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食の国、石川・福井の冬

ドライブライン

美しい越前海岸 福井、石川、富山3県は北陸三国と呼ばれ、冬は日本海の荒波とともに、その海で捕れるズワイガニをはじめ甘エビ、ブリ、ノドグロ(アカムツ)ホタルイカやハタハタ、ナマコにコノワタなど旨いものがいっぱい。
また美食家で知られる北大路魯山人が、加賀の山中町で生まれ山代で育った九谷焼や旬の素材を生かした加賀の懐石料理、さらに漆器の山中塗りに魅せられる。ここで魯山人の優れた味覚や「器は料理の衣」と洗練された加賀の食文化に傾倒していったところ。

金沢から加賀、山代、山中町を経て雪の永平寺を訪ねた。そして3月中旬まで漁を行うという冬の味覚の王様“越前ガニ”(ズワイガニ)の越前海岸を北へ、壮大な柱状の岩礁で有名な東尋坊まで、日本海の荒波を砕く奇岩風景を眺めながらのドライブだ。
寒さは少し厳しいが、幹線道路はいつも除雪されスタッドレスタイヤを履いたレンタカーなら雪の北陸路も安心してドライブができる。


サムネイル1 サムネイル2 サムネイル3 サムネイル4 サムネイル5 サムネイル6

ドライブライン

<コース>
小松空港−金沢(泊)−(北陸自動車道)−加賀IC−(国道364号線)−山代温泉−山中温泉−永平寺−福井市−(国道365号線)−越前町−(国道305号線)−東尋坊−加賀IC−(北陸自動車道)−小松空港
行程 3泊4日

ルート付近のリンクポイントをクリックしてみてください

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●小松空港から金沢

小松空港へ着いたのは北陸地方に豪雪があった3日後だった。金沢の冬の風物詩である樹木を守る縄がけの風景が見たいと思った。このところの暖冬で兼六園の雪景色はしばらく観ていなかったから、と予定を一日変更して金沢へ。

金沢・兼六園
金沢・兼六園
小松空港からの距離は50km足らずの上、北陸自動車道を走ると、市内までもわずか1時間だ。
だが、残念ながら市内の道路は当然のことだが雪はなく、樹木に積もった雪も落ちていた。それでも豪雪のあとは公園や道路脇に残っていた。
兼六園周辺の雪見をし、さっそく北陸の冬の味覚をたっぷりと味わせてくれる町の繁華街、香林坊・片町へと足を運ぶ。

旬のものを美味しく食べるには、やはり少し値の張りそうな料亭風や割烹と書かれた店を選ぶことだろう。地方都市でその土地の食材料理を食べることは、高級料亭以外はひとり1万円は食べきれない。泊まりをホテルにすれば2食付き一泊2万円の宿の食事代より安い。さらに好きな時間に好きな物だけ食べられるというのが魅力だ。また、店探しも旅の楽しさである。もちろんホテルやタクシー運転手などに尋ねるのもいい。

やっと見つけた店は10人ほど座れるカウンターと2階にも2つの座敷があり、年輩の夫婦と娘に若い板前がいるだけの小さなところだった。
熱燗に付いてきた「お通し」はナマコと岩もずくの甘酢。旬の旨いものを頼むと寒ブリとヤリイカ、甘エビのさしみ盛り合わせからはじまった。だだみ(鱈の白子)の酢和え、寒ブリのかま焼き、ノドグロの塩焼きなど、どれも新鮮で旨い。

ブリ、甘エビ、イカは冬の北陸の味覚
ブリ、甘エビ、イカは冬の北陸の味覚
寒ブリのカマ焼きは絶品
寒ブリのカマ焼きは絶品

●加賀市

金沢より北陸自動車道で約70km、加賀藩といえば金沢市を中心とした百万石の城下町だ。加賀市はその分藩で大聖寺藩十万石の城下町であった。
加賀百万石、前田家の菩提寺やゆかりのある寺をはじめとした建造物や遺跡も多く残る。市の中心部には藩が集めた前田家菩提寺の「萩の寺」、浄土宗の「正覚寺」、日蓮寺の「宗蓮寺」など7寺1神社があり“山の下寺院群”と呼ばれている。

芭蕉と曽良の碑(加賀・全昌寺)
芭蕉と曽良の碑(加賀・全昌寺)
その中の法華宗の寺「本光寺」には『日本百名山』の著書で知られる深田久弥の墓がある。
7寺の内、もっとも有名なのは曹洞宗の寺「全昌寺」だ。松尾芭蕉が一夜の宿を求め、お礼に寺の庭を掃き清めたたときに詠んだ句
「庭掃いて 出でばや寺に 散る柳」
の句碑が立つ。
また江戸末期に作られた517体の五百羅漢がある。一体も欠けずに今日にある。

