていたのは、日光東照宮に将軍が参詣する道だからである。
中山道から続く日光例幣使街道(江戸時代、日光東照宮の四月例大祭に毎年朝廷から派遣される奉幣勅使が通った道)とは異なり、将軍以外にも参勤交代の大名や武士などの往来も多かった。有名な杉並木は今市から東照宮境内にかけて植えられていた。
この杉は徳川家康から三代にわたって将軍家に仕えた松平正綱によって20年かけて植えられたものだ。家康の三十三回忌に当たる慶長元年(1625)に東照宮に寄進された。
杉並木を示す石柱 太い杉が年代を感じさせる 今市の商店街にある水飲み場
日光街道のほか例幣使街道、会津西街道と、息子の正信によって補植された杉並木は総延長37kmにも及んだ。現在も今市市内の三街道にはこの杉並木が残されている。中でも特に日光街道は国道119号線に沿って杉並木観賞道路として整備され大切に残されている。
また今市の商店街の中に“今市の水”という名所があり、いまも自然の湧き水が訪れる人の喉を潤している。

宇都宮から東照宮までは「日光宇都宮自動車道」もあるが、宇都宮ICで東北自動車道を出て国道119号線へ。
今市市の大きな交差点を過ぎて間もなく、国道から杉並木の旧街道への分岐点に出会う。かつての街道の狭い道の両側に樹齢370余年の大杉が並ぶ。天を突く巨木に江戸時代の絢爛豪華な大名行列や朝廷から派遣された公家たちの姿が偲ばれる。

東照宮までの間に杉並木の旧道へ車の入れる道はいくつかあるが、宇都宮方面への一方通行が多いので注意したい。

●輪王寺

輪王寺 日光というとまず東照宮だが、二荒山神社、輪王寺の二社一寺の建つ杉の木立に囲まれた一帯を日光山内といい、東照宮もその中の一つである。
奈良時代から山岳信仰として開けた土地であった。日光で一番古い寺といわれる輪王寺は天平神護2年(766)に勝上人によって開かれ、満願寺、一乗実相院などと名を変えながら源頼朝など武将のあつい信仰を集めていた。のちに豊臣秀吉によって寺領没収されたが、天海大僧正によって再興され、承応3年(1654)比叡山延暦寺、東比叡山寛永寺とともに天台宗三本山の一つとなって栄えた。
この輪王寺の本堂の威厳を誇る三仏堂がある。その周りには樹齢400年、根回り5.8mの山桜、毘沙門天、大黒天、弁財天をまつる日光唯一の護摩祈願所、天海大僧正が比叡山の宝塔を模して建てた塔、そして輪王寺の仏像や書画などを展示する宝物殿などがある。

●日光東照宮

東照宮 「日光を見ずして結構というなかれ」の言葉通り、木立の中の金箔や赤、朱、白、黒、緑など豊かな色彩のおびただしい数の彫刻群の絢爛たる建築物に目を見張る。ご存じここは天下の将軍徳川家康公の廟所である。
三河に生まれ城は駿府(静岡)に構え、その駿府で生涯を閉じた家康はこの日光には一度も来たことがないのになぜ墓を日光へと遺言したのか。
家康は天台宗の僧天海を駿府に招いた。
その後幕府宗教行事の責任者となり慶長18年(1613)天海は日光山の座主になった。家康はこの天海の影響を受けていた。元和2年(1616)に75歳の生涯を終えた家康は、天海によって久能山に葬られ翌年、朝廷から東照宮大権現の神号と正一位の神階を受けて日光へと改葬された。やがて大僧正となった天海はその後も徳川三代に仕え、影の実力者として108歳まで生きた。

現在ある東照宮の建造物は三代将軍家光が大造営したもの。
寛永11年(1634) にはじまった大改築の建築の総指揮は幕府作事方大棟梁の甲良宗弘で、建物の色彩や壁画や彫物の下絵などは幕府絵所狩野探幽(かのうたんゆう)一門によって行われた。こうして石工、大工から彫物師まで延べ人数は約500万、総工費金56万8000両。現在の貨幣に換算するとざっと7兆円とか。しかも完成まで1年5ヶ月という短期間であった。

見所はなんといっても、東西南北を守る東に竜、西に白虎、南に朱雀、北に玄武の四霊獣とそれに唐獅子と大別された霊獣のほか、“息(※)、竜馬(りゅうば)、麒麟、鳳凰、貘、亀霊”などさまざまな霊獣の彫刻だ。
竜は権力や豊饒の象徴で天界と冥界を自由に往き来できる聖獣とされ、竜馬は天帝の馬とされ天空を翔る、とそれぞれの意味もあって面白い。
こうした建物や彫刻のみならず、敷かれた石(栗石)や広くみせるために用いた遠近法建築と細部にわたって工夫された境内をゆっくり鑑賞するには少なくとも2時間は欲しい。
そのまま「いき」と読まれているが正式な読み方ははっきりしない。龍に似ているが鼻が上唇にあり体にはウロコがない。

