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コート・ダジュールから
リヴィエラ海岸へ



モンテカルロの港とモナコ王宮 フランスのコート・ダジュールとは、コルシカ島のほぼ真北にあるトゥーロン(Toulon)からニース(Nice)あたり、そしてモナコを含む海岸線だ。
トゥーロンとカンヌの中間にあるルバン島はヌーディストが集まるところとして有名だが、カンヌまでの海岸線は若者が多く、物価も安い。だがカンヌから東のニース、モンテカルロやサン・レモといった有名なリゾート地は多くの映画や小説の舞台でも知られたリッチな人々の避暑地であり避寒地である。

春にはミストラルという強風が吹き荒れる以外、冬でも日中は半袖で過ごせるほどの暖かいところ。背後に迫る山の斜面では一年中花の栽培が盛んで、摘まれた花は香水の原料として内陸のグラス(Grasse)の香水工場(「ナポレオン街道(前編)」のグラスを参照)に送られ、香水や香料となって世界中の人々を魅了する。
地中海の海の青さ、サンサンと輝く太陽、夏のリゾート地は大富豪の豪邸や別荘、高級ホテルに世界各地からやってきた人々で賑わう。それぞれの港にはプライベートの豪華船や大小さまざまなヨットが繋留する。どの風景も絵はがきになる、そんな地中海沿岸を走ってみた。





<コース>
【フランス】カンヌ(Canns)−ニース(Nice)−【モナコ】モンテ・カルロ(Monte・Carlo)−【イタリア】サン・レモ(San・Remo)
全行程 約250km、1泊2日

ルート付近のリンクポイントをクリックしてみてください

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●カンヌ(Canns)

カンヌと聞いてもピンとこない人も“カンヌ映画祭”といえば「ああ、あそこだ!」と思い出すはず。ここで評価された映画のすばらしさを競い、最優秀作品やそれらを演じた俳優たちや監督などがその年の最高の栄誉を獲得する。5月の陽光のもと世界のトップスターが集う華麗なスクリーンの祭典が行われるところだ。

こうした世界の大スターやリッチマンたちがカジノを楽しんだり、華麗な饗宴を繰り広げるところは、カンヌ湾の白い砂浜に面した新市街で、その中心は海岸線を走るクロワゼット大通りだ。高級ホテル、レストラン、ブディックが立ち並び四季の花々が飾られていて華やぐ。このあたりの海岸は多くがホテルなどのプライベートビーチであり、大通りのベンチに何気なく腰掛けたら有料だと知って驚いたりする。

だが、古い港を挟んだ西側は狭い路地に商店や住居が密集する昔ながらの町がある。どちらも“カンヌ”である。
この町の東はずれにあるゴルフ・ジュアン(Golfe-Juan)はナポレオンがエルバ島から400人の兵士を連れて上陸したところでもある。(「ナポレオン街道(前編)」を参照)

地中海の夜は遅い。サマータイムとはいえ太陽が沈むのは9時近い。海面に残る光の余韻の中を人々はそぞろ歩き、潮風を受けながらレストランの夕食が整う時を待つ。9時から10時ごろになると昼間の水着やラフな服装から着替えた紳士淑女が、好みの雰囲気やメニューから選んだ店のテーブルにつく。
ムーディーな夜のレストラン
ムーディーな夜のレストラン
レストランの店先
レストランの店先
地中海といえばやはりメニューの人気は魚料理だ。新鮮な魚とブロバンスのハーブを使ったスープや焼き魚は、もちろん日本人好みの食のひとつ。
カンヌやニースはおしゃれなレストランも多く、値段も高いが高級感があってちょっとリッチになった気分がする。
これはおいしい。スパゲッティ・ボンゴレ
これはおいしい。
スパゲッティ・ボンゴレ

