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秋の碓氷峠と軽井沢



今からちょうど2年前の平成9年10月1日、長野新幹線の開通に伴い信越本線横川〜軽井沢間を走り続けてきたアプト式鉄道が姿を消した。便利さと引き換えに失うものへの郷愁はいつの世も同じ。
峠を喘ぎながら上る機関車の力強く頼もしい車輪の響きや、車輌のきしむ音が限りなく懐しい。しかし、鉄道は廃線となっても、新緑、紅葉、雪景色と車窓を彩った山々の風景は、単線のトンネルや錆ついた線路、赤レンガのアーチ型橋梁とともに変らない。カエデやトチなどの樹木は間もなく色づき、峠の道を錦に飾るだろう。
かつて列車で上った峠への道を、184ヶ所のカーブにハンドルを切りながら秋の1日を辿る。カラ松林の向こうに聳える浅間山を眺め、初秋から晩秋へと移りゆく軽井沢へ車を走らせれば、あなたも詩人になるかも知れない。




東京−(関越自動車道から上信越自動車道)−松井田妙義IC−国道18号線(旧中山道)−横川−碓氷峠−軽井沢−国道141号線(佐久甲州街道)−佐久−須玉IC−(中央自動車道)−東京
全行程 約400km 1泊2日




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●横川

藤岡JCTで中央自動車道から上信越自動車道へ入ると、正面に鋭く尖った岩山の妙義山が望める。妙義山麓も紅葉の美しさで知られるところ。この妙義山をウィンドウいっぱいに眺めながら松井田妙義ICを出ると、国道18号線にぶつかる。その後最初に出会うドライブインが、“峠の釜めし”で有名な横川だ。

大きな釜の模型が目印の旧横川駅は、2年前までの駅舎をそのままに、プラットホームに廃車となった客車を並べる観光駅となっている。
ホームには、懐しさ、失われたものへの郷愁を求める人々のほか大勢のアマチュアカメラマンが、それぞれ自慢のカメラのシャッターを切っていた。駅舎への入場料はひとり470円。

名物“峠の釜めし”は駅舎から道路をはさんだ大ドライブインの中で今でも売られている。ちようど昼食時だったこともあり、行列ができていた。

●碓氷峠・鉄道文化村

横川駅操車場跡に、今年4月18日にオープンしたばかりの鉄道文化村。昭和20年代から最近までこの峠越えをはたしてきたディーゼル機関車、電気機関車、国鉄時代の後押し列車、客車などの数々を展示。中高年には懐かしく、また若い人でも記憶に残っているようなものもある。
展示された列車に思いをはせながら紅葉に彩られた山の景色のもとに碓氷峠を辿れば、ドライブが一層楽しくなる。 広い公園には子供たちの遊び場もあり、ミニSLが走る。
/TEL 027-380-4163

●峠への道

横川を過ぎると、間もなく国道18号線(旧中山道)と碓氷バイパスとの分岐点に出る。旧道は険しい山道だが、バイパスは関東平野を一望できる楽しいドライブウェイだ。山道へ向かう前に、昼食を兼ねて一休み。
「川魚料理」の看板に誘われてこの分岐点を左に坂を下ると、清流の川久保へ出る。ここは碓氷峠から流れる6つの川の合流点で、川幅も広く、一本の吊り橋がかかっている。その麻草の吊り橋のたもとに、一軒の料理屋(碓氷梁)がある。
広い河原と清流を望める“碓氷梁”の板敷き部屋には囲炉裏もあり、自在かぎにつるされ黒ずんだ鉄瓶がぶらさがる。“営業中”という看板がかかっているにもかかわらず、たった一組の客しかいない。女将は「鮎の季節は終わり」だという。「10月末からは鯉料理を出すが、いまは蕎麦とほうとうしかない」とも。大きなガラス窓の外は、これから紅葉が美しい。手打ち蕎麦もおいしかった。

旧道、かつての中山道は、江戸日本橋を起点に、板橋、熊谷、安中を経て碓氷峠を越え信濃路へ。金沢の前田家をはじめ30もの藩主の大名が参勤交代で往来した大動脈であった。
碓氷峠は、後の鉄道でさえ難所で、急勾配の線路に取り付けた歯車(アプト式)で列車が上ったところ。現在の旧道も、カーブの数は184ヶ所。急勾配の路を、標高956mの峠へと向かって忙しくハンドルを切る。高速道路やバイパスが出来てからはこのカーブは敬遠され(カーブの数だけでもバイパスの3倍もある)、車もめっきり減ったそうだが、いまは鉄道跡を見に訪れる人も多い。新緑や紅葉のシーズンは交通量も増すので、くれぐれも運転には注意が必要だ。

横川を過ぎると、碓氷関所跡やかつては宿場だった坂本の旧脇本陣永井家、旧旅篭の武井家などがあるが、そのほかは街道の面影を残すものはほとんどない。
坂本の町を抜けると山は険しくなり、鬱蒼とした樹木の中、カーブを切りながら峠へと走る。
鉄道から大きく離れ、碓氷湖側に路をゆくと、間もなく大きなカーブにさしかかり、そこを曲がると、レンガ造りでアーチ型をした陸橋に出会う。それはまるで古代ローマの水道橋のような趣を感じさせる。100年にも満たない建造だが、人のぬくもりを感じさせ、鉄道ファンならずともジーンとくるものがある。
近くには車が5〜6台駐車できるスペースがあり、カメラを構えたり、もの思いにふける人もいる。カエデの枝が大きく伸びるこの路沿いは、これからの季節ますますレンズの被写体となるだろう。