近くには「石川県九谷焼美術館」があり、九谷焼の歴史や時代の作者による作品が展示されている。
/入館料 500円、TEL 0761-72-7466

九谷焼は江戸前期の古九谷を江戸の後期、吉田屋伝右衛門という人が、私財を投げうってオリジナルデザインで再現復活させた。
“九谷焼”とは山中町の“九谷”で焼き始めたからだ。江戸後期には珍しく大胆な構図に細かさの対比、青手と赤絵で表現する作品を作った。吉田屋窯の青手四彩のうち特に緑に特徴がある。量産せず手間暇かけ、良質の一点ものの制作にこだわりを持つ。
現在もかなりのお値段はするが、種類は少ないが良心的なところは山代町にある町営「九谷焼窯跡展示館」だ。九谷の三大窯元である吉田屋、宮本屋、九谷本窯などの作品展示と即売がされている。
/入館料 310円、TEL 0761-77-0020

現存する最古の九谷焼の窯(山代・九谷焼窯跡展示館)
現存する最古の九谷焼の窯
(山代・九谷焼窯跡展示館)

いろりと展示場は民家を移築したもの
いろりと展示場は民家を移築したもの

赤と青。九谷焼はきれいだ
赤と青。九谷焼はきれいだ
山代温泉の九谷焼窯跡展示館には手頃な価格の焼き物もある
山代温泉の九谷焼窯跡展示館には
手頃な価格の焼き物もある


●山代町

山代温泉の街路
山代温泉の街路
加賀市街より国道8号線経由、国道364号線に入って間もなく山代町に着く。
加賀市内にある温泉町としても有名だが、書家であり美食家であり、「器は料理の衣」と焼き物もみずから手がけ、食文化を広めた北大路魯山人の出発点として名高いところだ。

○魯山人寓居

魯山人の恩人のひとりでもある細野甲三は漢学者で茶人、書や美術・骨董に造詣が深く、大正4年に細野家の食客となった魯山人(当時は福田大観といった)を山代の旦那衆(温泉旅館の主人や陶芸家、料理人など)に紹介。書家と刻字看板で生計をたてていた魯山人に、大きな転機を与えた。
当時、山代温泉の吉野屋旅館の主人の別邸で美術談義に華を咲かせ、茶会を楽しんでいたという。ここで魯山人は加賀料理と懐石料理、陶芸(九谷焼)、山中塗りの漆器に魅せられ、やがて独自の食文化を築く。
この吉野屋旅館の別邸は2002年4月に一般開放されたという。明治の山代の文化サロンと魯山人等の談笑が聞こえてくるような建物だ。
/入場料 500円 説明とお茶付き
  TEL 0761-77-7111
魯山人が使っていた机と火鉢
魯山人が使っていた机と火鉢

情緒ある古い温泉旅館も多く、魯山人がはじめて焼き物に絵付けをした初代陶芸家菁華窯は今もその店があり、魯山人の彫った刻字看板がかかげられている。
魯山人の彫った看板を掲げる店もあった
魯山人の彫った看板を掲げる店もあった

●山中町

北陸の温泉町山代とならんで湯量豊富で昔から有名な温泉地だ。山代町から僅か10km南、大日系の山々から流れる大聖寺川と動橋川に沿った集落。
この町には約400年前から伝わる繊細なろくろ挽きの技術が現在に受け継がれ「山中漆器」として、この町の工芸品として知られる。国道364号線沿いには「山中漆器伝統産業会館」がある。ここで山中塗りのことをいろいろ教えてくれる。
漆器本来の味わいを大切にするための木地は欅、栃、桜など日本産で漆塗りだが、安いものは外国産の木に化学塗料が使われている。“山中漆器まつり”が毎年5月には行われる。

山中塗り。さまざまな樹木から作られる
山中塗り。さまざまな樹木から作られる

●永平寺

山中温泉から約20km、永平寺町のその奥、樹齢600年の杉の巨木に囲まれた幽谷に、寛元2年(1244)道元禅師によって創建された曹洞宗の大本山の永平寺がある。
約10万坪の広大な境内には七堂伽藍をはじめ70余りの殿堂楼閣が建つ。聖宝には国宝「普勧坐禅儀」や「正法眼蔵仏性第三」など貴重な文化財が展示されている。
急いで車を走らせたが、冬の時期は拝観は午後4時までということで、今回は内部を知ることができなかった。
しかし、雪景色の中の永平寺の荘厳な佇まいに寒さを忘れるほどの美しさだった。

