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富士山の見える峠と宿・箱根編



万葉の時代から人々にさまざまな形でかかわってきた富士山。どこから見ても三角錐の単純な線でありながら、その優美な姿は文学や絵画の題材として親しまれてきたばかりか、いつでも見る人の心に感動を与えてくれる。そんな富士山をあらためて見つめる旅に出よう。

富士山の見える範囲は意外に広く、1940年に地質学者辻村太郎が書いた『富士見十三州』によると、北は福島県から南は岐阜、三重、滋賀、そして日本海の富山、福井県まで19の都道府県から見えるという。この広い範囲の中から、富士山の見える峠を探し、その峠を結んでドライブしていきます。

いまの季節、峠から澄んだ青空に雪を頂く白い富士山を眺め、またその日の宿の窓辺から、あるいは温泉の露天風呂から秀麗な富士の山を仰ぎ見る、と取材の夢を広げたものの、続く大雪に苦労の連続だったが、第1回目のコースをお届けします。


箱根


東京−厚木(東名高速厚木インター)−小田原(国道271号線)−箱根新道より大観山往復−箱根峠−芦ノ湖スカイライン・箱根スカイライン−乙女峠−御殿場−富士五湖−河口湖より中央高速−東京




●箱根峠

東京を出たのは、今年(1998)最初の大雪が降った2日後、再び大雪が降るという天気予報の合間を縫うように僅かな晴れ間を見つけた日だった。東名高速を厚木ICから国道271号線(小田原厚木道路)へ入ると間もなく、右手に真っ白な富士山が目に飛び込んできた。はやる心を押さえながら、車のスピードをあげて箱根へと急いだ。

東名用賀から厚木ICまで35km。厚木ICから箱根口まで32km。順調に行けば約1時間の距離だ。箱根口から国道1号線をそのまま行くのもいいが、この日はチェーン規制があったので、すでに除雪されているという箱根新道を行く。休日はどっちも渋滞し、とくに休日の午後は東京方面へ向かう1号線は込み合うので時間にゆとりを持ちたい。ゆっくりと景色を楽しみながら行くなら有料道路の箱根ターンパイクがお薦め。

箱根新道は樹林帯の中、曲がりくねった道を一気に上る。約12kmで大観山へ。この日はあいにく積雪のため、大観山への道はパス。富士の峯と眼下に芦ノ湖の大パノラマが楽しめるはずだったが、残念ながら箱根町の芦ノ湖畔へと下る。雪に足場をとられた船着き場には観光客の姿もなく、白い景色の中に、極彩色の観光船がぽつんと浮かんでいた。そして目指す富士山は一本の木立の向こうに白い頭をのぞかせていた。

ここから箱根峠はすぐ。あれほど晴れ上がっていた空にいつの間にか湧き出した雲はいまにも富士山の姿を隠してしまいそう。急いで峠へ出ると、峠の茶屋の庭から芦ノ湖を挟んで、左に駒ヶ岳、右には箱根山と二子山が飛び込んできた。紺碧の湖と白い峰、針葉樹の濃い緑のコントラストが目にしみる。富士山はずっと左の端に、それでもどの峰よりも堂々と聳えていた。

●十国峠

箱根峠から国道1号線を下れば三島市へ、北へ辿れば芦ノ湖スカイラインから御殿場方面へ、そして南へ箱根と伊豆を結ぶ県道20号線を上って行けば約9kmで十国峠のケーブルカー登り口に着く。
ここからケーブルで3分(往復420円)、頂上(日金山)へ立てば視界360度の展望台だ。昔、甲斐、信濃、武蔵などの国々や伊豆七島の十国五島を見渡せたことから「十国峠」と呼ばれ、いまでも好天に恵まれれば見ることができる。峠には大駐車場とレストハウスがあり、山頂にはレストランがある。その昔、安房を攻めた源頼朝、小田原城を攻めた豊臣秀吉、徳川家康が戦略を練ったというこの峠から、いまも変わらぬ富士の雄姿をじっくり眺めてみよう。

●芦ノ湖スカイラインと箱根スカイライン

好天に恵まれ富士山が確実に望める日には、芦ノ湖の西に連なる外輪山の稜線を南北に走る芦ノ湖スカイラインと湖尻峠から、さらに北へと走る箱根スカイラインが絶対お薦めコースだ。ただし、冬はチェーンが必要だったり、通行止になったりすることもある。両スカイラインとも富士山をど真中に箱根一眺めのいいドライブが楽しめる。途中、車が5〜6台止められるスペースがあり、持参のお弁当などを広げたりしてのんびりできる。どちらも有料道路で、芦ノ湖スカイラインは460円、箱根スカイラインは360円(ともに普通車)。

●乙女峠

箱根スカイラインの終点であり始まりでもある長尾峠は、富士山を仰ぎ、御殿場の市街を眼下に見下ろす雄大な眺が楽しめるところ。峠で分かれた道は、左に下る県道401号線は御殿場市へ、右の県道736号線は仙石原から国道138号線乙女峠経由、御殿場市へと続く。

国道は乙女峠の下をトンネルで抜けるが、標高約1000mの峠までは徒歩40分のハイキングコース。峠からの富士は昔から富士見三峠の一つに数えられたところ。その眺めは絶景だ。車でもトンネルを抜けると、驚くほど大きな富士山が目に飛び込んでくる。

●御殿場

ここは峠ではないが、街の何処からでも富士山が見えるうえに富士山麓に広がる町であり、富士登山口としての町でもある。なにしろ市役所には“富士山課”という課まであり、市街を一歩出れば四季の野山とともに富士を愛でる絶好のポイントが沢山ある。市役所の観光課ではそれを「富士見十景」と呼ぶ。
このところとくに人気の高いのは「御殿場温泉会館」だ。乙女峠へ向かう途中にある公営の温泉で、ガラス張りの大浴場から雄大な富士山が眺められる。
入浴料2時間500円から/月曜休/TEL0550-83-3303

