有馬・城崎の古湯と味覚の旅(2)

天橋立 京都府宮津市の宮津湾と内海の阿蘇海を南北に隔てる“天の橋立”は仙台の松島、安芸の宮島と並び、日本三景の一つとして古くから人々に親しまれている。また丹後半島は古代より大陸との交流が盛んなところであり、巨大古墳やさまざまな発掘品から、ここには一大勢力があったことが確認されている。さらに江戸時代には絹織物が発達し、「丹後ちりめん」としていまも有名だ。その他、半島には「経ヶ岬」「琴引浜」「丹後松島」などの景勝地にも恵まれているが、なかでも伊根地区はこの半島の大きなみどころだ。伊勢湾の海面にせり出した家屋で、一階には船揚場と作業場がある「舟屋」と呼ばれる独特の建物が並んでいる。
大阪への帰路、宮津市から南へ約80km、武家屋敷や商家が軒を連ね、城下町の風情が漂う丹波篠山を訪ねた。ここは丹波黒豆、丹波栗、丹波の山芋など全国にその名を知られる食材の宝庫でもあった。

ドライブルート

ニッポンレンタカー新大阪センター営業所−(阪神高速11号池田線経由−中国自動車道)−有馬温泉−(国道176号線)−福知山市−(国道9号線経由−国道426線)−出石−豊岡市−(県道3号線)−城崎温泉−(国道178号線)−伊根−天橋立−(京都縦貫自動車道経由−由舞鶴若狭自動車道)−新大阪

全行程 約750km、今回行程 約350km

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丹後半島

京都府の北端に位置し、北は日本海、西は兵庫県に接する。海岸はリアス式で山陰海岸国立公園に指定されている。美しい景色の他、丹後王国の歴史ロマンにもあふれている。産業としては「丹後ちりめん」の他、梨、ブドウ、桃、メロンや京野菜の生産地としても知られている。漁業は、春のマダイ、夏のトビウオ、秋のカレイ、冬のズワイガニと四季を通して水揚げが行われている。
半島をめぐる道は主に国道178号線だ。海水浴場にめぐまれたこのコースは、夏は車の往来も激しいというが、秋から冬にかけては、交通量も少ない。日本海に沈む真っ赤な太陽で知られる「夕日ヶ浦」も、歩けばキュッキュッと鳴る「鳴き砂」で有名な琴引浜も、いまは人影もない。ただ琴引浜は日本各地にある鳴き砂浜としては全国最大級で、天然記念物に指定されているため、一年を通して訪れる人は絶えないそうだ。砂浜を見下ろす国道沿いに、鳴き砂はどんな音でなぜ鳴くのかを体験し学べる「琴引浜鳴き砂文化館」がある。一休みしながら自然の不思議を学ぶのも面白い。
/入館料 300円、TEL 0772-72-5511

  • 琴引浜。砂が乾いたとき歩くとキュッキュッと鳴る

    琴引浜。砂が乾いたとき歩くとキュッキュッと鳴る

  • 琴引浜鳴き砂文化館

    琴引浜鳴き砂文化館

  • 丹後半島を北東にたどると荒磯が現れる

    丹後半島を北東にたどると荒磯が現れる

丹後古代の里資料館

京丹後市には弥生時代の国内最大級の赤坂今井墳墓、また日本海側最大級の前方後円墳「網野銚子山古墳」や「神明山古墳」など数多くの遺跡が残されている。これら縄文時代、弥生時代の古墳を中心とする石器、土器、玉類や鏡などを中心とする発掘品を展示している。敷地内には縄文時代の住居も復元されている。
資料館近くのかつての漁村、間人(たいざ)は近年『間人ガニ』のブランドで知られているが、この地区には多くの伝説・伝承が残り遺跡も多い。間人の地名は、聖徳太子の母の穴穂部間人皇女が、蘇我・物部氏の争いからこの地へと逃れてきたことから、その名が付いたと伝えられている。
/入館料 300円、TEL 0772-75-2431

  • 丹後古代の里資料館。縄文時代の住居などを復元している

    丹後古代の里資料館。縄文時代の住居などを復元している

  • 縄文土器がたくさん展示されていた

    縄文土器がたくさん展示されていた

  • 間人港。丁度メス蟹(セイコ)漁の船が入っていた

    間人港。丁度メス蟹(セイコ)漁の船が入っていた

  • 間人港のカニ漁船

    間人港のカニ漁船

竹野神社

資料館の近くに鎮座する神社。社殿は文政13年(1830)に再建されたものだが、『古事記』や『日本書紀』にも記され、第31代用明天皇の第3皇子、麻呂子親王も祀られている。この麻呂子親王の鬼賊退治と丹後七仏薬師の由来は、絵巻として竹野神社に残され伝えられている。
室町時代には武将により厚く庇護を受け、江戸時代には宮津、出石藩などにより崇信され、漁業者からは丹後の明神として信仰された。

