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中山道(木曽路)を行く



歴史と文化の集積する木曽11宿

京都と江戸を結ぶ中山道は、江戸時代は東海道と並ぶ要路であった。山や谷のある険しい道でありながらも、川止めもなかったことから多くの旅人で賑わった道でもある。幕末には皇女和宮様もこの道を通って江戸入りした。
この街道は中津川から塩尻の手前、贄川(にえかわ)関所までを木曽路といい、山深い谷あいを11の宿で結んでいた。いわゆる「木曽11宿」といわれ、いくつかの宿場町はいまでも往時の面影を多く残すばかりでなく、街道文化を集積、継承している。
なかでも江戸から数えて42番の宿場町妻籠は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、江戸時代の街道が復元保存されている。また中津川より2番目の馬籠宿は、文豪・島崎藤村のふるさとで、その代表作「夜明け前」の舞台でもある。
有名な木曽のヒノキをはじめ木曽五木(サワラ、アスナロ、ネズコ、コウヤマキ)が芽を吹く新緑の季節、深い木曽川の谷あいを縫いながら、江戸時代にタイムスリップしながらの旅をしてみよう。




名古屋−(中央自動車道)−中津川−(国道19号線)−落合−(旧中山道)−馬籠−妻籠−(国道19号線)木曽福島−奈良井−塩尻−(中央自動車道)−名古屋
全行程 約300km、1泊2日




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●中津川から落合宿へ

中津川は木曽路の南口、木曽川の支流中津川沿いの町。美濃と飛騨の文化が入り混じって栄えた町で、伊那路への分岐点でもある。
その先、国道19号線を北へ4kmほど進んだところに落合宿がある。
落ち合う宿へという見過ごしそうな小さな標識にそって狭い道を辿ると三巴の紋瓦のある旧本陣の屋敷に出会う。格式のある門構えは、かつて明治天皇巡幸の折り御小休所として使われた屋敷だ。このあたりから細い昔の路になり、近くには「落合宿の高札場跡」もある。
これより旧街道を馬籠、妻籠へと続く昔の街道がある。この道を徒歩で妻籠宿へと行く人々もかなり多いようだ。19号線と交差しながら車でもやっと通れる道、徒歩で探索する人たちに迷惑がかからないようにゆっくり行きたい。

●馬籠(まごめ)宿

馬籠から馬籠峠を越えて妻籠と続く8.3kmの旧街道は自然歩道になっていて、もちろん車では通れない。
多くの旅行者は、馬籠宿の入口と出口にある駐車場(無料)へ車を止めて、坂の宿場町、馬籠を歩く。
「山の中とは言ひながら、広い空は恵那山の麓の方にひらけて、美濃の平野を望むやうな位置にある」と藤村の“夜明け前”にあるように、旅籠屋の並ぶ急な坂の上からは美濃平野や恵那山が見渡せる。
この宿場には“車屋坂の枡形”というところがあって、道をかぎの手にわざと曲げてある。外敵の侵入を食い止めるためのもので、こうした機能は城下町にはよくみられるが、馬籠のこの車屋坂付近は急な傾斜とカーブで、昔の車ひきには難所でもあった。

石畳の急な坂道沿いには、いまは民宿となっている旅籠や茶屋、食堂、みやげ屋がぎっしりと並ぶ。
ここ馬籠宿やその建物のほとんどは復元されたものだが、格子のはまった天井の低い二階屋の軒先には電柱もなく、ふすまや障子の仕切りや窓、店先をかざる小物まで、往時そのままの雰囲気を残す。この間600mほど。

島崎藤村の生家・馬籠本陣島崎家の跡地は町の中ほどにあり、いまは藤村記念館(写真)や記念文庫、隠居所が建つ。
記念館には黒塗りの冠木門があり、入ると「血につながるふるさと言葉につながるふるさと」と故郷を愛した藤村の言葉が刻まれている。
また隣には詩「はつ恋」のモデルになった「おふゆ」の生家大黒屋がある。
その他、藤村の菩提寺永晶寺や槌馬資料館、馬籠脇本陣資料館などみどころが多い。
/問い合わせ 馬籠観光案内所 TEL 0264-59-2336

馬籠宿に近い総合グランドには、山口村の 温泉井 があり、無料でお湯が汲み出せるため、自宅で温泉を楽しもうという人がタンク持参で訪れている。

●妻籠(つまご)宿

妻籠の少し手前橋を渡った旧道に大妻籠の集落がある。
通りには3軒ほどの古い家が並ぶが、なかなか絵になる昔の街道の風景だ。この近くには白木改番所跡などがあるが、徒歩でしか行けない。
かつて木曽の木材は木曽五木といわれ、尾張藩の支配下にあり、「桧一本、首ひとつ」といわれるほど、盗木の取り調べは厳しかった。ちなみに木曽五木とはヒノキ、サワラ、アスナロ、ネズコ、コウヤマキのこと。
妻籠宿の街道沿いは一般車は入れないが駐車場(500円)がある。

地域ぐるみの町並み保存運動が行われ、昭和51年には重要伝統建造物群保存地区に指定された。
バス停のある北側から下町、中町、上町、寺下地区と約800mにわたって江戸時代そのままの街道宿場町を残している。
出梁造りや竪繁と呼ばれる細かい格子窓の民家が軒を連ねている。もちろん電柱、電話線、プラスチックなどは排除されていて、一歩足を踏み入れれば、ここはもう江戸時代の世界だ。

