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イタリアの旅(6)
ドロミティ山群からオーストリアの山々へ

ドライブライン

ミズリーナ湖とカッツェンレイター山 イタリアの北部からオーストリアに続く大山岳地帯、ドロミティ(Dolomiti)山群、その3,000m級の山々に囲まれたコルチナ・ダンペッツォ(Cortina-D’Ampezzo)は、冬はスキーをはじめウィンタースポーツ、夏は岩登り、登山、ハイキングの他、さまざまなスポーツや保養設備の整った、ハイクラスのリゾート地である。
一方、オーストリアのチロル、ザルツブルグ、ケルンテン州の三州にまたがるホーエ・タウエルン国立公園は、山岳を舞台とする大観光地であり、スポーツ地域でもある。なかでも、標高3,797mのオーストリアの最高峰グロスグロックナー(Grossglockner)と、周囲にそびえる3,000m級の山々を縫うように走る山岳道路は、ドライブコースとして人気が高い。
石灰質の起伏の激しい山塊は、浸食によって針のように尖った針峰群が特異な風景を見せる。ドロミティ山群と雪と氷河のグロスグロックナー周辺は、山の麓は共に穏やかな斜面が広がり、高山植物や野生動物を見ることができる。そして牧場や村や教会などが点在し、まさに風景はアルプスの少女ハイジの世界である。


サムネイル1 サムネイル2 サムネイル3 サムネイル4 サムネイル5 サムネイル6

ドライブライン

<コース>
ヴェネチア(Venezia)−S13号線−S51号線−コルチナ(Cortina)−コルチナを基地に周辺をドライブ
行程 ヴェネチア〜コルチナ間 約130km、ドロミティ・コルチナ周辺約110km

ルート付近のリンクポイントをクリックしてみてください

<ルート付近のリンクポイントをクリックしてみてください>



●ドロミティ山群

マルモラーダ連峰
マルモラーダ連峰(最高峰は3,342m)

コルチナの谷を中心に石灰質の浸食による起伏の激しい雄大な山塊の連なりで、最高峰は標高3,342mのマルモラーダ(Marmolada)連峰である。またコルチナの南東には3,263mのアンテラオ(Antelao)の高峰などを持つ山塊があり、大きく分けて3つの山脈からなる。
これらを結ぶすばらしい山岳道路やよく整備された小道(トレッキングコース)などがある。さらに、ここからオーストリアへの広大な山岳景観は、車窓や展望台などから誰でも眺めることができる。
イタリア国道51号線はドロミティ散策道路でもある
イタリア国道51号線は
ドロミティ散策道路でもある


●コルチナ・ダンペッツオ(Cortina・D'Ampezzo)

ドロミティ山群の東ダンベッツオの渓谷、標高1,210mにあり、ドロミティ山群の中心地。夏は登山・ハイキング、冬はスキーと世界各国から人々が訪れる高級リゾートの街である。

周囲には3,000mを越える山々がそびえ、石灰岩むき出しの山肌に朝な夕な、光が奏でるシンフォニーは、アルプスの中でも独特な景観を持つ美しさとして、訪れる人々の心を魅了する。
教会を中心とした町並には、世界中のブランド店が軒を連ね、高価な毛皮のコートなどがウィンドウを飾り、そぞろ歩く人もまた流行を着こなすハイセンスな富裕層。もちろん世界各地からの気軽なツアー客や、登山やハイカーの姿も多い。
コルチナ・ダンベッツオの遠望
コルチナ・ダンベッツオの遠望
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コルチナ・ダンベッツオへの標示
コルチナ・ダンベッツオへの標示
岩山の迫るコルチナの町
岩山の迫るコルチナの町