  • 竹野神社。古事記、日本書紀にも登場する古い神社

    竹野神社。古事記、日本書紀にも登場する古い神社

  • 竹野神社本殿

    竹野神社本殿

  • 丹後街道。古いお宮や野仏が多い

    丹後街道。古いお宮や野仏が多い

経ヶ岬灯台

経ヶ岬灯台

経ヶ岬

琴引浜より約30km、半島の最北端の岬で海抜148mの断崖絶壁の上に白亜の灯台が建つ。灯台までは駐車場より徒歩約15分。明治31年に建造された石造りで、ここからの展望は日本海側のリアス式海岸と遠く北陸の白山まで望める。
これより国道は内陸へと約20km、カーブの多い山道を走る。そして再び海へと下ると、そこは伊根の舟屋と呼ばれる集落へと着く。
/TEL 0772-62-6300

伊根浦に近づくと岩礁の連なる荒磯

伊根浦に近づくと岩礁の連なる荒磯

伊根の舟屋

若狭湾に張り出した小さな半島、その中に抱かれる様に深く入り込んだ伊根湾を囲むように民家が建つ。それは「舟屋」と呼ばれ、1階は船が直接出入りできる船の格納庫及び作業場で2階は住居、さらに道路をはさんで山側に建つ母屋とセットというのが一般的な一つの家屋だ。漁業に適したこの地域ならではの建物である。
干満の差の少ない湾内には約5kmに渡り、伊根湾を囲むように約230棟もの舟屋が並ぶ。国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。
駐車場がほとんどないため、舟屋群を見て回るには伊根湾めぐりの遊覧船がおすすめだ。舟屋が密集する伊根湾を一周する(約30分)。船は時折、舟屋群に近づくので今も続く伝統的な人々の生活を垣間見ることができる。

  • 浦嶋神社。天長2年(825年)の創建。浦島伝説最大の神社

    浦嶋神社。天長2年(825年)の創建。浦島伝説最大の神社

  • 絵馬と供に「蓑亀」も奉納されていた

    絵馬と供に「蓑亀」も奉納されていた

  • 道の駅展望台から伊根浦全景

    道の駅展望台から伊根浦全景

  • 舟屋。各家の下は船小屋

    舟屋。各家の下は船小屋

  • イカと魚が干してあった

    イカと魚が干してあった

  • 舟屋、養殖イカダ、海猫の群れ

    舟屋、養殖イカダ、海猫の群れ

  • 舟屋の裏は変哲もない田舎の街道

    舟屋の裏は変哲もない田舎の街道

天橋立

宮津湾と内海の阿蘇海を隔てる砂州で、全長3.6kmにも及ぶ。潮の満ち引きや海流により、悠久の時をかけ日本海側から宮津湾に流れ込む砂、阿蘇海に流れる野田川の土砂などの蓄積により形成されたもの。その形は龍に例えられている。
白砂と青松の続く景勝地として古代から親しまれ、『丹後国風土記』には天と地を繋いでいたハシゴが倒れて天橋立になったとも伝えられている。

  • 天橋立

    天橋立

天橋立ビューランドへはリフトかモノレールを利用

天橋立ビューランドへはリフトかモノレールを利用

天橋立ビューランド

白砂青松の続く天橋立を臨む展望台。名物「股のぞき台」があり、老若男女が後ろ向きになり股の間から、大蛇のようにくねって続く天橋立を覗く。そこには、空と海とが逆さまになり、まるで天に架かる浮き橋の様に見えるから不思議だ。

  • 天橋立ビューランドからの展望

    天橋立ビューランドからの展望

知恩寺

「三人寄れば文殊の知恵」の言葉の由来になった文殊菩薩の霊場。大同3年(808)創建の寺院で智恵を授かる寺院として名高い。茶屋通りに面する山門は、三間三戸の二十門で丹波地方最大のもの。現在の山門は明和4年(1767)の上棟で、棟梁は地元宮津の宮大工による。この再建にあたり、後桜町天皇より黄金を下賜されたことから黄金閣とも呼ばれている。楼上には釈迦如来を中心に、両脇士・十六羅漢を安置する。平成9年から約3年をかけて保存修理が行われた文殊堂をはじめ、境内には雪舟筆の『天橋立図』に描かれている室町時代の多宝塔(重要文化財)の他、方丈や庫裏などもある。

  • 知恩寺

    知恩寺

  • 知恩寺の多宝塔(重要文化財)

    知恩寺の多宝塔(重要文化財)

  • おみくじの扇子が下がっている

    おみくじの扇子が下がっている

  • 廻旋橋を渡って長い橋立に入る

    廻旋橋を渡って長い橋立に入る

  • 橋立は見事な松並木が続く

    橋立は見事な松並木が続く

  • 知恩寺の門前には土産物屋が並ぶ

    知恩寺の門前には土産物屋が並ぶ

元伊勢・籠(この)神社

対岸には「籠神社」。別名「元伊勢神社」

対岸には「籠神社」。別名「元伊勢神社」

天橋立は、徒歩で約50分、自転車(レンタルサイクルもある)では約15分、また観光船で簡単に渡ることができる。この天橋立の北側には古代から、気の集まるパワースポットとして知られる「籠神社」とその奥宮「眞名井神社」が鎮座する。
養老3年(719)、眞名井神社があった場所から神様を遷して創建された。伊勢神宮に祀られる以前から、4年間天照大御神がここに祀られていたことから「元伊勢」と呼ばれている。本殿の欄干には、伊勢神宮と籠神社にしか許されていない五色(青・赤・黄色・白・黒)の座玉(すえたま)がついていて、日本建築史上では貴重なものとされている。本殿の造りは伊勢神宮と同じという格調高い建築様式だ。