旅籠(民宿)の風情ある木製に墨文字の入った看板や藍に白文字を抜き染めされたのれんなどを眺めながら北へとゆっくり歩くと、往時の代表的な庶民の家、下嵯峨屋があり、常夜灯などの先には妻籠宿本陣(写真)に出会う。
この立派な冠木門の本陣は藤村の母の生家で、現在の建物は平成7年に復元されたもの。江戸時代後期の建築様式だ。その豪壮な構えにかつての繁栄が偲ばれる。
本陣の向かいには脇本陣や問屋を務めた林家の旧宅と続く。
建物の一つ一つをじっくり見て、街道文化に触れ、旅籠に泊ってみるのも面白い。
/問い合わせ 妻籠宿観光案内所 TEL 0264-57-3123

木曽といえばヒノキに代表される五木の産地と並び漆塗りなど 伝統工芸 でも名高いところ。尾張藩に守られた木の国であればこその漆の器の歴史も古い。ここは福島県の会津、石川県の輪島とともに日本三大漆器に数えられている。
木曽の旅は江戸時代の文化が多くつまっていて、ただ走り過ぎていくだけではもったいない。

●野尻、須原

妻籠宿からは野尻、須原の宿と続く。この二つの宿場町は、江戸時代の末期に大火に見舞われたが、その後復興した町並みだ。
七曲がりや丸太をくり貫いた水場など宿場町の面影も多く残すが、車を離れて歩く信濃路自然遊歩道には季節の野草や600体にも及ぶ石仏や石塔、それに古い社寺が点在し、歴史の旅が楽しめる。
また、須原宿には、文豪幸田露伴の文学碑もある。

●寝覚ノ床

木曽川の激流が長年にわたって花崗岩を侵食してできた奇景で、天下一の景勝地ともいわれている。
屏風岩、まな板岩、象岩など名称をもつ奇岩の数々が約1.5kmも続く。いわば街道きっての渓谷の名勝地だ。
学術的には方状節理、歐欠という。貴重な岩盤でもある。またどういうわけか、ここには浦島太郎伝説があり、竜宮城から帰った浦島太郎が目覚めたといわれる岩がある。そこには浦島太郎堂が立ち、浦島太郎が祭られている祠もある。

●木曽福島

景勝地「寝覚の床」を過ぎると、間もなく木曽福島だ。
木曽谷のほぼ中間に位置し、旧福島関所が置かれた要衝の地でもあった。現在も木曽谷の経済・文化の中心であり、木曽御嶽登山の玄関口としてハイカーや御嶽山参りの人で賑わう。
「山蒼く暮れて夜霧に灯をともす木曽福島は谷底の町」と詠まれたこの町は、東に木曽駒ヶ岳、西に御嶽山を望み、木曽川をはさんで町並みが続く。
幾度かの大火に見舞われ、かつての宿場町の面影は失われたが、宿場のはずれの上の段町には古い町並みが残る。

山村代官屋敷の本邸は、現在福島小学校の敷地となっているが、石垣に一部と下屋敷の一部が残っている。この下屋敷は享保8年(1723)の建物は所蔵品とともに公開されている。
/入館料 300円、TEL 0264-22-3003

福島関所跡は、「京より六十七里、江戸まで六十八里」中山道のほぼ中間に置かれた関所で、東海道の新居・箱根・中山道の碓氷と並ぶ四大関所の一つ。「出女に入鉄砲」といって、女改め、鉄砲改めが厳しく行われたところ。隣接する資料館には当時の手形や鉄砲証文などが展示されている。
/入館料 300円、TEL 0264-23-2595

木曽義仲の菩提寺・興禅寺は永享6年(1434)に木曽家12代信道が再建した禅宗の名刹。
悲劇の将軍といわれた木曽義仲は源頼朝の従弟でありながら、幼くして木曽に預けられ成長。やがて木曽冠者朝日将軍と名乗るが、わずか半月で頼朝の命をうけた義経軍に敗れ、北陸に逃れる途中に31歳の若さで戦死。
これより約10km北宮ノ越宿付近には義仲ゆかりの地として、巴御前や山吹姫にまつわる旧跡や伝説がたくさん残っている。
寺の境内には義仲はじめ木曽一族の墓があり、枯山水様式の庭園、雲に浮かぶ山を岩と砂で表現した看雲庭や池泉式庭園の万松庭は一見の価値がある。
/拝園料 300円、TEL 0264-22-2428

●奈良井宿

奈良井宿は北の妻籠宿と並んで最も江戸の情緒を今に残す宿場町だ。妻籠同様、国の重要伝統建築物群保存地区に指定。下町、中町、上町と鳥居峠の入り口まで約1.2kmにわたって江戸時代の宿場の町並みが続く。
かつては「奈良井千軒」といわれたほどの賑わいをみせていたという。奈良井独特の建物といわれる出梁造りや千本格子、猿頭の美しい町並みを歩けば、タイムスリップした昔の旅人の気分になる。いまでは旅籠(民宿)や茶屋、土産物屋となっている家も、裏庭まで続く土間、吹き抜けのいろり部屋などがそのままに残されている。
中町にある問屋資料館は約270年にわたり代々問屋と庄屋を務めた旧手塚家住宅で、内部も当時の問屋造りをとどめている。館内には古文書や書画、陶器類などが展示されている。
/入館料 300円、TEL 0264-34-3101

そのほか奈良井の豪商屋敷中村邸や錦帯橋をモデルにした総ヒノキ造の橋、“木曽の大橋”などたくさんのみどころもある。駐車場は奈良井駅横と町の中ほどにある。

奈良井宿の次の宿、贄川は木曽路の一番南の宿場町であり、ここには福島関所の副関・贄川番所があったところ。木曽五木の持ち出しと、女人の出入りを厳しくとりしまったが、明治2年に廃止され、現在は関所見取り図をもとに昔のままを再現、復元されている。

名古屋を出て江戸への旅も、ひとまずはここで終わり。これより中央自動車道を通って名古屋へ2時間、東京へは3〜4時間の距離だ。



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取材:2000年4月