○一の鳥居と五重塔

表参道の正面に立つ大きな鳥居は、筑前藩主黒田長政によって寄進されたもの。
この石鳥居の石材は領内から切り出された御影石だ。鳥居手前の石段は遠近法をとりいれた設計で10段ある石段は上部へ行くほど幅も長さも短い。また、湿度が上がると赤と緑の色が浮かび出るという“照降石”がはめ込まれている。
この鳥居をくぐったすぐ左に建つ35mの金、朱、緑などの色鮮やかな五重塔は若狭小浜藩主酒井忠勝が寄進したもの。4層までの軒の垂木の線は直角に和様式で5層は放射状に唐様式となっている。ただし現在の塔は文政元年(1818)に再建されたものである。

○表門

鳥居の正面、急な石段を上がると左右の仁王像が立つ寺院様式で、その裏側は狛犬を左右に置いた神社様式となっている。これを総門といい、唐獅子や貘、象頭、麒麟など80を超える彫刻がある。
ここから先は拝観料が必要。(拝観料については後記

○神厩舎

三猿 東照宮の有名な彫刻の一つ、猿八態のうち「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿はこの厩舎の外壁にある。昔から猿は馬の守り神とされていた。
庇があるとはいえ風雨にさらされるところに姿を変えずにあることに驚くが、猿ばかりに気をとられていて現在も馬のいる厩舎であることを忘れそうだ。10時から14時まで毎日神馬がいる。かつては馬の隣に畳みの部屋があり、馬の世話役が寝泊まりしていたという。
神厩舎前にある狩野探幽が想像で下絵を描いたと言われている有名な「想像の象」の彫刻のある三神庫は修理中で見学はできなかった。

○陽明門

陽明門 東照宮のシンボルともいえる陽明門は、日本の社寺建築物の代表ともいわれている。
幅7m、奥行き4.4m、高さ11.1mの門には約500もの彫刻が施されている。その見る者を圧倒するばかりの美しさ、そして見事さに思わず「日光を見ずして結構というなかれ」の言葉を思い出す。
その陽明門への石段の左右に一対の灯籠がある。右側は仙台藩主伊達政宗の奉納したもので、鋳造の原料がポルトガルから輸入したことから南京鉄灯籠という。左は薩摩藩主島津家久よりの奉納で唐銅灯籠と呼ばれている。
この他、境内には121の灯籠があり、これらはすべて全国の諸大名からの奉納されたものである。また、陽明門手前右には、朝鮮国王が献納した鐘楼と太鼓を納める鼓楼とオランダの東インド会社が奉納した釣灯籠がある。

陽明門の正面に掲げられた後水尾天皇の筆による「東照大権現」の額の下は龍と息、さらに白い龍と龍馬、唐獅子の霊獣や賢人、仙人、遊ぶ中国人の子供などが精巧に彫られている。門内部の天井には狩野探幽の筆である“八方睨みの昇竜・四方睨みの降竜”の絵がある。
また、門を支える白い渦巻状の12本の柱のうち一本だけ逆さ模様のものがある。“完璧は魔がさす”といい、完成された建物はいつか崩壊するといい伝えられている。“魔よけの逆さ柱”と呼ばれるこの柱はこうした言い伝えからといわれている。

○神興舎と神楽殿

陽明門の左にある黒漆の建物は徳川家康、豊臣秀吉、源頼朝の御輿を納めたところ。内部の天井に描かれた天女舞楽は狩野派によるもの。
神興舎と向かい合って建つのは「神楽殿」だ。春の大祭では八乙女の舞が奉納される。

○唐門

陽明門に向かい合う拝殿・本殿の正門。陽明門と比べると彫刻、色彩とも清楚だが、龍と唐獅子があまりに精巧なので、龍が逃げないかとヒレを切ったという逸話が残るほどだ。残念ながら一般参加者はこの門はくぐれない。門の脇にある下駄箱に履き物を入れて拝殿へ。

○拝殿・本社・本殿

唐門の右横から拝殿へ入る。右に将軍着座の間、左は法親王着座の間があり、それを仕切る一枚板は樹齢1,000年もの杉が使われている。
この仕切板には青竹や白沢(姿は獅子に似ているが、体は白い。人の正悪を見抜き人やすべての動物と話ができる。また死霊を除けてくれるという)など狩野探幽による聖獣の絵が描かれている。
頭上に広がるさまざまな姿をした龍が描かれた格天井や三十六歌仙の額が並ぶ長押を首が痛くなるほどじっくりと鑑賞したい。

○鳴き龍で有名な本地堂

陽明門の外にあるが、見学路沿いに歩く。
東照大権現(徳川家康)の本地仏で、薬師如来がまつられている。昭和36年の火災によって狩野安信による“鳴き龍”は焼失。昭和43年堅山南風画伯の筆で再現された。
天井に描かれた龍に下で手を打つと龍が鳴いているような音がする。今は、龍の解説者がいて、その人が手ならぬ拍子木をカンカンと叩くと天井の龍がビョビョビョーンと鳴く。

