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冬の西伊豆



四季を通して一番静かな時期、空気も澄んで富士山の眺めもすばらしい。気候も温暖な西伊豆は冬の旅としては楽しめるところだ。

雲井からの富士山 沼津を起点に西浦、大瀬崎を経て戸田岬へと下る。これより土肥、松崎、雲見温泉へと約150km。ここでいったん西伊豆といわれるコースは終わるが、好天に恵まれて石廊崎で遊び下田から修善寺経由で帰路についた。
駿河湾に面して走る国道414号線を伊豆長岡方面と分かれ、県道17号線を辿る海岸線は温泉と富士山の景観で名高い名所と景勝地だ。湾から岬から、そして高台から秀麗富士を望み、弧を描いて続く砂浜や怒濤を砕く岩礁伝いに17号線は走る。
オンシーズンには木々の緑、花々に彩られ賑わう街道も食堂や土産屋などは店が閉められ、いまは寂しい。だが、それだけに真白き富士や紺碧の海がまぶしい。

西からの季節風の吹く日は海も荒れ、肌を刺す風も冷たいが南に突き出た半島の日差しは明るく透明な空気が流れる。温泉に浸り静かな町を探索し、美しい風景を眺めること、それが冬の西伊豆の楽しみ方だ。





<コース>
沼津−(国道414号線江浦湾で県道17号線)−戸田村−土肥町−堂島温泉−松崎町雲見温泉−南伊豆町石廊崎−下田−河津温泉−天城峠を越えて沼津
全行程 約350km、2泊3日

ルート付近のリンクポイントをクリックしてみてください

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●戸田へ

東名高速沼津ICを出て、JR沼津駅を目指して国道414号線を入ると間もなく右の松林の中に「沼津御用邸記念公園」を観る。ここから道は海べりを辿る。魚の干物を売る店、魚を天日に干す家が海岸通りに続く。
沼津の御用邸跡の庭
沼津の御用邸跡の庭
駿河湾を見ながらの散策路もある
駿河湾を見ながらの散策路もある
やがて内浦湾を回り込むと、ここより大瀬崎の間はスキューバダイビングの世界だ。ダイバーたちにとっても海底の美しさもさることながら、駿河湾を隔てて真っ正面に長いすそ野を広げてそびえる雄大な富士の姿はこころ奪われるものだろう。
浜には数人のダイバーがいるだけだった
浜には数人のダイバーが
いるだけだった

海岸縁の古い石灯籠
海岸縁の古い石灯籠
富士山を眺めながらの贅沢な道を岬の灯台で分かれると上り坂となる。その坂上に「夕映えの丘」といわれる展望台がある。眼下一面に広がる青い駿河湾の海、遠くに南アルプスの白い峰を観る。

●戸田港


展望台から下ると戸田港に着く。ここは駿河湾だけで捕れる高足カニをはじめ近海漁に恵まれた漁村だ。魚介類を売るみやげ屋センターが港に数件あり、冬は休日以外は人影もまばらだ。港を囲む湾の先端には浴槽から富士山の見える温泉宿がある。
戸田漁港へつながる運河?
戸田漁港へつながる運河?
戸田の灯台
戸田の灯台
戸田の温泉、壱の湯
戸田の温泉、壱の湯
土肥温泉の足湯
土肥温泉の足湯

●土肥町

西伊豆最大の温泉町で、町のあちこちから温泉が湧く。江戸時代には国内でも有数の金の産出量を誇る金鉱があり“土肥金山”の町として栄えた。
土肥の金鉱跡
土肥の金鉱跡
土肥の安楽寺。ここが土肥温泉のルーツ
土肥の安楽寺。
ここが土肥温泉のルーツ

その坑道から400年前に湧き出た湯が、いまの土肥温泉のはじまりである。
温泉の発祥地は「安楽寺」にあり、“安楽寺まぶ湯”として現在も湯が湧き出る源泉がある。町内には4つの公共温泉浴場もある。
まぶ湯。源泉はここにある
まぶ湯。源泉はここにある

