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イタリア・シチリア島の旅2



「地中海の十字路」といわれる文化の交流地シチリアは、歴史の遺産はもとより、原色の花々が咲き、オレンジ、レモン、オリーブの実がたわわにみのり、四方の美しいコバルトブルーの海から水揚げされる新鮮な魚貝類と魅力満載の島だ。
1回目に続いて今回は州都パレルモ(Palermo)から西、紀元前5世紀の神殿跡のセジェスタ(Segesta)と、カルタゴの襲来によって破壊されたセリヌンテ(Selinunte)、そしてシチリアの西端トラパーニ(Trapani)、ワインと塩田の町マルサーラ(Marsala)への道をたどってみよう。





メッシーナ(Messina)−タオルミーナ(Taormina)−カターニア(Catania)−シラクーザ(Siracusa)−エンナ(Enna)−パレルモ(Palermo)−モンレアレ(Monreale)−テラシーニ(Terrasini)−エーリチェ(Erice)−トラパニ(Trapani)−マルサーラ(Marsala)−セリヌンテ(Selinunte)−セジェスタ(Segesta)−パレルモ
今回行程 約340km、1泊2日。




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●パレルモ(Palermo)からテラシーニ(Terrasini)へ

パレルモの町の喧噪を逃れて、1日どこか静かな海辺でのんびりしたいとあてもなく車を西へ走らせた。ところが山側の景色はよいが海辺へ出る道がない。町から約30km、パレルモ空港を越えてやっと見つけたところがテラシーニだった。
町というより村といった雰囲気の中に1つのリゾートホテルを見つけた。運良く部屋はあったがシーズン中は予約がないとダメだと、ホテルのマネージャーにいわれた。
部屋からは青い海が視界いっぱいに広がりテラスの下には岩礁があり潮騒が快い。海では泳ぐことはできないが、プールでティレニア海の青い海を存分に楽しむ。

●エーリチェ(Erice)とトラパニ(Trapani)へ

トラパニの北東約15kmにある標高751mのエリック山にある町エーリチェは、古代フェニキア人によって作られたという。
かつては宗教都市として栄えた。現在も細い路地が迷路のように縦横に走り中世の面影を残す。
山の頂きには堅固なノルマン城があり、ここからはトラパニの町を眼下に、晴れた日には遠くアフリカのチュニジアまで望める。

トラパニはイタリアでも最もアフリカを身近に感じさせる町で、白壁の町並みは北アフリカ風であり、アフリカ料理の「クスクス」を食べさせる食堂も多い。ここからはアフリカへの船や海岸から望むことができるエガーディ諸島などへの船が出ている。
塩田と塩の交易で栄え、現在も広い塩田と外海から守られた良港がある。青い海を背景にうず高く積まれた純白の塩のいくつもの山は目に痛いほどまぶしく輝く。かつては塩を汲み上げていた風車が沢山あったが、最近5基の風車が復元され一層絵になる風景を作りだしている。
町には14世紀に建造され17世紀に拡大されたアンヌンツィアータ(Santuario dell'Annunziata) 教会があり、その左手にはルネッサンス期の「船乗りの礼拝堂」がある。

●マルサーラ(Marsala)

トラパーニから南へ50km。この海岸通りは地理的に古代カルタゴに近いため、遺跡は多い。
マルサーラとはもとはフェニキア人の町であったが、侵略したサラセン人たちが古代の町をすっかり破壊して造り変え「マルサ・エル・アラー」(アラーの港)と呼んだ。これがマルサーラの地名となった。
もともとワインを製造していたが、18世紀イギリスの商人によって紹介され 「マルサーラ・ワイン」 として一躍有名になった。主に甘口ワインだがなかなかの高級品。小さな町に4つの巨大なワイン工場があり、希望者には見学をさせてくれる。

郊外のモツィア(Mozia)にあるカルタゴ遺跡と並んで見落とせないのが、考古学博物館(Musea Archeologico)に展示されている全長35mもあるフェニキア船だ。
第一次ポエニ戦役でローマ軍に破れて沈没したという木造船、骨組みの一部で船首の部分は復元されているとはいえ紀元前200年半ばの実物が見られるのだから、やはり感激だ。

