千葉・外房 冬の展望ドライブ(1)

イルカのプール。油断していると、目の前でジャンプされて、水しぶきで全身びしょ濡れに 東京から東へと車を走らせて向かったのは千葉の外房エリア。冬、日本列島の太平洋側は晴れた日が多く、大気がからっと乾燥するため、見晴らしのよいところでは好展望が期待できる。外房の海岸線や太平洋の雄大な景色を楽しみながら、漁港などを巡って海の幸を満喫しようというのが今回の旅のプランだ。
東京湾アクアラインを利用して千葉県に入り、房総半島を横切って外房へ。最初に立ち寄った勝浦では、400年以上の歴史がある「朝市」で早速、地元の海産物や野菜などを買い求めた。勝浦からはいったん鴨川方面へと向かい、日蓮宗の開祖・日蓮聖人の生まれ故郷「小湊」やシャチのパフォーマンスで有名な「鴨川シーワールド」を巡った。
その後、来た道を引き返し、勝浦からは海岸線を北上。真っ青に晴れ渡った冬空のもと、「月の沙漠記念公園」「太東埼灯台」「刑部岬」などに立ち寄りながら、九十九里浜沿いの真っすぐな道をひた走り、関東平野の最東端「犬吠埼」をめざした。

ドライブルート

東京都内−(東京湾アクアライン、首都圏中央連絡自動車道)−市原鶴舞IC−(国道297号線)−勝浦−(国道128号線)−鴨川−(国道128号線)−御宿−(国道128号線、県道30号線)−九十九里−(県道30号線、国道126号線、県道286号線、県道254号線など)−犬吠埼

全行程 約240km、今回行程 約150km

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海ほたる

勝浦の朝市に間に合うように、未明のうちに東京の自宅を出発。首都高を抜けて、東京湾に浮かぶ「海ほたるパーキングエリア」で1回目の休憩をとることにした。
海ほたるパーキングエリアは、神奈川県川崎と千葉県木更津を結ぶ東京湾アクアラインのほぼ中間点(海底トンネルと海上道路の境目)に位置している。360度ぐるりと海に囲まれているので、冬の晴れた日には絶好の展望が楽しめる。
5階の展望デッキに上がると、東京湾の湾岸線が一望に。横浜方面を眺めると、横浜みなとみらいのビル群や横浜ベイブリッジのさらに向こう側に雪を頂いた富士山をはっきりと望むことができた。

  • 展望デッキから横浜方面を眺める。空気が澄んでいるため、富士山もはっきりと望めた

    展望デッキから横浜方面を眺める。空気が澄んでいるため、富士山もはっきりと望めた

勝浦朝市

市営駐車場に車を停めてしばらく歩くと、朝市が立ち並ぶ仲本町通りに出た。通りを歩きながら店先をのぞくと、野菜や魚介類のほか、自家製の漬物、餅、甘酒、赤飯などの加工品や、竹細工・わら細工など工芸品が並んでいた。お店の人とお客さんとは顔見知りが多いようで、「今日は何がある?」「久しぶりだね。元気かい?」などと楽しそうに話をしていた。
「勝浦朝市」は400年以上の歴史があることで知られている。朝市がはじまったのは、豊臣秀吉が天下を治めていた天正19年(1591)のころ。当時の勝浦城主・植村土佐守泰忠が、農業と漁業の奨励と農水産物の交換のために開設したといわれている。以来、勝浦の人々の生活を支えてきた。
かつては1年365日、どんな天候の日でも朝市が開かれていたという。現在では、毎週水曜日と年始のみ休みとしているが、それ以外の日は毎日開かれている。出店時間はだいたい朝の6時から11時ごろまで。訪れたのは月の後半(16日〜月末)だったため場所は仲本町通りだったが、月の前半(1日〜15日)は近くの下本町通りで開催されている。
その日、出ていた店はだいたい20軒ほど。野菜を売りに来ていたおばちゃんによれば、「平日はいつもこんなもの。休みの日には80軒ほどの店が通りの両側にぎっちりと並ぶよ」とのことだった。