○富士五湖

「珠玉を持つ富士の首飾り」と呼ばれる五湖の景観は、それだけでも人々の心を捕らえるが、富士の姿を映してさらに美しさを増す湖なのである。それぞれの湖畔周遊道路も完備され、そそり立つ優雅な富士や湖面に映る逆さ富士の美が堪能できる。ただし、湖畔周遊道路は雪の季節はチェーン規制や積雪のため通行止めのこともあるので注意したい。

●山中湖

御殿場から県道138号線で約15kmで山中湖畔に着く。ここからの富士山は全容ではないが、湖面に浮かぶハクチョウが一服の名画を生む。夏は若者たちで賑わう湖畔も、いまはひっそりと静まりかえっている。

●河口湖

五湖の中で、ホテルや旅館が集中し一番観光地化されている湖だが、北岸には静かなところが残っている。とくに、北岸の岬・産屋が崎から望む逆さ富士は感動もの。湖を一周する約20kmのドライブコースは変化に富んだ入り江とともに眺めのいいところだ。

●西湖

南北に続く山並みが切り通しのように湖面に落ち込み、静かな山上の湖の趣がある。湖畔をめぐる道路が国道と離れているせいもあって、訪れる車の数も少ない。富士山の展望を楽しめるのは西岸。冬の朝、凍てついて澄んだ空気の中で仰ぐ富士の、なんと輝かしいことか。

●本栖湖・精進湖

周囲僅か5kmの小さな精進湖。五湖中一番小さいが、南裾を長く引いた富士の姿は実に優美。南岸の溶岩地帯を含めて全体が箱庭のような景色だ。その精進湖に隣接する本栖湖は、周囲約13km、水深138mと五湖の中でも一番深く、全国的にも第8位。湖畔には人工的なものも少なく、自然派にはお薦めのドライブコースだ。北岸からの富士山の眺めは最高で、5千円札の富士の絵はここからのもの。



降雪、チェーン規制その他観光に関する問い合わせ先

箱根町観光協会/TEL0460-5-5700

箱根町観光経済部公営事業課/TEL0460-4-9149

御殿場市商工観光課/TEL0550-82-4622

御殿場市観光協会/TEL0550-83-4770



富士山の見える宿

●箱根

箱根プリンスホテル
元箱根の芦ノ湖畔にある。湖面に面した部屋からは富士山の眺めを楽しめる。とくに新館は全室が湖畔に面したファミリータイプ。このホテルには温泉も引かれていて、湖畔に露天風呂もある。
料金ツインのみ42,000円/TEL0460-3-7111

山の上ホテル
元岩崎男爵の別邸跡、広大な敷地に建つホテル。芦ノ湖と富士山を一望するこの場所は、昔から景勝地として知られているところ。桧の露天風呂付き温泉大浴場がある。
料金ツイン25,000円から/TEL0460-3-6321

グリーンプラザ箱根
箱根町に平成7年にオープンしたばかりのリゾートホテル。温泉は、金太郎が足柄山で怪我した眼を治したという伝説が残る古湯、姥子温泉を引く。いくつかの部屋からも富士山は臨めるが、やはり富士を間近に見る露天風呂が人気。
料金一泊二食付き18,000円から/TEL0460-4-8611

●富士五湖周辺

ホテルニュー富士(河口湖)
湖の東南岸にあり、岩風呂の展望風呂をはじめ38の全室とレストランから富士の全容が見えるばかりでなく、紺碧の湖に映る逆さ富士も楽しめる。ただし、風呂は天然温泉でないのが少し残念だ。
料金一泊二食付き15,000円から/TEL0555-72-0297

ホテル朝富士(河口湖)
同じ湖の東南の高台にあり、和室10室というこじんまりした宿。全室から富士山と湖が臨め、とくにその名のごとく昇る朝日の富士を寝床の中で眺めることが出来るのが最高だ。
料金一泊二食付き12,000円から/TEL0555-72-1259

富士山中湖ホテル
湖畔の南岸土産物店やレストランなどが集まる旭日丘は、また遊覧船の発着場でもある。その湖畔の高台にある3階建て48室のホテル。富士山の見える部屋は24室。ただし富士山の見える部屋は2,000円増しの特別料金。
料金一泊二食付き16,000円から/TEL0555-62-2520

アルファクレスト山中湖
収容人数230名という大型リゾートホテル。100室の半数の部屋から富士山が見える。富士山の見えない部屋でも一歩外へ出れば富士山と山中湖が眼の前に雄大な姿を見せてくれる。このホテルは室内プールも完備されているので水着を忘れずに。
料金一泊二食付き13,000円から/TEL0555-62-4030


国際観光地箱根町
箱根町のページ。箱根のみどころ、祭、季節の話題や「秀吉小田原攻め」、「芦の湖の逆さ杉」などの歴史も紹介。
箱根彫刻の森美術館
美術館へのアクセス、展覧会情報、VRMLギャラリーなど。視野を変えられる「トンボビュー」で疑似体験。
富士吉田市
富士吉田市の公式ページ。観光情報や市の情報の他、「トンボビュー」やパノラマなど富士山に関するさまざまな画像が見られる。
富士五湖Webインデックス
富士五湖ウィンドオーケストラが提供する、富士五湖地方関連サイトのリンク集。釣り情報や渋滞ポイントマップが嬉しい。

取材:1998年1月