土肥の世界最大の花時計
土肥の世界最大の花時計
町の中心部にある松原公園には直径31mの花時計があり、周囲には小石を並べた歩道があって、これを素足で歩くと足のツボを刺激して健康によし。
ちなみに花時計は世界最大でギネスブック認定だそうだ。

県道17号線は土肥温泉で終わり、土肥峠から下ってきた国道136号線となって海岸線を南下する。
現代になって付けられた名前は、いかにもそれらしいものが多い
現代になって付けられた名前は
いかにもそれらしいものが多い

土肥の港近くはダイビングの初心者に人気のスポット
土肥の港近くはダイビングの
初心者に人気のスポット


●恋人岬と黄金崎

恋人岬には写真を撮るカップルが…
恋人岬には写真を撮るカップルが…
土肥の市街地を出て間もなく「恋人岬」駐車場がある。実際の岬はこれより徒歩約15分。先端には小さな釣り鐘があり、鐘を3回鳴らすと恋が実るという。
駐車場から短いトンネルを抜けると黄金崎への標識がある。

プロピライトとよばれる成分を含んだ黄褐色の断崖絶壁となり大海原に落ちている。遙か絶壁の下では冬の強い風に怒濤のごとく押し寄せる波は白く砕け散る。見事な景観だ。
この黄褐色の断崖が夕日を浴びると黄金色に輝くことから“黄金崎”の名が付いた。
黄金崎
黄金崎
(画像をクリックすると拡大写真が表示されます)

●松崎町

伊豆半島の背骨にあたる天城の連山が海岸線まで押し寄せる松崎町への国道は、短いがいくつかのトンネルがある。これらのトンネルを抜けると堂ヶ島へ。有名な堂ヶ島の“らんの里”もこの季節はまるで閉園かと思うほど静まりかえっていた。
西伊豆の高級温泉街のイメージのある堂ヶ島温泉もウィークデイということもあってか人影はまばらだった。

ミカン畑と海がきれい
橋に干された大根の列
橋に干された大根の列
温泉半島ともいえる伊豆では宿泊先はやっぱり温泉宿だ。
松崎町も土肥町に劣らず温泉が多く湧く。海辺の湯、山の湯と温泉宿もいろいろある。
中でも下田方面へ向かう県道15号線沿いにある「大沢温泉露天風呂」はユニークだ。清流、那賀川の流れのほとりにある岩風呂で、最近までは湯治客を泊めていたという長屋風の建物もあるが、現在は日帰り温泉として営業している。

山の宿。自然の岩の自噴温泉が自慢
山の宿。自然の岩の
自噴温泉が自慢

那賀川の対岸へ細い吊り橋をわたって行く。ガラス戸がはめ込まれた湯治場の風情を残す古い建物は受付兼休憩所だ。
ここで1人500円を払うと男女別の入口に案内してくれる。小さな脱衣場の先は、100年も前から自噴しているという天然の温泉と、当時から変わらない自然の岩を利用したこぢんまりとした浴槽だ。板塀で仕切られた男女別は普通の浴槽の3分の2ほどしかないのが面白い。

松崎の港に近い町の中の温泉宿「豊崎ホテル」もユニークだ。1泊2食つきのお仕着せ料金ではなく、朝食のみの料金で6,500円はビジネスホテルなみ。だが、部屋は広い和室で屋上には直径2mもあるサワラの木で作られた樽型をした露天風呂などもある旅館だ。
松崎港と町
松崎港と町

通りを隔てたところに食事処とみやげ物の店を経営していて、多くの客はここで蕎麦からおまかせ料理までの食事をとる。80歳になる女将のアイデアだとか。
もうひとつ、この宿で見逃せないものは駿河湾で捕れる魚を剥製にしてまるで博物館のように展示していることだ。
その種類数百種、駿河湾にこれほど多くの魚が回遊しているのかと驚かされる。女将曰く「これだけの剥製をつくるのには家一軒買えるほどのお金をつぎこんだんだよ。でも好きだからねぇ」