○奥社家康霊廟

眠り猫 拝殿から家康がまつられている本社、また家康、秀吉、頼朝のまつられている本殿のさらに奥に家康の墓がある。昔はこの本殿から廟にもつながっていたが、土砂崩れでいまはふさがっている。
だが霊廟への本来の道は、拝殿から唐門を出た神楽殿の脇にある。奥社への参道へは昔はこれより先一般の参拝は禁止されていた。要するに将軍とわずかなお供しか入ることが許されなかったというわけだ。
さて、この廟への入り口にあたる坂下門のすぐ手前の潜門の上に有名な“眠り猫”の彫刻がある。実物は意外に小さい。裏側には2羽の雀の遊ぶ姿が刻まれているが、どちらにもいろいろな説がある。

○奥社

墓所への道は鬱蒼とした杉並木 眠り猫の彫り物の下をくぐると、これより207の階段を上る。「207段も・・・」と敬遠する人も多く、そのまま戻る人も少なくない。だが杉木立の中に続く石段は一段一段すべて一本の石が使用されている。継ぎ目のない気品ある石段に足を運ぶすばらしさを思えば207段も短い。いままでの建造物の豪華な彫刻、絢爛たる色彩の饒舌の外、ここは杉の巨木に苔むした石肌、折しも霧の中とあって霊気漂う墨絵の世界であった。

家康の墓所 拝殿は黒の漆塗りの重厚な社で、その奥には青銅製の鋳抜き門がある。そしてさらにもう一つ奥には、青銅製の八角九段の基壇の上に宝塔が立っている。これが徳川家康の墓である。天下統一、江戸300年の平和を築いた大御所、後の東照大権現の眠るにふさわしく静寂にて荘厳な霊廟である。

◎拝観料

券の種類によって見学できる範囲が異なるので注意が必要だ。昨年の12月に料金が改正されている。

券の種類料金拝観・見学できる範囲
二社一寺共通拝観券大人1,000円東照宮:表門〜石の間まで
輪王寺:三仏堂内陣・大猷院仁王門より皇嘉門まで。昇殿は大猷院拝殿まで
二荒山神社:拝殿まで
東照宮券大人1,300円表門〜奥宮まで、東照宮の一般公開範囲の全域
東照宮券
(二社一寺共通拝観券ご利用の方)
大人520円二社一寺共通拝観券で入れない東回廊(眠猫)・奥宮が見学できる
輪王寺券大人900円三仏堂内陣・大猷院仁王門より皇嘉門まで。昇殿は大猷院拝殿まで
上記はよく利用される主なもののみを掲載した。その他にも東照宮宝物館、輪王寺三仏堂など別料金の施設がある。

/問い合わせ 日光観光協会 TEL 0288-54-2496

日光山内には、徳川三代将軍家光の霊廟(家光廟大猷院)もある。
慶安4年(1651)48歳で生涯を閉じた家光は自らの廟は「質素にすべし」と遺言したという。だが1年2ヶ月かけて完成した霊廟は東照宮に似て豪華だ。ただ全体は小規模で彫刻色彩なども地味である。

●いろは坂から華厳の滝へ

華厳の滝 取材時はウィークデイということもあってか“いろは48曲がり”を上る車の数は少ない。幾分色づきはじめた木々の葉が赤く染まるのももう間近だ。日光はどこも紅葉は見事だが、いろは坂は上りと下りのルートが異なるので対向車の心配がない道とあって紅葉を楽しむドライバーも多い。
また、いろは坂を上り切ったところには那智の滝、袋田の滝と並んで日本三大名爆「華厳の滝」に出会う。中禅寺湖から流れ出した水が高さ97mの大岸壁を轟音とともに一気に流れ落ちるさまは豪快にして華麗といえよう。
滝見物は駐車場付近からもその名爆をながめることができるが、エレベーターで観爆台へ。ちょうど今年は台風の後だけに水量が多く、一層の轟音を立ててあたりに水しぶきを上げて流れ落ちていた。

●中禅寺湖・竜頭の滝・戦場ヶ原
戦場ヶ原 竜頭の滝
中禅寺湖は、男体山の噴火によってできた周囲21kmの湖。国道120号線沿いの温泉町を除いて周囲は大自然が多く残っている。とくに戦場ヶ原は見渡す限りの湿原に白樺の木立、高山植物の花が咲く自然の楽園でもある。
また、戦場ヶ原の湿原を流れる湯川が中禅寺湖に流れ落ちる竜頭の滝周辺は10月中旬ごろ見事な紅葉に包まれる。この季節は温泉と紅葉を楽しむ人で賑わう。

この先、国道120号線をさらに奥に進んだ湯ノ湖、金精峠、丸沼・菅沼も紅葉の名所だ。沼田ICで関越自動車道にのって帰路についた。



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日光市
市政に関する情報のほか「日光いきいき情報」では市内主要地点の天気や華厳の滝の落水量、紅葉状況などを掲載。
世界遺産 日光の社寺
東照宮、輪王寺、二荒山神社の国宝・重要文化財建造物を紹介。日光山内エリアの詳細案内図(PDFファイル)もある。
日光の紅葉見ごろ情報
日光周辺の紅葉スポット情報を提供。日を追っての変化が画像で見られる。9月下旬に今年の情報に更新される予定。

取材:2001年9月