鉄道線路跡から再び架線やトンネルと出会うのは、山中の駅だった“熊ノ平”だ。取材者は、昔、まだこの路線をSL機関車が走っていたころに、幾度となくこの地を訪れたことのあるのを思い出していた。熊ノ平駅あたりを走る列車は、人の歩く速度より遥かに遅かった。そしてこの山の中の駅を出発したSLが、幾つものトンネルを精いっぱい煙を吐きながら喘ぎ喘ぎ上っていったこと。
廃線となり、線路さえ取り外されたトンネルから、いまにも列車が走り抜けてきそうな気がし、しばらく立ち尽くしていた。同じ思いの人も少なからずいるだろう。トンネルを覗きに来る人の姿は絶えない。

道はやがてかつての碓氷トンネルの上をジグザグに走り、トンネルを抜け出たばかりの線路を下に見ながら落葉樹林の中を抜け、峠へと出る。峠の石碑をを見ながら、視界いっぱいに広がった山並みを眺める。
峠の先は、すぐ軽井沢だ。

●軽井沢

軽井沢といえば、別荘が立ち並ぶ“高級避暑地”。明治時代、外国人宣教師がこの地に別荘を建てて以来、誰もが憧れる避暑地の代表的な存在となっている。
浅間山南東麓に広がる高原には、夏でもひんやりとした空気が漂い快い。カラ松林の中に続く小道とそこに佇む瀟洒な別荘は、多くの詩や小説の舞台にもなっている。小さな教会と絵本美術館、おしゃれなブティックやティーサロン、かわいい小物の店など、女性に人気のスポットも多い。

JR軽井沢駅は新しいコンクリートの駅舎に生まれ変わり、夏は若者で賑わっていた駅前広場も落ち着きを取り戻している。広い駅前通りではすでに店じまいしたところもあり、早くも町は冬支度に入ったようだ。
奥に続くカラ松林の中に点在する別荘の窓も固く閉じられ、ひっそりと静まり返っている。しかし、取材日が3連休と重なったためか、モミの並木道の万平通りをはじめ旧軽井沢への小道には大勢の観光客の姿があり、オープンカフェやホテルのティールーム、旧軽井沢の「軽井沢銀座」は賑わっていた。

●旧軽井沢

聖パウロ教会は、軽井沢のシンボルともいえる三角屋根の教会で、若い女性の憧れとともに、結婚式をあげる人も多い。礼拝自由。
/TEL 0267-42-2429

ショー・ハウス記念館は、明治19年、50戸ほどしかなかった山村軽井沢にはじめて別荘を建てたスコットランドの宣教師、アレキサンダー・クロフト・ショーの記念館。やがて、文明開化によって来日した外国人たちの別荘が建ちはじめ、別荘地としての軽井沢の歴史となった。木造2階建ての簡素な建物には、当時の調度品などが展示されている。木立の中には木造の小さな礼拝堂もある。無休。
/TEL 0267-42-4740

○三笠ホテルと万平ホテル

三笠ホテルは、明治39年に開業され、当時、軽井沢の紳士淑女の社交場として昭和初期まで舞踏会や園遊会などが行われていた。現在高級ホテルとして営業を続けている万平ホテルよりはるかに格が上だった。しかし、昭和45年に廃業。現在は国の重要文化財として保存され、一般公開もされている。建物の一部とかつて社交界の人々が愛した格調高い調度品の数々を見ることができる。無休。
/入館料300円
/TEL 0267-42-7072

万平ホテルの開業は、三笠ホテルより少し早い明治28年。現在の建物になったのは昭和11年だ。もとは宿場町軽井沢の旅篭であった。白壁に木造で一部3階建て。1度は泊ってみたい宿の上位を占め、軽井沢の風景を描いたステンドグラスのメインダイニングでのフランス料理、また、散歩の途中にガラス張りのカフェでブルーベリーや木いちごのシャーベットを食べるのが、若い女性の憧れとか。
/TEL 0267-42-1234

そのほか、駅前の大通りにはボヘミアンガラス美術館がある。高度な技術のカットをほどこした美しいグラスは、乾いた空気の中でひときわ輝く。展示品は大小合わせて100点ほど。また、チェコの現代アーチストの作品もある。
/入館料800円
/TEL 0264-42-0880

絵本の森美術館は、軽井沢駅の南。グリム童話を中心に世界の絵本の原画が集められている。
/入館料600円
/TEL 0267-48-3340

帰路は国道18号線を小諸方面に向かい、途中左折して国道141号線を佐久から小海線沿いに南下し、須玉ICより中央自動車道で東京へ。
時間に余裕のある人は、八ヶ岳高原でもう1泊してさらに紅葉を楽しむのもよいだろう。



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取材:1999年10月