  • 狛犬は昔、魂を宿して参詣者を脅したため、岩見重太郎が切りつけおとなしくさせた。右足の傷はその時のものとある(重要文化財)

    狛犬は昔、魂を宿して参詣者を脅したため、
    岩見重太郎が切りつけおとなしくさせた。
    右足の傷はその時のものとある(重要文化財)

  • 籠神社 拝殿でお参りする人々

    籠神社 拝殿でお参りする人々

  • 天橋立の浜近く、小舟で漁をしていた

    天橋立の浜近く、小舟で漁をしていた

  • 漁の様子

    漁の様子

眞名井神社

籠神社より徒歩で行く。狭く山道のような坂を登ること約15分。樹木に覆われて鎮座する社は小さく簡素な佇まいだが、そのパワーの強さは壮大だという。万物調和・地球浄化・世界平和と、個人の願い事にしては大きすぎるほどとか。縄文時代からの礼拝所とされるところも“同居”していて、パワーを超えた聖地とさえいわれている。岩を抱くように根を張る大樹の元、社周辺は立ち入ることはもちろん、写真撮影も禁止。御社に体を近づけると、「強い宇宙からのパワーを感じる」と毎日参拝に来るという年配の男性が、パワーの受け方を教えてくれた。

  • 竹林を通って 眞名井神社へ

    竹林を通って 眞名井神社へ

  • パワースポット、縄文時代の礼拝所もある眞名井神社

    パワースポット、縄文時代の礼拝所もある眞名井神社

  • 波せき地蔵。大宝年間(701〜704年)大津波を眞名井神社前で切り返した。天災地変への警告、守護の地蔵

    波せき地蔵。大宝年間(701〜704年)大津波を
    眞名井神社前で切り返した。
    天災地変への警告、守護の地蔵

  • 真名井の霊水

    真名井の霊水

丹波篠山

慶長14年(1609)徳川家康が山陰道の要衝である丹波篠山盆地中心部の丘陵・笹山に平山城を築いた。藤堂高虎が縄張を担当、普請総奉行を池田輝政が務め、初代城主は松平康重。以降、松井松平家、藤井松平家などの14代の居城を経て明治まで続いたが、その後城郭の建造物が取り壊され、城地には役所や学校などが建てられた。平成に入り城下町が兵庫県の景観形成地区に指定されたことから、学校などが移転して丹波篠山城として整備された。同時に町にも手が加えられ、武家屋敷や商家群など、かつての城下町の風情をとりもどした。
城の堀を挟んだ西側の御徒士町には、江戸時代末期建築の武家屋敷が軒を連ね、東の河原町妻入商家群の街並みとともに国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。

  • 篠山城趾内の石垣

    篠山城趾内の石垣

  • 城西側武家屋敷通り

    城西側武家屋敷通り

  • 武家屋敷・安間家資料館

    武家屋敷・安間家資料館

  • 武具・工芸品など展示する歴史美術館

    武具・工芸品など展示する歴史美術館

大正ロマン館

篠山の町役場として大正12年に建築された建物。レンガの腰台、屋上には火の見櫓という大正モダニズムを残す洋風造りで、当時の田舎町としてはとてもハイカラだったという。平成5年までの70年間、役場の役割を果たしてきた。現在は重要建築物として保存も兼ねて、レストランやカフェ、丹波篠山の特産品店として利用されている。丹波といえば、篠山ブランドの黒豆、栗、ヤマイモなどの食材を使った料理やスイーツ、ジュースが味わえる。
この他、大阪・京都から山陰に向かう街道の要衝として栄えた丹波篠山には、いのしし料理や、内陸部でありながら「鯖ずし」が名物であることを知った。

  • 丹波篠山の大正ロマン館

    丹波篠山の大正ロマン館

  • 名物ぼたん鍋。巨大イノシシが招く

    名物ぼたん鍋。巨大イノシシが招く

  • 丹波の焼き栗は絶品でした

    丹波の焼き栗は絶品でした

  • かつての山陰街道・日本海の鯖が運ばれていた

    かつての山陰街道・日本海の鯖が運ばれていた

ニッポンレンタカーの車種・料金

詳しくは車種・料金一覧表をご覧ください。

京都府、兵庫県内のニッポンレンタカー営業所

ニッポンレンタカー ホームページの営業所検索で、京都府兵庫県の営業所リストをご覧いただけます。

京丹後市観光協会「京丹後ナビ」
琴引浜や経ヶ岬などの観光スポットを紹介しているほか、英語のモデルコースサイトにもリンクしている。
天橋立観光ガイド
天橋立観光協会による。宮津・与謝野・伊根の名所や観光スポット、天橋立にまつわる伝説なども見られる。

取材:2016年11月

  • ※ドライブコースの情報はそれぞれの記事の取材時点のものです。