○アンティーブ(Antibes)のピカソ美術館

カンヌから車で20分ほどの小さな半島の先端アンティーブ岬、その東のはずれの城壁に囲まれた町にピカソ美術館がある。
ヨットやクルーザが並ぶ海岸線からグリマルディ城(Chateau Grimadi)へと車を走らせると城壁の手前に駐車場があるがいつも満車らしく、周辺の路上に車があふれている。城壁の中は狭い路地にレストランやみやげもの屋などがある。
狭い路地を下ると屋根に被われた大きな水場があった。どこからわき出る水か聞き損なったが、昔からの湧き水だ。すり減った石が敷かれた洗濯場もあり、いまも使われている。

ピカソ美術館は城の中にある。
1964年ピカソがこの城に滞在したときに描いた作品を中心に陶器や他の作家の作品なども展示している。
洒落た住宅や別荘、豪華なホテルなどが点在するこの半島を回るとニースの少し手前にはルノワールの終焉の地であるカーニュ・シュル・メールに出る。小高い丘の上にオリーブ、ユーカリの樹木に囲まれた石造りの以外に質素な家は、ルノアールが晩年の12年を過ごしたところ。

その他、ニースより約15kmほど北には迷路のようにくねくねと続く細い道に16世紀の家々がそのまま軒を連ねる“鷲の巣むら”とよばれる町ヴァンヌ(Vence)がある。画家マティスが晩年の4年間をかけて制作したロザリオ礼拝堂のステンドグラスや黒の素描図など、ゆっくり鑑賞できる。
19世紀から20世紀にかけて活躍した芸術家たちが好んで移り住んだコート・ダジュールには他にも多くの見どころがある。しかし、公共の乗り物が少ないところが多く車の旅だからこそ気軽に訪れることができるということがドライブ旅行の醍醐味だ。

●ニース(Nice)

「世界中のおのぼりさんの集まるところがパリなら、世界中の金持ちが集まるところがニース」といわれるほど、高級ホテルやカジノそれに豪邸が見られるところ。映画や小説の舞台として魅力的な世界が人々の夢をかきたてている。
紺碧の海、小石を敷き詰めたプライベートビーチには白いデッキチェアに白やブルーのパラソル、トップレス姿で肌を焼く女性も珍しくない。パブリックビーチもある。やはり一見映画の世界のように思うが、案外今は身近なもの。ただし、シーズン中はホテルの予約が必ず必要だ。
ゆっくりしたい人は6月か9月がかなり空いていた。10月から翌年5月ごろまでは閉めているホテルも多い。

ニースはマティス美術館シャガール美術館それに現代美術館、ナポレオン時代のインテリアを再現したマセナ美術館などがある。

モナコ(Monaco)

●モンテ・カルロ(Monte・Carlo)

カジノによる収入が国家の重要な財源というモナコは世界最高の富豪たちが一夜で億単位のお金を賭けてて遊ぶところだ。
ニースから高速道路で約25km。遙か眼下に望む海は霞んで見えるほど、道路は切り立った岩の上を走る。昨年まではモナコへのボーダーラインがあったが、今年の1月1日ユーロ通貨の導入とともに参加国の出入国の建物も取り壊された。

モンテカルロICを出ると海をめがけて急な山道を下る。モナコの王妃グリースケリーが自動車事故で亡くなったあのモンテカルロへのヘアピンカーブの多い急斜面だ。道幅も狭い上に交通量も多い。また地元のドライバーはスピードも出す。
途中、眼下のモンテカルロの町を一望する展望台がある。紺碧の大海原に向かって落ちる岩壁にへばりつくように民家、別荘、ホテルなどが立ち並び、それらの間の岩をくり抜くように急カーブを描きながら海に向かって道が続く。
背後の山から見るモンテカルロ
背後の山から見るモンテカルロ
(画像をクリックすると拡大写真が表示されます)

やがてブランドのブディック店が並ぶ通りにぶつかり、その先には、モンテカルロを代表する威風堂々としたカジノがあった。ここがモナコの中心モンテカルロ地区だ。

モナコは面積1.95km2。バチカン市国に次ぐ小国で言葉はフランス語、通貨はユーロだが立派な独立国だ。
この小さな国でも6つの地区に分かれているが、観光地として有名なのは王宮のあるモナコ地区とカジノで名高い高級リゾート、モンテカルロ地区だ。

○グラン・カジノ(Grand・Casino)

