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オーストリア・グロースグロックナー
山岳道路

ドライブライン

円からのぞくとグロースグロックナーがはっきり見える イタリアのコルチナ山群を抜け、オーストリアの山を代表する雪と氷河のグロースグロックナー山群へとドライブの旅は続く。
オーストリアの最高峰である標高3,797mのグロースグロックナーを中心に広がる山岳地帯は国立公園に指定され、南北を縦断する全長約70kmの山岳道路からは、オーストリア・アルプスの大パノラマが堪能できるすばらしいドライブウェイである。またオーストリア最大のパステルツェ氷河上を歩くこともできる。
そして周辺には沢山のハイキングコースもあり、コース沿いではさまざまな高山の動植物も楽しめる。
雄大な山々を眺めながら走る山岳道路周辺にはホテルやリゾート地もあるので、ゆっくり時間をとりたいところである。


サムネイル1 サムネイル2 サムネイル3 サムネイル4 サムネイル5 サムネイル6

ドライブライン

<コース>
リエンツ(Lienz)−N107号線−ハイリゲンブルート(Heiligenblut)−フランツ・ヨーゼフスヘーエ(Franz-josefs-Hohe)−エーデルワイスシュピツェ(Edelweisspitze)−ブルック(Bruck)−ブッヒブェルグ(Buchberg)−N167号線−バードガスタイン(Bad-Gastein)−カートレインで−N105号線−オーバーヴェラチェ(Obervellach)−リエンツ(Lienz)−N100号線−N110号線−イタリア・ヴェネチア(Venezia)
行程 約500km

ルート付近のリンクポイントをクリックしてみてください

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●グロースグロックナー山岳道路(Grossglockner Hocchalpenstrasse)

オーストリアの最高峰、標高3,797mのグロースグロックナーを中心とする山群を南北に貫く山岳道路は、南のハイリゲンブルートから北のブルックに至る。この道路はイタリア寄りのリエンツから、すでにはじまっていてそれを合わせると約50kmある。イタリア寄りは、ドロミテ山群の一端だが、グロースグロックナー観光の南の玄関口だ。


リエンツの町はずれからN107号線を北へ向かう。谷あいに沿って続く道は上りでは、フロントガラスやバックミラーに遠く近くに雪をかぶった山脈が映るのどかな風景が続く。時折、小さな村や、山の斜面などに点在する民家を見るだけで、昼食時というのに、カフェもレストランも見つからなかった。
日本のように、道路沿いばかりか町でも村でも、自動販売機などはないし、田舎町のレストランは土・日曜日及び食事時以外は営業していないことが多い。ドライブ旅行には水と食料は必需品だ。
水車の回る長閑な村を走る
水車の回る長閑な村を走る

間もなく、山岳道路の起点ハイリゲンブルートというあたりで、一軒のレストランがあったが、客の多くは仕事関係の人たちや、常連で込み合っていた。

●パステルツェ(Pasterze)氷河

腹ごしらえした後は、勾配のきつい上り坂となって、一気にグロースグロックナーの頂きを眺めるフランツ・ヨーゼフスヘーエ(Franz-josefs-Hohe)へと上る。標高3,797mのオーストリアの最高峰からは、オーストリア最大の氷河パステルツェ氷河が横たわる。
1856年に皇帝フランツ・ユーゼフ一世は皇后エリーザベイトとともに、この氷河越しに雄大なグロースグロックナーの眺望を楽しんでいる。

氷河まではケーブルを下りてから標高差300m
氷河まではケーブルを下りてから
標高差300m

建設当時は乗り場まで氷河があった
建設当時は乗り場まで氷河があった


氷河を歩くのは自己責任
氷河を歩くのは自己責任
氷河の末端
氷河の末端

ヨーロッパが小氷河期を迎えた15〜16世紀に発達し、19世紀には最高潮に達していた。しかし、その後、後退がはじまり、10年ほど前からはアルプスの氷河は急激に後退している。長さ約10kmあったパステルツェ氷河も、1年に10〜20mの速さで後退し、2008年現在、厚さ約360m、長さも約2kmも短くなったという。
1850年代に氷河へ降りるケーブルカーができたが、いまは、その終点から徒歩で氷河まで約20分下る。氷河への道には、後退した氷河を年代別に記した表示板があり、消えゆく氷河の速さを知ることができる。

氷河の後退状況が図示されていた
氷河の後退状況が図示されていた
1875年
1875年

1970年
1970年
1980年
1980年

2000年
2000年
2005年
2005年

パステルツェ氷河とグロースグロックナー山群を一望にするテラスにはレストランからホテルまで備え、岩をくり抜くように大駐車場がある。山々のスケールも大きいが、観光用設備も大きい。
家族連れも楽しめる
家族連れも楽しめる

グロースグロックナーと氷河の展望
グロースグロックナーと氷河の展望
展望テラスの標高
展望テラスの標高

●エーデルワイススピッツェ(Edelweissspitze)

