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キプロスの旅(1)



「キプロスってどこ?」私たち多くの日本人にとって意外に知られていない国だ。
ガイドブックを探しても“キプロス”という本は見つからない。ギリシャの一部に扱われているものはあったが簡単な紹介でしかない。また地図の専門店で訊ねても“キプロス”の地図は見つからず、やっと取り寄せてもらって手に入ったほどのところである。

キプロス(CYPRUS)は地中海の中でシチリア、サルジニアに次ぐ3番目に大きな島で、その位置はトルコの南にありシリア、レバノンにも近い。1960年イギリスより独立、その後1974年のキプロス紛争で島はトルコと二分され首都レフコシア(Lefkosa)の街はかつてのベルリン同様分断されたままだ。
キプロスの住民の多くがギリシャ人であることからガイドブックではギリシャと一緒に載せてあると思われるが、キプロスはれっきとした独立国だ。

キプロスは青い海と光輝く太陽を求めて来る北ヨーロッパ人のリゾート地で、白浜の海岸には別荘やホテルが立ち並ぶ。もちろん歴史も古く、遠く古代ギリシャのペロポネソスから移住したアカイア人の都市から始まった島は、古代ギリシャの都市や神殿などの遺跡も多く観光にも適したところである。
今回は日本では馴染みの薄いこのすばらしい国を少し紹介しよう。

はじめに、地名についてはイギリス領時代の呼び名から現地名へと変わりつつある。例えば、かつては首都をニコシア(Nicosia)といったがいまはレフコシア(Lefkosia)、リゾート地リマソール(Limassol)をレメソス(Lemesos)と呼ぶ。そしてサイプラス(Cyprus)をキプロスという。高速道路の標識は両方表示されている。細かいことまではわからないが、ここではできる限り現地呼びにしたいと思う。国際空港のある都市はラルナカ(Larnaka)だ。





ラルナカ(Larnaka)−レメソス(Lemesos)−クリオン(Kourlon)−パフォス(Pafos)
約130km、日帰り




<ルート付近のリンクポイントの地名をクリックしてみてください>



●キプロスへ

日本からキプロスへの直接の飛行機はない。ヨーロッパ経由で行くのが一般的だ。だが、乗り継ぎ時間がスムーズではないことが多く、少し不便な思いをするかもしれない。今回はパリ−アテネ経由便を利用した。
国際便の発着するラルナカ空港は島の東南にあり、首都レフコシアやリゾート地レメソスへはどちらも車で60〜70km。遺跡の多い西はずれのパフォス(Pafos)までは約130km。鉄道はなく公共の交通機関はバスしかない。タクシーはもちろんあるが、旅行者の“足”はレンタカーだ。 空港にはいくつものレンタカー会社が並ぶが、車の数や車種は限られているので予約はしておきたい。

●レメソス

レメソス ラルナカからレメソスへは高速道路で約60km、海岸線から離れたなだらかな丘陵地帯を走る。車窓から流れる風は熱く、地中海特有の有刺植物やオリーブなどしか育たない乾いた大地が続く風景が一層の暑苦しさを誘う。
制限時速は100km。取り締まりが結構厳しいらしく、木陰で“ねずみ取り”をよく見かけたので注意したい。
やがて青い海が見えたらキプロス第二の都市レメソス(Lemesos)だ。早めに海辺を走る一般道へ出よう。
ここからがリゾート地のはじまりだ。青い空、紺碧の海にそって白壁にオレンジ色の瓦屋根の別荘や真っ白いホテルが続く。浜辺は白い砂で水はもちろん地中海色。

高級ホテルや別荘はレメソス市内からはずれて静かな海岸線に並ぶが、街は旧市街と新市街それに海岸線に長いレストラン、バー、クラブなどの街とに分かれている。
見どころはやはり旧市街で港の近くには中世の城が残されている。この国では中世はごく新しい歴史として人気はないが、内部はキプロスの中世を知ることができる博物館になっている。また旧市街は狭い道に、日本ではもう忘れられたブリキや仕立て屋などの職人の店が並び、古いギリシャ人の生活を見ることができる。
しかし、レメソスは北ヨーロッパ人(最近はロシア人も多い)が太陽を求めてくるリゾート地としては名高いが、みどころは少ない。

古代遺跡を訪ねてパフォス(Pafos)へ

●クリオン(Kourlon)の古代遺跡
地中海を見下ろすクリオンの都市遺跡 円形劇場跡
レメソスから西へ約15km、紀元前14〜13世紀にかけてギリシャのペロポネソス半島のアルゴス地方から来たアカイア人の植民地として発展した都市跡だ。
みどころは紀元前2世紀に建造された野外円形劇場で、一段高いところにあるこの劇場は2,000人を収容したという。ローマ式の野外劇場の観客席からは青い海が見渡せる。現在も夏は演劇や音楽会が催されている。この劇場の近くにはローマ時代の公衆浴場もある。

●アポロン神殿

アポロン神殿の遺跡(クリオンの近く) クリオンから約3km西にあるこの神殿と聖域の跡がある。クリオンの守護神としてアポロンが信仰されていた。現在のオリーブと松に似た背丈の低い木がまばらに植えられた乾いた土地からは想像し難いが、古代このあたりは緑豊かな土地であり、神殿は樹木の中にあったという。
メインストリートの奥に神殿があり、聖職者の住居や浴場跡などがある。
円形劇場には沢山の観光客がいたが、神殿跡にはほとんど訪れる人もなく、ゆっくりと見学できるところであった。

●アフロディテ生誕の海

アフロディテ生誕の海 レメソスからパフォスへは高速道路が全面開通間近かだが、レメソスから約30kmのところでいったん高速道路が途切れ、海辺を辿る。一つだけ岩が海に浮かぶひときわ水のきれいなところがある。ここが美の女神「アフロディテ(ビーナス)」の誕生した海として有名なところだ。
地名は“トラトゥミュウの海岸”という。
この海岸で泳ぐのが夢だったというイギリス人女性がいたが、美の女神の誕生地となればやはり女性の憧れの地である。
道路を挟んでレストラン兼みやげもの屋が一軒ある。

●パフォス(Pafos)
パフォスの港 世界遺産のモザイク
キプロスの南西部の町パフォスは古代ギリシャから移民した人々が最初に住んだところ。長い間栄えた由緒ある町は、今も歴史の遺産がいっぱいだ。
長い海岸線のリゾート地や緑の山の風景は、ユネスコ世界自然財宝の一つとして指定されている。
海と山の美しい風景もさることながら、古代に描かれた モザイク絵 が多く発見され、その数と保存の質の良さで世界遺産にも登録されているところだ。

パフォスのアポロン神殿 パフォスにはこの他にもみどころが沢山ある。この町の北約15kmのところにあるアフロディテの伝説のもとになったといわれているアフロディテ神殿跡や、さらに北へ40kmほど行ったアカマス半島近くに深い緑の水をたたえるアフロディテの泉などもある。
時間に余裕のある人は、訪ねてみてはいかがだろう。



CYPRUS
Cyprus Tourism Organizationによるサイト。キプロスへのアクセスや観光情報が英語で提供されている。

取材:2001年6月