南フランスへの旅・コラム



プロヴァンス地方の歴史

紀元前1万年、この地方の岩場などに人類が居を構えていたことはすでに知られている。その後、紀元前600年ギリシャ人が侵入しはじめ、また小アジアからフィカイア人が現在のマルセイユにプロヴァンス最古の都市マッサリア王国をつくった。
やがてローマ帝国との関わり合いを深め、その西ローマ帝国の崩壊とともにフランク王国の支配下となる。
885年プロヴァンス王国が創立されるが、長い混乱の末13世紀初頭、フランス王ルイ8世がアヴィニョンを包囲。1229年ローヌ川右岸はフランス王国となった。
1309年、ローマにあるべき法王庁がアヴィニョンに移され、以降約1世紀もの間、アヴィニョンは繁栄、第二のローマとなった街は法王庁宮殿をはじめ、教会、修道院など豪華な建造物が建てられた。
しかし、プロヴァンス地方がフランスに合併されたのは15世紀も後半になってから。そして、現在のように、プロヴァンス・アルプス・コートダジュールとして地方議会が成立したのは1974年1月のことである。



ローヌワイン

ヴィエンヌから南ヴァランス(Valence)までの国道7号線(N7)、ローヌ川沿いの道は“ルート・ド・ソレイユ”(太陽の道)という愛称を持ち、ローヌ川の岸の急斜面に、しがみつくようにぶどう畑が広がる。夏は暑く、冬は寒い大陸性気候の影響を受けるとともに日当たりも良く水はけもよい。高品質のローヌワインの産地だ。
また、地中海からリヨンに至る中間地点で、昔は旅行者の宿泊地であった。いわゆる街道の宿場だ。主に単一品種から造られるこの地方のワインのうまさが、旅人の口コミで広がった。なかでも十字軍の遠征で疲れた兵士が隠遁生活の中で植えたという伝説のぶどう畑、いまでも最も美しいといわれるぶどう畑エルミタージュは17世紀にはイギリスやロシア宮廷までその名声を轟かせたという。



ヴェエンヌの宿

RELAIS500 DE VIENNE ★★
TEL 04 74 58 81 44

国道N7沿いにあるホテル。広い敷地に1階建て。モーテル式の宿で、部屋数14。他に2階建てのホテル式の部屋が10室ほど。全てツインルーム、バスまたはシャワー、トイレ付き。建物はあまりきれいではないが、部屋は清潔だ。一泊260フラン(約7,000円)、レストランを併設。



サント・マリー・ド・メールの宿

HOTEL LE MIRAGE ★★
TEL 04 90 97 80 43

海岸通りに近い。2階建て27室で、この町では大きい方のホテルだ。ツインでシャワー付きだが、バスタブ付きの部屋もある。別棟におしゃれなレストランもある。部屋は狭いが清潔で、家族的な雰囲気がある。一泊250フラン(約6,500円)。



サン・ベネゼ橋(アヴィニョンの橋)

この町にローマ法王庁がきた中世のころのこと、民衆がこの橋の上で「アヴィニョンの橋で踊ろうよ、踊ろうよ・・・」と民衆が浮かれ騒いだということでよく知られている。橋は1177年から8年の歳月をかけて建造されたという。
建設当時は長さ900m、22のアーチがあったが、戦争やローヌ川の氾濫で、何度も破壊。その度に修復されていたが、17世紀の大洪水で崩壊し、修復はそこで打ち切られたまま。現在は4つのアーチと2階建てのサン・ニコラ礼拝堂を残しているだけ。
橋のたもとには、映像館があり、アヴィニョンの歴史を映像と音楽で見ることができる。



プロヴァンス地方の代表的ハーブ

ラベンダー(Lavender)


シソ科多年草
原産地は地中海沿岸地方。水はけと日当たりの良いアルカリ性の痩せた土地で育つ。
花言葉幸運、不信
人とラベンダーとの関わり合いは古く、古代ギリシャ、ローマの人々も愛用。その芳香を愛し、香水、ポプリ、化粧品と利用価値は多い。また、薬用としても用いられてきた。花の種類もいくつかある。この地方でよく目にするのは、ラヴァンダン。ラベンダーと一見似ているが、背丈はらラベンダーより高く花が咲くとハリネズミのように見える。ラベンダーより栽培が容易だ。ただし、香りのエッセンスはおとり、石鹸やシャンプーなどに利用されている。

薬用としての効用は鎮静、鎮痛、殺菌消毒、利尿などと幅広い。


タイム(Thyme)

シソ科多年草
原産地は地中海沿岸地方。水はけと日当たりの良い痩せた土地で育つ。
花言葉勇気
古代ローマでは、この植物の持つ品位と優雅さから儀式などに使われていた。後にチーズやワインの香り付けにも用いられるようになった。
用途は多く、ねんざや虫さされなどの湿布から肌をひきしめるというローションまでさまざま。
またお茶や料理のシチュー、マリネなどの肉や魚、卵とあう。

薬用としての効用は防腐、殺菌から風邪、腸、肝臓、貧血、頭痛などほかにも多くある。


セイジ(Sage)

シソ科多年草
原産地は地中海沿岸地方。適度な乾燥と太陽それに痩せた土地を好む。
花言葉家庭的な徳
ラテン語の「救う」の言葉に由来。その名の通り治療薬として古くから利用されてきた。とくに古代エジプトでは脳を活性化するとして、老化を防ぐといわれていた。また悲しみを癒す力があると、墓所などにも植えられていた。
肉料理や、ソースやスープなどの香り付けに使われている。お茶としても飲まれている。

薬用としての効用は神経、消化器など身体のあらゆる機能に刺激し活力を与える。とくに抜け毛防止に効果がありヘアケア剤などに使われている。


その他

セリ科の一年草コリアンダー(Coriander)もこの地中海沿岸の原産で、種はめまいに効くいわれ、葉は大麦などと混ぜてスープで飲むと、病後の回復力となる。料理としては魚貝とよくあう。
また、このほかプロヴァンスではシリア原産のクレリーセイジ(Clary Sage)やバラ(Rose)など沢山の種類のハーブが栽培されている。



プロヴァンス地方の代表的な料理


太陽のめぐみをいっぱいに受けた野菜やハーブ、キノコ類、それに地中海に新鮮な海の幸などにオリーブオイルとニンニクを加えたものがプロヴァンス料理である。有名なのがブイヤベースピストゥソースを使ったスパゲティだ。


ブイヤベース


旬の魚や貝を手を加えずにそのままの形で、トマトとサフランで煮込む。魚の種類は少なくとも4種類以上でカサゴやムツはおなじみの魚だ。
ニンニク、タマネギをオリーブオイルで炒めトマトと小魚のだしで煮込むのが基本。だし汁スープに魚貝、ジャガイモなどを入れ、塩、コショウ、サフランで味付けする。食べる時は魚とスープは別々の皿に盛り付ける。もとは漁師の安い料理だったが、いまはサフランが高いので高級料理となった。


ピストゥソース

スパゲティや野菜スープに入れるソース。
ペースト状にすって練った生のニンニクにバジル、松の実、オリーブオイルとレモン汁、それにおろしたエダムチーズを、ミキサーで混ぜればプロヴァンス風ソースの出来上がり。