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ピレネーの山々に囲まれた
小さな国、アンドラの春



唯一残るローマ時代の橋。横には新道がある スペインとフランスの国境にまたがるピレネー山脈は地中海から北フランスの海岸まで全長440km。西端はスペインのカンタブリア山脈まで続いている。その最高峰は中央部にあるマダテラ山群のアネト峰で標高3,408mと高く、またこの山群には3,000m級の山々が連なる。
日本の種子島ほどの小さな国アンドラはこうした険しい山岳地帯の谷間に位置し、夏期は避暑地として冬はスキー場として賑わう山々のまさに中心地である。

アンドラ公国(スペインの田舎道を参照)を4年前に訪れたときは人口5万人と聞いたが、3万人近くも増加したという。



<コース>
アンドラ・ラ・ヴェラ−オルデノ・アルカリス−パル・セトゥリア

ルート付近のリンクポイントをクリックしてみてください

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●アンドラ・ラ・ヴェラ(Andorra・La・Vella)

谷間の集落
谷間の集落
ヴァリラ(Valira)川の深い谷間に開けた町、標高450mのアンドラ・ラ・ヴェラが首都だ。
20数年前訪れたころは狭い谷間に延びる一本道だったという記憶があるが、その後訪れる度に町の規模は大きくなり、川沿いの岩は削られ、山の斜面は崩されホテルや別荘が山の上へと広がっていた。
また、道路や駐車場が拡張され、現在も建設中のクレーンが谷間に林立している。

町の中心部には温泉も湧く。源泉は36度と幾分低いが、ガラス張りのピラミッドを形どった大クアハウスがある。
ローマ風呂を模したような大浴場やジャグジーからエステと揃う。日本流でいえば公共の大温泉場のようなものだが、もちろん水着着用だ。
アンドラ中心部に残る古い建物
アンドラ中心部に残る古い建物

アンドラは無税の国だ。町にところ狭しと並ぶこれらの無税商品はいつの時代も酒、タバコに代表されている。世界中の銘柄が並び、無税なのだから確かに安い。しかし、元が値引きされないこれらの商品はおまけ付きで売られているが、大量仕入れをしている化粧品や電化製品などは、世界中で一番安いとアンドラの人は言った。また、自動車やオートバイとその部品も免税とか。
ちょっと不思議だったことは、パソコン製品がみあたらなかったことだ。
国境がなくなったようなヨーロッパだが、ここには国境検問がある。もちろんアンドラ側ではなく、隣国への入国で、免税品を買いすぎた人への課税の検問が待っているというわけ。

●アンドラの山中を走る

鉄道のないこの国へは、車が主な入国ルートだ。アンドラを貫く幹線道路は二車線の道路一本だけなので、夏のバカンスシーズンはかなり混雑する。
しかし、国は小さくても観光立国だ。山間部を縫い2,000m級の山の中腹や頂上への観光道路が完備され、町からほとんどのところへは1時間足らずのドライブだ。

国中が大展望のドライブウェイだ
国中が大展望のドライブウェイだ
冬はスキー場までの限られた道路だが、春スキーも終わる5月ごろからは山肌を走るドライブウェイと、その先へのハイキングコースが山の中を縦横に続く。
駐車場からはまたケーブルーやリフトなどもあり、脚に自信のない人でもピレネー山群の雄大な眺めを楽しむことができる。

アンドラ・ラ・ヴェラには 沢山のホテル があるが、ハイキングコースの拠点やスキー場にも素敵なホテルや民宿などがある。
地元の人が推薦してくれた眺望のよいドライブコースを紹介しよう。

●オルディノ・アルカリス(Ordino・Arcalis)

アンドラの北フランスの国境にほど近いピック・デ・ルオルテル山(2,562m)の山腹にひろがる斜面は、格好のスキー場だ。
取材時期はまだ春スキーを楽しむ人々でいっぱいだったが、春から夏にかけて道路をはさんだ北側には小さな湖があり、高山植物や湖面に映る山影を眺める気軽なハイキングコースとなる。

アンドラ・ラ・ヴェラからはオルディノ・アルカリスのスキー場まで約15kmと距離は短いが約500m近い高度差があり、途中、馬や羊の遊ぶいくつかの小さな牧場やヴァリラ川の清流を上る。
最初に出会う町マッサナ(Massana)で道は二つにわかれるが、標識に従ってオルディノ(Ordino)方面へ向かえば、もう道は一本道だ。やがてトンネルを抜けヘアピンカーブを上りきるとスキー場で道は終わりだ。
スキー客やハイキングする人は、道路の両脇に無造作にパーキング。

スケールの大きなスキー場は風はまだ冷たかったが日差しは強い。ここからリフトで2,500mの峠へ上るのもよし、湖の上を行くケーブルでフランスの国境ラインまで空中散歩をするのもよしだ。日本アルプスの乗鞍岳に似た山なみの大パノラマだ。

●パル・セトゥリア(Pal・Seturia)

出発地点は同じだが、マッサナの町の分岐点でパル方面へ。マッサナから間もなくでアリンサル川にかかる石を組み合わせて造られたアーチ型の橋を見る。この橋はローマ時代のもので、最近修復したとか。
スペイン、フランスにローマ時代の遺跡が点在していることは当然のことだが、ピレネーの山岳地帯の深い谷間の小川にも、ローマ時代の橋があることにおどろきでもあった。
ローマの領土としてまた遠征路としてピレネー山中に遠い昔の人々のドラマがあったことを教えてくれる。
唯一残るローマ時代の橋。横には新道がある
唯一残るローマ時代の橋。
横には新道がある

10km弱の道のりだが、パルのスキー場はさらに規模も大きく、オルディノ・アルカリスが乗鞍岳ならば、こちらは穂高連峰のような岩山で、その山腹は涸澤のカールのようでもあるが、スケールははるかに大きい。標高2,355mのカップ・デル・クビィルまでリフトがあり、その山の向こうはスペインだ。
ホテルの建ち並ぶ村はゲレンデの中である。村よりいたるところにハイキングコースもあり、夏は登山者で賑わうという。



○関連記事

スペインの田舎道(1998/7)


アンドラ政府観光局
英語のページがある。地図や歴史、自然などが紹介されている。

取材:2002年4月