  • 店の人たちと世間話をするのも朝市の楽しみのひとつ

    店の人たちと世間話をするのも朝市の楽しみのひとつ

  • 地元で獲れた魚を干物にして売っていた

    地元で獲れた魚を干物にして売っていた

  • 店先で試食用に小あじを焼いていた。「食べていきなよ」と声をかけられ、ひとついただいた

    店先で試食用に小あじを焼いていた。
    「食べていきなよ」と声をかけられ、ひとついただいた

  • 平日は地元のお客さんが多いようで、お店の人と親しげに話をしていた

    平日は地元のお客さんが多いようで、お店の人と親しげに話をしていた

勝浦海中公園

沖合にたつ海中展望塔へは桟橋を渡っていく

沖合にたつ海中展望塔へは桟橋を渡っていく

国道128号線を「松部漁港」交差点で左折し、トンネルをくぐりながら複雑に入り組んだ海岸線の道路を進んでいくと、「勝浦海中公園」に着く。
公園内には「海中展望塔」「海の博物館」「海の資料館」など複数の施設があり、中でも海中展望塔は必見だ。
沖合60mの位置にたつ展望塔へは桟橋を渡っていく。途中、桟橋の下をのぞきこむと、波に洗われる岩礁にいくつもの四角いくぼみがあるのが見えた。それらはイワシやエビの生け簀で、昭和30年ごろまで使われていたという。展望塔内には海上と海中の2つの展望室があり、海上展望室からは深い入り江と老松が美しい鵜原理想郷や海抜70mの丘の上にたたずむ勝浦灯台など海岸線の絶景を堪能できる。らせん階段を下りていくと、水深8mの深さにある海中展望室へ。外側の壁につけられた窓をのぞくと、海底を悠々と泳ぐ魚たちの姿を間近に観察することができた。訪れたときはメジナの群れが泳ぎまわっていたが、ときには全長1mを超えるサメの姿を目にすることもできるそうだ。
/海中展望塔観覧料 960円、TEL 0470-76-2955

  • 昭和30年ごろまで使われていた、イワシやエビの天然の生け簀

    昭和30年ごろまで使われていた、イワシやエビの天然の生け簀

  • 海上展望室からの眺め

    海上展望室からの眺め

  • らせん階段を下って、海中展望室へ。ここがちょうど海上と海中の境目

    らせん階段を下って、海中展望室へ。
    ここがちょうど海上と海中の境目

  • 海中展望室。潜水艦の中から海を眺めているような気分を味わえる

    海中展望室。潜水艦の中から海を眺めているような気分を味わえる

  • 窓の外にはメジナの群れが泳ぎまわっていた

    窓の外にはメジナの群れが泳ぎまわっていた

  • 房総の海と自然をテーマにした「海の博物館」。入館料200円

    房総の海と自然をテーマにした「海の博物館」。入館料200円

  • 昔の漁業で使われていた道具などを展示する「海の資料館」。入館無料

    昔の漁業で使われていた道具などを展示する「海の資料館」。入館無料

誕生寺

誕生寺の総門

誕生寺の総門

鴨川の東に位置する小湊は、日蓮宗の開祖・日蓮聖人の生誕の地として知られている。その生家跡に、建治2年(1276)直弟子・日家上人によって建立されたのが、日蓮宗の大本山である「誕生寺」のはじまり。その後、2度の大地震や大津波の天災に遭い、現在の地に移ってきた。
境内の見どころは、重厚な構えの仁王門。宝永3年(1706)の建立で、宝暦8年(1758)の大火から唯一焼失を免れた本寺最古の建物だ。仁王門をくぐった先に建つ祖師堂は弘化3年(1846)建立で、日蓮聖人像を安置している。その鬼瓦は畳21畳分もあり、世界有数の大きさだといわれている。
境内には線香の香りとともに、海から流れてくる磯の香りも漂い、海沿いの寺院ならではの雰囲気を味わうことができた。
/TEL 04-7095-2621

  • 宝暦年間の大火の際、唯一焼けずに残った仁王門。宝永3年(1706)建立

    宝暦年間の大火の際、唯一焼けずに残った仁王門。宝永3年(1706)建立

  • 鯛塚。日蓮聖人の化身とされる鯛の霊を祀っている

    鯛塚。日蓮聖人の化身とされる鯛の霊を祀っている

  • 幼いころの日蓮聖人の像

    幼いころの日蓮聖人の像

  • 祖師とは、その宗派を開いた人のこと。祖師堂には日蓮聖人像を安置している

    祖師とは、その宗派を開いた人のこと。祖師堂には日蓮聖人像を安置している

小湊

誕生寺を訪れたついでに、小湊の町を散策した。
寺のすぐそばにあったのは「鯛の浦遊覧船乗り場」。鯛の浦とは、海岸から船で5分ほど行ったところにある海域で、多くのタイが群生していることからその名で呼ばれている。タイは本来、海中30〜150mぐらいに生息して、普段はその中層あたりを泳いでいる。ところが、鯛の浦では水深10〜30mの浅海であるにもかかわらず群生し、遊覧船に乗って船べりをたたくとその音に誘われるようにタイの群れが水面近くまで上がってくるという不思議な現象を目にすることができる。
日蓮聖人が生まれたとき、無数のタイが海面近くに群れ集ったという伝説から、タイは聖人の化身・分身とされて禁漁が守られ、現在では特別天然記念物に指定されている。

  • 鯛の浦遊覧船の乗り場

    鯛の浦遊覧船の乗り場

  • 遊歩道から海の方を眺めると、磯際に人影が見えた。磯釣りを楽しむ人たちだろうか

    遊歩道から海の方を眺めると、磯際に人影が見えた。
    磯釣りを楽しむ人たちだろうか

  • 鯛の浦祓山遊歩道。海に浮かぶ小島のうち、手前(右)が小弁天、奥(左)が大弁天

    鯛の浦祓山遊歩道。海に浮かぶ小島のうち、手前(右)が小弁天、奥(左)が大弁天

小湊漁協の直売所「活き活き小湊ウオポート」。屋根の上で跳ねる大きな鯛が目印

小湊漁協の直売所「活き活き小湊ウオポート」。屋根の上で跳ねる大きな鯛が目印

港に面した場所に立つ「活き活き小湊ウオポート」は小湊漁業協同組合の直売所。水産加工品や干物などのほか、伊勢エビ、アワビ、サザエ、ヒラメなどの魚介類を生きたまま生け簀で販売していた。
また、ちょうど昼どきだったため、近くの食堂に入り、房総の郷土料理である「さんが焼き」を食べた。さんが焼きとは、アジやイワシなどの魚を味噌、玉ねぎ、しょうが、大葉と一緒にして細かくたたいた「なめろ」を、アワビの殻などに詰めて焼いたもので、なかなかの美味だった。