考古学博物館と並ぶように海に面した通りにあるレストランでは、魚料理やイワシと松の実とオリーブ油のパスタなどの シチリア料理 が食べられる。
また、シチリアっ子の好物はトマトやチーズ味の中に豆、ひき肉が入ったライスコロッケ、アランチャ(Arancni)だ。スナックとして若い人などが立ち食いしている。
その他、オレンジ、レモン、アーモンドの入ったアイスドリンクは強い日差しのもとで乾いた喉には最高の飲み物だ。辛口は食前酒に、甘口はデザートにとマルサーラ・ワインも地元でゆっくり味わいたい。ただし、飲酒運転が禁物であることはここでも同じ。

●セリヌンテ(Selinunte)

マルサーラから州道(S115)で約30km、地中海に面したシチリア最大の神殿群セリヌンテは、紀元前650年にギリシャ人によって築かれたもの。
西の海岸近くに5つ、東の丘陵地帯に3つの神殿跡があり、この2つの神殿群を結ぶ距離はおよそ1km。
前409年にカルタゴの襲来で破壊され、後の大地震でほとんどが崩壊した。これらの神殿の多くは崩落したままだが、現在は東側の、女神ヘラに捧げたと考えられる紀元前480年頃のドリス神殿の一部などが復元されている。 西のアクロポリスは柱列が復元されているだけだが、ポリス北部にはカルタゴ時代の住居跡があり、区画整理された町並みに往時の高い生活水準が想像される。

●セジェスタ(Segesta)

セジャスタへはセリヌンテからアウトストラーダA29(高速道路)へ出て北へ約60km。
バルバロ山の斜面にあるギリシャの遺跡。バルバロ山の頂上(標高431m)に円形劇場をはじめ、保存状態のよいドーリア式神殿、山腹に広がる都市跡などがある。
内陸でしかも山頂にかけての決して緩やかではない斜面に、なぜこれほど大きな規模の建造物とともに多くの人が住み着いたのか学説はさまざまで、いまだ謎の多い遺跡である。

○円形劇場(Teatro)

遺跡全体を見学するには、入り口から劇場までのバスに乗ることからはじまる。
駐車場は入り口前にあり、これから先は一般車は乗り入れできない。バスで山頂までは5分程度だが、徒歩では20〜30分の山登りだ。
頂上の円形劇場は、紀元前3世紀頃に建造されたといわれ、後にローマ人によって手が加えられた。直径63m、観客席が20段ある。
規模はそれほど大きくないが、自然の岩山を削って造られている。舞台部分は原型もほとんどないが、観客席上段からは田園やのどかな丘陵地帯が望め、その眺望は抜群だ。
とくに眼下には大きくうねった高速道路が見渡せ、古代の上演の様子と人々の賑わいを想像しながら、現代の大パノラマ風景が楽しめる。

○神殿(Tempio)

山頂から見下ろせる神殿へは、徒歩で下ろう。カーブして上ってくるバス道は通らず、山道を下る道がある。
途中、古代都市跡の城壁や四角い塔などを見ながら歩く。

このドーリア式神殿は紀元前430年頃に造られたもので、36本のそびえ立つような巨大な列柱の回廊に圧倒される。
神殿でありながら神室はなく、また黄色味がかった石材の石柱にはラブドーシス(溝)もないことから謎の神殿といわれている。あるいは未完成のままであったのかも知れないと、ここを訪れた人たちは古代へのロマンを感じずにはいられないだろう。

シチリアにはこの他まだまだ見どころが沢山ある。
セリヌンテから東へ約100kmにあるアグリジェント(Agrigento)は、古代ギリシャの遺跡群の代表的なところであり、シチリアのハイライトともいわれている。
また、「シチリアのヘソ」といわれるエンナ(コース1を参照)からほど近い山の中にあるピアッツァ・アルメリーナ(Piazza Armerina)は、ローマ時代の富豪の別荘で、絢爛豪華なモザイクの傑作もシチリアの貴重な遺産だ。
レンタカーでの気ままな旅ゆえに、出会った村や町の人々から聞いた情報でつい沢山の寄り道をしてしまう。またいつかシチリアの旅の続きをご紹介したい。



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取材:2001年1月