1878年にパリのオペラ座を設計した建築家シャルル・ガルニエによって建てられたもの。玄関大広間は大理石が敷き詰められ、オニキスで作られた28本のイオニア様式の柱の見事さに圧倒される。
ゲームルームはステンドグラスに彩られたいくつもの部屋があり彫刻、寓話的絵画、ブロンズの照明器具などの装飾品を眺めるだけでも、ため息がでそうだ。

スロットマシンなどのゲームができるのは12時から。ルーレットやブラックジャックが楽しめるのは午後2時から。だが、世界の大富豪が集まるのは午後10時過ぎだという。
スロットマシンやルーレットのコーナーは入場無料でだれでも入れるが、身分証明書の携帯が義務づけられている。21歳未満は入れない。日中は一般観光客で賑わっている。日本人のツアー客の姿も多い。カジノは高級社交場なので服装にも気をつけたい。

○モナコ大公宮殿

カジノからモナコ港を隔てた高台に建つ王宮は、1215年にジェノバ人たちが築いた要塞の跡にあり、内部は何世紀も遡る時代ごとの宮殿様式を知ることができる。
イタリア式回廊にはジェノバの芸術家たちが描いたフレスコ壁画があり、ルネッサンス時代の大きな暖炉がある「王座の間」、17世紀に建てられた礼拝堂とタイムトラベルが楽しめるようになっている。
また正面の中庭は300万個の敷石を使った幾何学模様が描かれ、二つの階段はイタリア産の大理石ででき、夏にはコンサートが開かれる。

モナコのカジノ前でラリーはスタート
モナコのカジノ前でラリーはスタート
王宮からは名高いモンテカルロF1コースが一望できる。
少し話が逸れるが、 唯一公道で行われるF1はここモンテカルロだ。そのコースを辿って車を走らせてみた。ヘアピンカーブ、トンネル上り下りと曲がった道。好きな人にはうれしいドライブだろう。

冬にはWRC(世界ラリー選手権)も行われる。コースは山の上だが、モンテカルロでデモンストレーションも行われる。

昼はモナコの白い砂浜のビーチで遊び夜はモンテカルロでカジノ、ショッピング、ディナーにナイトクラブと町は賑やかになる。豪華な気分に浸れるが、ウインドーを見つめればその値段の0の多さに、一瞬にして庶民に戻ってしまった。
港に停泊するプライベートのヨット、大型クルーザーの豪華さに目を見張る。世界の広さを感じさせてくれるところ、それがモンテカルロなのかもしれない。
モンテカルロの港とモナコ王宮
モンテカルロの港とモナコ王宮
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イタリア

●サン・レモ(San・Remo)

モンテカルロから約20kmでサン・レモだ。ここはもうイタリアだが同じ地中海沿岸でもこのあたりはリヴィエラ海岸という。
サン・レモより東へ約150kmのジェノバ(Genova)あたりまでを西リヴィエラ、ジェノバよりピサ(Pisa)付近までを東リヴィエラ海岸という。地中海の紺碧の海、明るい太陽は変わらないが、イタリアということもあってかリゾート地の雰囲気もコート・ダジュールと比べると気楽だ。
サン・レモは“世界音楽祭”が行われることでも名高いリゾート地で多くのホテルや海水浴施設それにヨットハーバー、カジノ、競馬場などが整備され華やかなところだが、ニースやモンテ・カルロを見てきた者には物足りない感じがするのは仕方がないだろう。

サンレモは花の名所でもある
サンレモは花の名所でもある
また、サン・レモはイタリアの花栽培の中心地であり、ここからバラやカーネーション、モミザなどが世界中に発送されている。夏を除く10月から6月までは旧市内に毎朝花市が立つ。町のメインストリートに高価な花の鉢植えが惜しげもなく飾られているのはさすがだ。

旧市街を抜けて山側に約20km入ったところにローマ時代の石造りの橋があった。
川沿いの村は華やかなリゾート地とは全く異なる世界を見せてくれる。
サンレモの北にあるローマ時代の橋
サンレモの北にある
ローマ時代の橋



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取材:2002年7月