○松崎町のなまこ壁

松崎といえば明治時代養蚕業で栄えたころに建てられた商家、中瀬邸をはじめとして豪商たちのなまこ壁をめぐらせた家々が残されていることで有名だ。
なまこ壁の橋と民家
なまこ壁の橋と民家
「伊豆の長八」の墓と寺
「伊豆の長八」の墓と寺
また、この町に生まれた入江長八は漆喰鏝絵(しっくいこてえ)という独自の手法で名をはせた江戸時代の左官で、その作品を奉納した浄感寺がある。
長八記念館となっており、このめずらしい漆喰鏝絵をみることができる。境内には長八の墓もある。

●室岩洞

松崎の市街を抜けると間もなく「室岩洞」と書かれた看板と数台駐車できるパーキングがある。そこから海に向かって急な階段を下ると太田道灌が江戸城築城のための石垣を採掘した石切り場跡がある。その後も採石が続き昭和29年まで行われていた。
延長約350mの深く切り出した跡には透明な水も湧く。洞窟を抜けると石を船に積み込んだという自然の入江に出る。ここからの富士山の眺めは最高だ。
室岩洞の入り口
室岩洞の入り口
切り出した石を運んだ通路
切り出した石を運んだ通路
室岩洞からの富士山
室岩洞からの富士山

●雲見

国道136号線の下に雲見の集落がある。わずかな土地に民家がひしめき合うように建ち並び、車は軒をかすめるようにして浜辺に出る。

2つにわれた岩、2つを結ぶしめ縄、その間に浮かぶ富士の山。もうそれだけで感動なのに2艘の漁船が通る。日本一の山を眺める日本一のロケーションだ。
温泉に浸かって富士を仰ぐ。やはり冬の富士山が一番美しいと地元の人の話。言葉はいらない、写真が日本一の絶景を語ってくれるだろう。
雲見からの富士山
雲見からの富士山
(画像をクリックすると拡大写真が表示されます)

●石廊崎

石廊崎の灯台
石廊崎の灯台
雲見を後にすると道は海から離れ南伊豆へと辿る。差田で国道と分かれ石廊崎へと下る。空は晴れていたが強い西風が吹いていた。

伊豆半島の最南端の断崖絶壁を噛み砕く波は白く風の中で狂ったように踊っていた。
その先端のある灯台へは徒歩で30分、船上から観ることもできる。
この強風の中でも観光船は出るという。ただちに船に乗り込んだ。取材者2人以外他の客はいない。一瞬迷ったがプロの船長が「大丈夫」という。

深い入江の石廊崎港を出るころ、右手の岬の先端に白い灯台と絶壁の窪みにある約1300年前に創建されたという漁師の守り神の石室神社が見える。
入江を出ると、大きくうねった波、岩に砕ける波、波の中でしぶきを上げながら左右に揺れる船。だが、石廊崎海岸のすばらしさは浮かぶ岩礁の間をぬって行く船からの眺めであろう。
石廊崎沖
石廊崎沖
(画像をクリックすると拡大写真が表示されます)

石廊崎より下田へ出て、河津から七滝ループ橋を回って沼津へと国道414号線を辿った。冬の日は短く、傾いた太陽に追われるように天城峠を越え、伊豆のわさび畑を見学するともう日はとっぷりと暮れていた。東名高速道路を一気に東京へと戻る。
河津のループ橋
河津のループ橋
天城のワサビ田
天城のワサビ田



○関連記事

早春の伊豆(2002/2)
富士山の見える峠と宿・伊豆編(1998/2)



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伊豆半島の観光案内
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西伊豆町
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伊豆松崎町観光協会
松崎町の温泉情報のほか、「スケッチマップ」では町内各地のみどころがまとめられている。

取材:2003年1月