  • 生け簀では伊勢エビなどを販売していた

    生け簀では伊勢エビなどを販売していた

  • 房総半島の郷土料理「さんが焼き」

    房総半島の郷土料理「さんが焼き」

鴨川シーワールド

鴨川シーワールドのエントランス。ゲートの向こうに太平洋が望める

鴨川シーワールドのエントランス。ゲートの向こうに太平洋が望める

小湊から国道128号線をさらに西へ。天津を過ぎ、東条海岸沿いの真っすぐな道に入ると、やがて道路左手に「鴨川シーワールド」が見えてきた。
鴨川シーワールドは太平洋沿いの広大な敷地に広がる水族館で、シャチ、イルカ、セイウチ、トド、アシカ、アザラシなどの海獣類の豊富さは日本屈指を誇る。
人気はやはりイルカやアシカたちのパフォーマンスで、特に全長6〜7mにもなる巨大なシャチのパフォーマンスは圧巻。日本国内でシャチのショーが見られるのは、ここ鴨川シーワールドと名古屋港水族館(愛知県)の2館だけなので、かなり貴重だといえる。
そのほか、動物たちと記念撮影をしたり、直接触ったり餌をやったりできる体験イベントや、水族館の裏側を見学できるミニツアーもあるので、時間があれば参加してみるのもいいだろう。
/入園料 2,800円、TEL 04-7093-4803

  • イルカのプール。油断していると、目の前でジャンプされて、水しぶきで全身びしょ濡れに

    イルカのプール。油断していると、目の前でジャンプされて、水しぶきで全身びしょ濡れに

  • 大迫力のシャチのパフォーマンス

    大迫力のシャチのパフォーマンス

  • 巨大なセイウチを間近に観察することができる

    巨大なセイウチを間近に観察することができる

  • さまざまな魚たちが悠々と泳ぐ大水槽

    さまざまな魚たちが悠々と泳ぐ大水槽

  • ベルーガのパフォーマンスも見られる

    ベルーガのパフォーマンスも見られる

  • かわいらしいカクレクマノミ

    かわいらしいカクレクマノミ

  • 鴨川シーワールドでは、ウミガメの保護活動も行っている

    鴨川シーワールドでは、ウミガメの保護活動も行っている

  • 海岸に面しているため、園内からの展望はすばらしい

    海岸に面しているため、園内からの展望はすばらしい

  • 鴨川からは国道128号線をふたたび勝浦方面へ。ところどころで展望が開けて、爽快なドライブを楽しめる

    鴨川からは国道128号線をふたたび勝浦方面へ。
    ところどころで展望が開けて、爽快なドライブを楽しめる

  • 国道128号線のうち、館山市北条から長生郡一宮町東浪見までの区間は「外房黒潮ライン」という愛称で呼ばれている

    国道128号線のうち、館山市北条から長生郡一宮町東浪見までの
    区間は「外房黒潮ライン」という愛称で呼ばれている

月の沙漠記念公園

御宿の砂浜にたつ「月の沙漠記念像」。奥に見えるのが「月の沙漠記念館」

御宿の砂浜にたつ「月の沙漠記念像」。奥に見えるのが「月の沙漠記念館」

「月の沙漠を〜♪」という歌い出しで有名な童謡「月の沙漠」。この歌の詩は、大正12年(1923)、詩人・加藤まさをによって外房・御宿の海岸で詠まれた。当時の御宿海岸は起伏果てしない砂丘の連なりであったそうで、その風景から月夜の砂漠をラクダに乗って旅する王子と王女のイメージを得たのだろうか。
現在、海岸の一帯は「月の沙漠記念公園」とされているが、ラクダに乗った王子と姫の銅像や三日月をかたどった詩碑が砂浜の一画にあるぐらいで、あとはただただ美しい砂浜が広がるのみ。夏はおおぜいの海水浴客で賑わう海岸も、冬の夕暮れどきとあって、沖で波を待つサーファー以外に人影はなく、静かなひとときを過ごすことができた。海岸の目の前には、加藤まさをの作品や資料などを展示している「月の沙漠記念館」も建っていた。

  • 夕暮れどきの御宿海岸。夕日に照らされ、光り輝く海が美しい

    夕暮れどきの御宿海岸。夕日に照らされ、光り輝く海が美しい

  • 沖ではサーファーたちが波乗りを楽しんでいた

    沖ではサーファーたちが波乗りを楽しんでいた

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記事・写真:谷山宏典 取材:2017年1月

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