フランツ・ヨーゼフスヘーエからブルックへ向かう道へと戻る。ここから標高2,400m以上の区間が約7kmも続く山岳道路のハイライトへと車を走らせる。9月というのに、昨夜は雪、谷をはさんで周囲には新雪に覆われた3,000m級の山々の大パノラマだ。
標高2,503mのホッホトア(Hochtor)はザルツブルグとケルンテンの州境を越えるトンネルを抜けて峠を上ると、エーデルワイススピッツェ(標高2,571m)を往復する急坂が右手に現れる。勾配18%という急な坂道だ。キャンピングカーやバスは禁止。50台くらい収容できる展望台の駐車場は、満車だが、長居ができる施設はなく、冷たい風に追われるように下る車も多い。

山岳路を行くライダー
山岳路を行くライダー
狭く急勾配が山頂への道
狭く急勾配が山頂への道

エーデルワイススピッツェ直下
エーデルワイススピッツェ直下
山頂の標示
山頂の標示

360度ぐるりと見渡せる山々は3,000m級だけでも30峰もある。
目の前には、標高3,348m、頂きが平らのホーエドック(Hohe-doock)、氷河の奥には3,419mのクロッケンライン(Klockerin)、ひときわ高くそびえるグロッセス・ビエスバッハ・ホーン(Grosses-Wiesbach-Horn)3,564m。
そして、氷河をはさんで仰ぎ見たグロースグロックナー峰の頂きが、新雪をあびて輝いていた。
円からのぞくとグロースグロックナーがはっきり見える
円からのぞくとグロースグロックナーが
はっきり見える
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山々の眺望
山々の眺望
急な下り。最盛期は数珠つなぎ
急な下り。最盛期は数珠つなぎ

路面の雪が消えたのは幸い
路面の雪が消えたのは幸い
ザルツブルグの標示
ザルツブルグの標示

トンネルを抜けるとザルツブルグ
トンネルを抜けるとザルツブルグ
トンネルを抜けると世界が変わる
トンネルを抜けると世界が変わる

●ブルック(Bruck)へ

カーブを曲がるたびに変化する山々の形、下るにつれ刻々と変わる山々の姿がフロントガラスを覆う。車を停め、しばし佇んでは見上げ、振り返っては眺める山々もだんだん遠ざかる。やがて草原の広がる風景の中を走っていた。いつしか色とりどりの花で飾られた民家や教会の尖塔を目にしたとき、そこはブルックの町だった。

ブルックの町
ブルックの町
ブルック
ブルック

●カートレインに乗って

ブルックから牧草地帯の中を走るN311を辿って約25km、分岐点を右折してN167をバドホフガステイン(Bad-Hofgastein)を抜け、バードガスタイン(Bad-Gastein)へ向けて山間ののどかな田舎道を走る。2,000m級の山が連なる山群に囲まれた一本道だ。2つの町とその周辺は、小さなスキー場やハイキングコース、ホテルやレストランもあるが、コルチナなどの有名な観光地に比べると、どこにでもある静かな田舎町だ。

バードガスタイン付近の牧場
バードガスタイン付近の牧場
戦前のトンネル入り口
戦前のトンネル入り口

車専用車両
車専用車両
車輸送の列車に並ぶ車
車輸送の列車に並ぶ車

バードガスタインの町の先には、2,000mを越える山々をくり抜いたトンネルがある。自動車がそのまま走れるトンネルではなく鉄道線路だ。すべての車は専用の貨物車に乗せられ約10kmのトンネルを通るカートレインだ。トンネルを抜けると、その先には再び道路が続く。
以前、スイスで同じカートレインを利用したが、乗客は自分の車に乗ったまま貨車に積まれ、サイドブレーキを引くこと、というアナウンスだけで真っ暗闇のトンネルの中をまるで遊園地の電車のように走り抜けた。スリル満点のカートレインだったが、ここオーストリアは違っていた。ドライバーを含め乗客は全員客車に案内され、そこには電気もついていた。

●トンネルを抜けて再びリエンツへ

トンネルを出て、列車を降りた駅はメルニッツ(Mallnitz)という村だった。標高約1,200m、グロースグロックナー山群から東に続く2,000mを超える山々の谷あいに、ひっそりと小さな村であった。カートレインはこれよりさらに続いていた。

走りはじめて間もなく、標高差600mの急斜面の山道を下る。見上げても、見下ろしても崖っぷち、といえるような山道である。切り立った岩肌を削り、あるいは岩をくり抜きトンネルを掘って開いた道だ。
乗用車でさえ大変な道を、途中一度だけトラックとやっとの思いですれ違った。どうやって細いヘアピンのような急カーブを曲がるのかと思ったが、2回のハンドル切り返しで、グングン上っていった。
イタリア側の狭く、険しい山道
イタリア側の狭く、険しい山道

急坂を下ると視界は開け、緑の草原が広がり、牛追いや羊飼いとともに、道路を悠然と歩く牛や羊の群れに出会いながらN106のリエンツへの幹線道路へと出た。ここからヴェネチアへは半日行程だ。

オーストリアの田舎は長閑です
オーストリアの田舎は長閑です
牛の移動は天下御免
牛の移動は天下御免


オーストリア政府観光局
「主要都市と景勝地」では、ウィーン、ザルツブルク、インスブルックほか全9つの州都や世界遺産のワッハウ峡谷などが紹介されている。

取材:2008年10月