コルチナ・ダンベッツオの夕暮れ
コルチナ・ダンベッツオの夕暮れ
コルチナ南東の山村
コルチナ南東の山村

●ミズリーナ(Misurina)湖

コルチナの街から約15km北東にある標高1,750m、深さ約5mで周囲3km弱の細長い湖。オーストリアへ続く幹線道路沿いにあるので訪れる人も多い。交通の便が良いことに加えて、ホテルをバックにそびえる標高3,205mのソラピス(Sorapiss)山群とその氷河を湖面に映す、神秘的な美しさが人気のスポットにもなっている。また北側には、クライマーの憧れともいわれる堂々とした岩の峰、ドライ・チンネ(Dyei-Zinnen)を見る。
広い駐車場には大型バスがひっきりなしに停まり、この絵はがきのような風景に向けた観光客のカメラのシャッター音が響く。先を急ぐツアー客にとっては、後で見る写真が思い出なのだろう。

ミズリーナ湖とカッツェンレイター山
ミズリーナ湖とカッツェンレイター山(2,246m)
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ソラピス山群の氷河とミズリーナ湖畔のホテル
ソラピス山群の氷河と
ミズリーナ湖畔のホテル


●ドライ・チンネ(Drei-Zinnen)

イタリア名ではレチメ・ディ・ラヴァレード(Tre-Cime-di-Lavaredo)という。標高2,999m、2,973m、2,858mの3つの峰で、ドライ・チンネとは3つの尖塔状をした岩峰のこと。
ミズリーナ湖から約5km、最高勾配16%という山岳道路。終点は3つの岩峰を背に標高2,320mのアウロンツォ(Auronzo)小屋がある。ここは有料道路で20ユーロ。小屋の下には大きな駐車場もあるが、シーズン中は大変混雑する。
駐車場からは、思い思いの登山スタイルでそれぞれのコースを選ぶ。チンネの三峰を一周するコースにも3通りあり、岩場の多い上級と、上り下りは多いが牧歌的な山裾を回るルート。その中間のコースだ。その他はクライマーたちの領域で、垂直に近い岩壁を登攀する人の姿もみることができる。
アウロンツォ小屋付近からのチンネ
アウロンツォ小屋付近からのチンネ

トレクローチ峠、チンネへの道
トレクローチ峠、チンネへの道
クライマー憧れのチンネ(南東側)
クライマー憧れのチンネ(南東側)
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こんな岩山が随所に見られる
こんな岩山が随所に見られる
針峰群とトレッカー(チンネ南東)
針峰群とトレッカー(チンネ南東)

アウロンツォ小屋(左下)と針峰群
アウロンツォ小屋(左下)と針峰群
足の弱い人でもアウロンツォ小屋付近でドロミテ展望に満足できる
足の弱い人でもアウロンツォ小屋付近で
ドロミテ展望に満足できる



西側のディランドロ湖から見るチンネ
西側のディランドロ湖から見るチンネ
西北からのチンネ
西北からのチンネ

●ラガツォイ・ピッチョレ山(Lacaccio-Piccolo)

コルチナの市街から西、ダンペッツオ渓谷を隔てR48号線を約15km、標高2,105mのファルツァレーゴ峠(Passo-di-Falzarego)へ着く。小さな教会(無人)と一軒のみやげ物屋があり、周囲には観光バスが何台も並んでいた。ここから急峻な岩壁をエレベーターのように上るケーブルで約3分、標高2,752mの終点駅へ着く。ケーブルの先にはレストランと、その前に広がる木造のテラスがあった。これより2,778mのラガツォイ・ピッチョレの山頂へはすぐだが、尖った岩山の尾根を登る。高度感もあってスリル満点だ。
テラスからの展望はドロミティ山群が一望される。また帰路ケーブルを利用せずに下るトレッキングコースもあるので、時間と足に自信のある人にはお勧めだ。夏にはさまざまな高山植物の可憐な花々に出合う。幸運に恵まれれば、高嶺の花エーデルワイスをみつけることもできるだろう。

ファルツァレーゴ峠(右はケーブル駅)
ファルツァレーゴ峠(右はケーブル駅)
ケーブルカーのラガツォイ山頂駅から峠を見る
ケーブルカーのラガツォイ
山頂駅から峠を見る