永平寺は雪に閉ざされていた
永平寺は雪に閉ざされていた
(画像をクリックすると拡大写真を表示します)

永平寺
永平寺

●福井市内へ

短い冬の日にせきたてられるように市の繁華街へ。ホテルは前日にインターネット予約、または当日車内から携帯で探す。
福井の冬の味覚は「越前がに」である。テレビで紹介されるような高級ホテルや料理屋というわけにはいかないが、本物が食べたいと地元の人に尋ねての情報探し。
そもそも「越前がに」とは福井県越前町から三国町までの海岸線に沿った深海(約400m)から揚がったズワイガニのことを指す、と地元の漁師の話。要するにブランド蟹というわけだ。

店のつくり、料理の内容、料金などからホテルの支配人が推薦の割烹料理屋に決めた。だが町の人や店の人の話でも「すでに脱皮の季節に入った」という。脱皮したズワイガニは“ズボ”といってブランド蟹には見た目も味もほど遠いもの。(これは翌日、ブランド蟹を食べるチャンスがあって知った)
脱皮したズワイガニは殻も身も柔らかい。
1パイ3,000円の“ズボ”蟹はそれなりのうまみはあったが、この店自慢の天然寒ブリの刺身が油がのってシッコリと歯ざわりもよく旨かった。また、だだみ焼き(鱈の白子)は冬の最高の味覚だ。
越前ガニは北陸を代表する味覚の王様
越前ガニは北陸を代表する味覚の王様

●越前町・越前かにミュージアム

越前町にはカニ・ミュージアムもあった
越前町にはカニ・ミュージアムもあった
福井市から鯖江市を経て国道8号線を約30km。越前海岸、越前町に着く。
越前蟹の生息地や漁の様子、その資源保護などをパネルや模型・写真などを使って詳しく説明している。
また立体映像による越前蟹の漁風景や、ブランドとして出荷されていく過程を見せてくれる。

福井市内では「すでに脱皮」したと聞かされた越前蟹は、漁は3月中旬まで行われ、高級品の多くは東京市場へ、または地元周辺の高級料理屋へと、水揚げされたその日に出荷されるそうだ。
1kg以上のものは1パイ4万円近いものもあるとか。ブランドとしての「越前がに」には爪に黄色いタグがつく。タグのないものは主に北朝鮮産や冷凍ものだという。
地元でも観光客相手の店先で釜ゆでをしているが、ほとんどがタグなしだ。また蟹料理専門店の民宿に尋ねたところ、ほとんどは北朝鮮産を使っていると答えてくれた。
越前漁港。好天でカニ船は出払っていた
越前漁港。好天でカニ船は出払っていた

越前町はカニが売り
越前町はカニが売り
カニを茹でる湯気。お年寄りが整理していた
カニを茹でる湯気。お年寄りが整理していた

老人が作り、売る干物は旨かった
老人が作り、売る干物は旨かった
カニの左腕?の黄色いブレスレットは越前がにのブランド証明
カニの左腕?の黄色いブレスレットは
越前がにのブランド証明


ところがさすが地元だ。足の何本か折れた蟹は商品価値が下がる。とくに商品価値の高い「はさみ」が折れた蟹は約半値であった。しかし、味には変わりがない。
ブランドのタグ付き「越前がに」はたしかに品質も違う。甘さと香り、それに歯ざわりのプリッとした感触は、タグつき「越前がに」独特のうまさである。1kg弱9,000円は安くはないが、納得のいくうまさであった。
またタコ、イカ、カレイ、油ののっためざしも捕れたての、地元ならではの味だ。
/越前かにミュージアム 入館料 600円、TEL 0778-37-2626

●東尋坊へ

越前町から越前加賀海岸国定公園は、冬の日本海の荒波の浸食作用でできた奇岩、くり抜かれた岩壁の自然美を惜しげもなく見せるドライブウェイだ。途中には水仙の群生地、越前水仙里公園もある。

越前海岸に沿う快適な道路
越前海岸に沿う快適な道路
美しい越前海岸
美しい越前海岸
(画像をクリックすると拡大写真を表示します)


三国町に入ると、全長約1.5kmにわたる壮大な柱状の岩壁があり、その絶景を楽しむには、1周約30分の遊覧船に乗る。海から見上げる岩礁の海岸線は迫力満点だ。

東尋坊
東尋坊
この標識は記念撮影の名所
この標識は記念撮影の名所



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取材:2004年2月