ラガツォイ小屋(2,752m)。イタリア・オーストリア国境に近い
ラガツォイ小屋(2,752m)。
イタリア・オーストリア国境に近い

ラガツォイ小屋のテラス。ドロミティ山群の大展望が開けている
ラガツォイ小屋のテラス。ドロミティ山群の
大展望が開けている
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トファネ山(3,243m)=ラガツォイから
トファネ山(3,243m)=ラガツォイから
ペルモ(3,168m)=ラガツォイから
ペルモ(3,168m)=ラガツォイから

ラガツォイ山頂上(2,778m)へは簡単に行けるが足を滑らせたらおしまい
ラガツォイ山頂上(2,778m)へは簡単に
行けるが足を滑らせたらおしまい

ラガツォイ山頂付近の岩に穿たれた第一次世界大戦の塹壕。機関銃が据え付けられていた
ラガツォイ山頂付近の岩に穿たれた第一次世界
大戦の塹壕。機関銃が据え付けられていた


しかし、この美しい山岳地帯にも悲惨な第一次世界大戦(1915〜1918)の遺物や傷跡が多く残されている。ドロミティ山中を抜けて走るボルツァーノ(Bolzano)からコルチナ・ダンベッツオへの道路は、ルネッサンス時代にヴェネチアからドイツへ向かう商人によって使われた。その後第一次世界大戦で軍事道路として、兵隊や武器を運んだ重要な道であった。
ミズリーナ湖からサン・アンジェロ(S.Angelo)峠へ登ると、ほぼ正面に見える平坦な山がある。ここは第一次世界大戦の激戦地の舞台だったところ。ドロミティの山群はごつごつと尖った岩山だが、不自然に平らな山は、大砲や地雷、大量の火薬を仕掛けての爆破によって、山をも吹き飛ばしたという。

ラガツォイ・ピッチョレ山頂近くにも、かつての岩を積み上げた堅固な要塞、岩山をくり抜いた塹壕などを見ることもできる。またいくつもの塹壕跡への道もあり、テラスから見学路もできているが、かなり危険な岩場などであるため、登山の装備も必要なところもある。
イタリア民謡に「山の大尉」という歌がある。昔、意味も知らずに歌っていたのだが、ここイタリアとオーストリアの国境を接するドロミティ山群で戦ったイタリア山岳兵の歌であったことを知った。オーストリア山岳兵の移動したルート標識もあった。
それにしても、こんなに鋭くそそり立つ岩山に地雷や大砲などの重装備を運び、また厳冬のアルプス山中での3年にも及ぶ戦いは壮絶を極めたであろうと、想像を絶する思いでもあった。

オーストリア山岳兵のルートを示す
オーストリア山岳兵のルートを示す
48号線は九十九折りが続く(ラプリエ付近)
48号線は九十九折りが続く(ラプリエ付近)

バルパローラ峠付近(コルバラへ向かう)
バルパローラ峠付近(コルバラへ向かう)
スキーリゾートとして知られるコルバラ
スキーリゾートとして知られるコルバラ

ファルツァレーゴ峠からR48号線のメインロードを離れ、東北へ狭い山道を走る。この道は2,000m級の3つの山を約30kmで一周するコースだ。尖った岩山の麓、急な斜面に広がる牧草地と、そこに建つ家々は見る者には美しいが、かつてはそこで生活する人にとっては難儀なところであっただろう。
いまは、急斜面の一軒家まで、狭いながらも舗装道路が続いていた。そんなのどかな村の一つに今冬「スキー・ワールドカップ」開催地となったコルバラ(Corvara)がある。ドロミティの中心ともいわれるセラ(sella)山群の中にあり、欧州を滑ることにとりつかれた日本人のスキーヤーにも憧れのところ。もちろんトレッキングコースも人気の場所だ。

再びR48号線に出て、コルチナ・ダンベッツオに戻り、オーストリア・アルプスの最高峰グロスグロックナー山群へとドライブの旅は続く。


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取材:2008年10月